TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024112078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-20
出願番号2023016923
出願日2023-02-07
発明の名称材料評価方法
出願人株式会社豊田中央研究所
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/06 20060101AFI20240813BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】アッセイ液を用いて平板状材料を評価する方法において、操作を簡便化し、経時的な測定を可能にする。
【解決手段】貫通孔を有する枠状のアダプタを用意し、貫通孔の一方の開口を形成するアダプタの端部が、評価対象物である平板状材料に接するように、平板状材料の表面にアダプタを固着させ、平板状材料を評価するためのアッセイ液をアダプタの貫通孔内に配置して、アッセイ液内において、平板状材料の表面の特定の状態に応じて進行する反応を進行させ、貫通孔内のアッセイ液に対してアダプタの外部に配置した照射部から照射光を照射し、アダプタの外部に配置した検出部において、照射光の照射の結果としてアッセイ液との反応から得られる検出光を検出し、検出光を検出した検出結果を用いて、平板状材料の表面における前記特定の状態を評価する材料評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
材料評価方法であって、
貫通孔を有する枠状のアダプタを用意し、
前記貫通孔の一方の開口を形成する前記アダプタの端部が、評価対象物である平板状材料に接するように、前記平板状材料の表面に前記アダプタを固着させ、
前記平板状材料を評価するためのアッセイ液を前記アダプタの前記貫通孔内に配置して、前記アッセイ液内において、前記平板状材料の表面の特定の状態に応じて進行する反応を進行させ、
前記貫通孔内の前記アッセイ液に対して前記アダプタの外部に配置した照射部から照射光を照射し、
前記アダプタの外部に配置した検出部において、前記照射光の照射の結果としてアッセイ液との反応から得られる検出光を検出し、
前記検出光を検出した検出結果を用いて、前記平板状材料の表面における前記特定の状態を評価する
材料評価方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記平板状材料の表面における前記特定の状態の評価は、前記検出光の経時的な変化を継続的に検出することにより行う
材料評価方法。
【請求項3】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記平板状材料および前記アダプタとして、複数の平板状材料およびアダプタを用意し、
マルチウェルプレートの各ウェル内において、一対の前記平板状材料と前記アダプタとを固着させると共に、各アダプタの前記貫通孔内にアッセイ液を配置し、
前記マルチウェルプレートを対象として、前記照射光の照射および前記検出光の検出を行う
材料評価方法。
【請求項4】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記アダプタとして複数のアダプタを用意し、
前記平板状材料の表面への前記アダプタの固着は、前記平板状材料の異なる複数の位置の各々に、前記アダプタを固着させることによって行う
材料評価方法。
【請求項5】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記照射部および前記検出部は、前記アダプタが有する前記貫通孔の他方の開口から前記貫通孔の軸線方向に沿って、前記アダプタから離間した位置に設けられている
材料評価方法。
【請求項6】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記アダプタとして、少なくとも前記貫通孔の一方の開口を形成する端部を含む部位が粘着性樹脂によって形成されるアダプタを用い、
前記粘着性樹脂が有する粘着性を利用して、前記平板状材料の表面に前記アダプタを着脱可能に固着させる
材料評価方法。
【請求項7】
請求項1に記載の材料評価方法であって、
前記アッセイ液として、蛍光タンパク質で標識された模擬ウイルス粒子を含む液を用い、
前記検出部が前記検出光として検出した蛍光の強度により、前記平板状材料の表面における前記特定の状態として、前記平板状材料の表面における抗ウイルス性を評価する
材料評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、材料評価方法に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、評価対象材料の表面の状態を評価するための種々の方法が知られている。例えば、JIS R1756:2020には、抗ウイルス加工を施した製品の表面における抗ウイルス性を評価する方法が記載されている。ここでは、評価対象物である試験片(5cm角)上にウイルス液を滴下してフィルム(4cm角)で被覆して所定条件で培養し、その後、試験片とフィルムからウイルスを洗い出して、得られた洗浄液中のウイルス数を寒天培地に生じるプラーク数として測定する方法が記載されている。
【0003】
また、液体試料を対象とする測定する方法としては、マイクロプレート等を用いた種々の方法が知られている。例えば、非特許文献1では、マイクロリアクターアレイを用いて生体分子を検出するバイオアッセイの方法であって、ハイスループットアッセイが可能になる方法が開示されている。そして、特許文献1には、液体試料の吸光度を光学的に測定するのに適したマイクロチップアセンブリが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開211-214984号公報
