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公開番号2024122632
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023030290
出願日2023-02-28
発明の名称器官芽の保存方法
出願人公立大学法人横浜市立大学,日産化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240902BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】従来の課題を解決できる新規の器官芽の保存技術の確立。
【解決手段】脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び、アルギン酸又はその塩を含む、器官芽を保存するための液体組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び、アルギン酸又はその塩を含む、器官芽を保存するための液体組成物。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
塑性流体であることを特徴とする、請求項1記載の液体組成物。
【請求項3】
脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度が、0.002~0.01(w/v)%であり、
アルギン酸又はその塩の濃度が、0.004~0.1(w/v)%である、
請求項1又は2記載の液体組成物。
【請求項4】
さらに器官芽を含む、請求項1~3のいずれか一項記載の液体組成物。
【請求項5】
液体組成物において、器官芽が1~7680器官芽/mLの密度で存在することを特徴とする、請求項4記載の液体組成物。
【請求項6】
液体組成物において、溶液中に占める器官芽の体積が0.00002~0.17%の比率で存在することを特徴とする、請求項4記載の液体組成物。
【請求項7】
液体組成物が、15~34℃に維持されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項記載の液体組成物。
【請求項8】
器官芽が、肝芽である、請求項1~7のいずれか一項記載の液体組成物。
【請求項9】
脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び、アルギン酸又はその塩を含む液体組成物中で器官芽を浮遊及び分散させる工程を含む、器官芽を保存するための方法。
【請求項10】
液体組成物が、塑性流体であることを特徴とする、請求項9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、器官芽を保存するための方法に関し、より詳細には、脱アシル化ジェランガム及びアルギン酸を用いた、器官芽を保存するための方法等に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、末期臓器不全に対して臓器移植が唯一の根本的治療法である。しかし、ドナー臓器の供給は絶対的に不足しており、米国だけでも毎年2千人以上の肝不全患者が移植を待つ間に死亡あるいは病状悪化により移植が受けられない状態が続いている。従って、臓器移植に代わる治療法として、新たなヒト臓器創出技術の開発が求められている。
【0003】
かかる状況下、本発明者らのグループは、これまでに様々な器官芽を調製する方法を構築している。例えば、本発明者らのグループは、肝内胚葉細胞、血管内皮細胞、間葉系細胞の3種類の細胞から、血管網を有した肝臓の原基(肝芽)を調製する方法を構築しており、さらには、これらの3種類の細胞すべてをiPS細胞から調製することで、高品質かつ均質な肝芽を大量に調製する方法を構築している(特許文献1~3、非特許文献1、2)。
【0004】
本発明者らのグループの成果により肝芽をはじめとする器官芽を調製する手段は構築されたが、依然として器官芽の生体移植プロセスには課題が存在する。生体移植用の器官芽は細胞培養加工施設を用いて再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準であるGCTPに準拠して製造されるが、調製された器官芽を品質を保ったうえで医療機関などの移植実施施設へ輸送するためには、器官芽の保存技術が必要不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2013/047639
WO2015/012158
WO2019/107535
【非特許文献】
【0006】
Takebe T et al., Nature 499, pp481-484, 2013
Takebe T et al., Cell Stem Cell 16, pp556-565, 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
器官芽は栄養や酸素供給の面から、分散した状態で保存および輸送されることが求められる。現在は、研究施設などで調製された移植用の器官芽は凝集を防ぎ分散状態を保つために4℃などの低温条件下で医療機関へ輸送されることが一般的である。しかし、低温条件下における器官芽の保存及び輸送は6時間程度が限界である。また、分散状態を保つためにゲル包埋による保存も可能であるが、使用温度範囲が限定されること、および移植前に器官芽をゲルから取り出す作業を要することなど、課題も多い。従って、これらの課題を解決できる新規の器官芽の保存および輸送技術の確立が強く求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、脱アシル化ジェランガムとアルギン酸を含む水溶液が、
(1)撹拌等の操作なしに、肝芽を浮遊及び分散した状態で維持できること、
(2)常温に近い温度帯で肝芽を保存できること、
(3)生物学的機能を良好に保持した肝芽を長時間保存できること、
等を見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
[1]
脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び、アルギン酸又はその塩を含む、器官芽を保存するための液体組成物。
[2]
塑性流体であることを特徴とする、[1]記載の液体組成物。
[3]
脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度が、0.002~0.01(w/v)%であり、
アルギン酸又はその塩の濃度が、0.004~0.1(w/v)%である、
[1]又は[2]記載の液体組成物。
[4]
さらに器官芽を含む、[1]~[3]のいずれか記載の液体組成物。
[5]
液体組成物において、器官芽が1~7680器官芽/mLの密度で存在することを特徴とする、[4]記載の液体組成物。
[6]
液体組成物において、溶液中に占める器官芽の体積が0.00002~0.17%の比率で存在することを特徴とする、[4]記載の液体組成物。
[7]
液体組成物が、15~34℃に維持されることを特徴とする、[1]~[6]のいずれか記載の液体組成物。
[8]
器官芽が、肝芽である、[1]~[7]のいずれか記載の液体組成物。
[9]
脱アシル化ジェランガム又はその塩、及び、アルギン酸又はその塩を含む液体組成物中で器官芽を浮遊及び分散させる工程を含む、器官芽を保存するための方法。
[10]
液体組成物が、塑性流体であることを特徴とする、[9]記載の方法。
[11]
液体組成物中の脱アシル化ジェランガム又はその塩の濃度が、0.002~0.01(w/v)%であり、
アルギン酸又はその塩の濃度が、0.004~0.1(w/v)%である、
[9]又は[10]記載の方法。
[12]
液体組成物において、器官芽が1~7680器官芽/mLの密度で存在することを特徴とする、[9]~[11]のいずれか記載の方法。
[13]
液体組成物において、溶液中に占める器官芽の体積が0.00002~0.17%の比率で存在することを特徴とする、[9]~[11]のいずれか記載の方法。
[14]
器官芽の保存が、15~34℃で行われることを特徴とする、[9]~[13]のいずれか記載の方法。
[15]
器官芽が、肝芽である、[9]~[14]のいずれか記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生物学的機能を良好に保持した器官芽を長時間保存できる。加えて、本発明によれば、器官芽の保管や輸送時の温度管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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