【非特許文献】
【0005】
Rikiya Watanabe et al., Lab Chip, 2018, 18, 2849-2853
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したJISに規定される抗ウイルス性の評価方法では、試験片と接触させたウイルス液を含む上記洗浄液を寒天培地上で培養する工程を伴うため、液体を回収するサンプリング操作や培養に係る操作など、煩雑な操作を行う必要があった。また、上記した抗ウイルス性の評価方法では、試験片とウイルス液とを接触させて特定の時間が経過したときに、ウイルス液を含む液の回収および培養等を含む操作を行って評価するため、試験片とウイルス液とを接触させる時間が制限されて、試験片とウイルス液とを接触させた後の経時的な変化の時間分解能を高めることが困難であった。既述した特許文献1や非特許文献1に記載のように、液体試料を対象とする評価方法では、マイクロリアクターアレイやマイクロチップアセンブリ等の装置に液体試料とアッセイ液とを投入して光学的手法等を用いて測定する方法のように、比較的簡便な操作による評価が可能であった。また、測定のタイミングが特に制限されることなく、液体試料の経時変化に対応する測定が可能であった。しかしながら、平板状材料のような固体の材料と、評価のためのアッセイ液と、を接触させて評価する方法においては、このような簡便な測定方法は知られておらず、評価のための操作の簡便化や、測定の時間分解能を高めることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、材料評価方法が提供される。この材料評価方法では、貫通孔を有する枠状のアダプタを用意し、前記貫通孔の一方の開口を形成する前記アダプタの端部が、評価対象物である平板状材料に接するように、前記平板状材料の表面に前記アダプタを固着させ、前記平板状材料を評価するためのアッセイ液を前記アダプタの前記貫通孔内に配置して、前記アッセイ液内において、前記平板状材料の表面の特定の状態に応じて進行する反応を進行させ、前記貫通孔内の前記アッセイ液に対して前記アダプタの外部に配置した照射部から照射光を照射し、前記アダプタの外部に配置した検出部において、前記照射光の照射の結果としてアッセイ液との反応から得られる検出光を検出し、前記検出光を検出した検出結果を用いて、前記平板状材料の表面における前記特定の状態を評価する。
この形態の材料評価方法によれば、平板状材料の表面に固着させたアダプタ内のアッセイ液において、平板状材料の表面の特定の状態に応じた反応を進行させ、アッセイ液に対して照射光を照射すると共に、照射の結果としてアッセイ液との反応から得られる検出光を検出して、平板状材料の表面の特定の状態を評価する。そのため、平板状材料を評価するための測定時に、アッセイ液の回収や回収したアッセイ液の処理等の操作が不要になり、評価のための操作を簡便化することができる。また、アッセイ液中で上記反応が進行する状態で検出光を検出することができるため、測定のタイミングが制限されることがなく、測定の時間分解能を高めて経時的な測定を容易に行うことができる。
(2)上記形態の材料評価方法において、前記平板状材料の表面における前記特定の状態の評価は、前記検出光の経時的な変化を継続的に検出することにより行うこととしてもよい。このような構成とすれば、検出光の測定値の時間に対する傾き等の測定値の変化の傾向を求めることにより、より精度良く平板状材料を評価することが可能になる。また、検出のためにアッセイ液の回収や回収したアッセイ液の処理等の特別な操作が不要であるため、より短い時間間隔での継続的な検出が可能になり、評価の際の時間分解能を高めることができる。
(3)上記形態の材料評価方法において、前記平板状材料および前記アダプタとして、複数の平板状材料およびアダプタを用意し、マルチウェルプレートの各ウェル内において、一対の前記平板状材料と前記アダプタとを固着させると共に、各アダプタの前記貫通孔内にアッセイ液を配置し、前記マルチウェルプレートを対象として、前記照射光の照射および前記検出光の検出を行うこととしてもよい。このような構成とすれば、マルチウェルプレートを対象として検出を行うことができるため、多数の平板状材料を評価対象物として一度に評価するハイスループット評価を容易に行うことができる。また、共通する形状のアダプタを用いる場合には、用意する平板状材料の大きさを精度良く揃えることなく、平板状材料の単位面積当たりの評価が可能になる。
(4)上記形態の材料評価方法において、前記アダプタとして複数のアダプタを用意し、前記平板状材料の表面への前記アダプタの固着は、前記平板状材料の異なる複数の位置の各々に、前記アダプタを固着させることによって行うこととしてもよい。このような構成とすれば、平板状材料を切断等することなく、平板状材料の表面における複数の所望の箇所の評価を同時に行うことができる。また、評価対象箇所の位置情報と、検出結果との対応付けが容易になり、平板状材料の表面の位置ごとの評価を容易に行うことができる。
(5)上記形態の材料評価方法において、前記照射部および前記検出部は、前記アダプタが有する前記貫通孔の他方の開口から前記貫通孔の軸線方向に沿って、前記アダプタから離間した位置に設けられていることとしてもよい。このような構成とすれば、照射部と検出部とを含む測定装置の構成を簡素化することができる。また、貫通孔の開口から照射光の照射および検出光の取得を行うため、アダプタの材料にかかわらず検出および評価を行うことができる。
(6)上記形態の材料評価方法において、前記アダプタとして、少なくとも前記貫通孔の一方の開口を形成する端部を含む部位が粘着性樹脂によって形成されるアダプタを用い、前記粘着性樹脂が有する粘着性を利用して、前記平板状材料の表面に前記アダプタを着脱可能に固着させることとしてもよい。このような構成とすれば、アダプタの固着の動作を簡素化できると共に、アダプタの固着に起因する平板状材料の表面の損傷を抑えることができる。また、アダプタの再利用が可能になる。
(7)上記形態の材料評価方法において、前記アッセイ液として、蛍光タンパク質で標識された模擬ウイルス粒子を含む液を用い、前記検出部が前記検出光として検出した蛍光の強度により、前記平板状材料の表面における前記特定の状態として、前記平板状材料の表面における抗ウイルス性を評価することとしてもよい。このような構成とすれば、感染性を有しない模擬ウイルス粒子を用いることで、より高い安全性を確保しつつ、抗ウイルス性を評価することができる。
本開示は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、材料評価方法において用いるアダプタや、材料の抗菌性の評価方法や、材料の抗ウイルス性の評価方法などの形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
材料評価方法を表す説明図。
アダプタを用いて材料評価方法を実行する様子を模式的に表す説明図。
アダプタを用いて材料評価方法を実行する様子を模式的に表す説明図。
アダプタを用いて材料評価方法を実行する様子を模式的に表す説明図。
アダプタを用いない材料評価方法の一例を示す説明図。
第2実施形態の材料評価方法の説明図。
第2実施形態の変形例の材料評価方法の説明図。
第3実施形態の材料評価方法の様子を示す説明図。
アダプタの密着性を評価した結果をまとめた説明図。
実施例のアダプタを用いたタイムラプス測定の結果を示す説明図。
フィルム密着法によるタイムラプス測定の結果を示す説明図。
アダプタを用いた逐次サンプリング測定の結果を示す説明図。
VLP-RFPを用いた抗ウイルス評価を行った結果を示す説明図。
1価の銅イオンの溶出を評価した結果を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、本開示の第1実施形態としての材料評価方法を表す説明図であり、図2Aおよび図2Bは、アダプタ10を用いて上記材料評価方法を実行する様子を模式的に表す説明図である。本実施形態の材料評価方法は、評価対象物である平板状材料20の表面の特定の状態を評価する方法である。図1、図2A、図2B、および後述する図3には、方向を特定するために、互いに直交するXYZ軸を示している。各図に示されるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれ同じ向きを表す。X軸およびY軸は水平方向を示し、Z軸は鉛直方向を示す。+Z方向が、鉛直上方を示す。図2Aは断面図を表し、図2Bは平面図を表す。図2Bにおいて、図2Aの断面図の位置をA-A断面として示している。
【0010】
本実施形態の材料評価方法を実行する際には、まず、評価対象物である平板状材料20、および、アダプタ10を用意する(工程T100)。アダプタ10は、貫通孔12を有する枠状の部材である。図2Aおよび図2Bではアダプタ10を円筒状に表しているが、アダプタ10は異なる形状であってもよく、例えば、三角形や矩形を含む多角形形状の断面を有する筒状とすることができる。アダプタ10において貫通孔12の一方の開口を形成する端部14(以下、一方の端部14とも呼ぶ)は、平板状材料20への固着を容易にするために、アダプタ10の軸線方向に垂直な平面を形成する形状であることが望ましい。また、アダプタ10は、後述するアッセイ液と実質的に反応しない材料により構成すればよい。アッセイ液との反応に関連して、アダプタ10は、実質的に吸水性を有しない材料により構成することが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

杏林製薬株式会社
PCR用溶液
2か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
2か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
9日前
株式会社島津製作所
溶血試薬
1か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
7日前
株式会社明治
細菌の検出方法
1か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
1か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
1か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質
1か月前
個人
培養システム
1か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
22日前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
23日前
テルモ株式会社
サンプリングキット
20日前
テルモ株式会社
サンプリングキット
20日前
本田技研工業株式会社
培養システム
22日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
2か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
20日前
テルモ株式会社
濾過装置および濾過方法
2か月前
長谷川香料株式会社
ビールテイスト飲料用香味改善剤
2か月前
東ソー株式会社
多能性幹細胞由来細胞集団の製造方法
1か月前
イチビキ株式会社
下痢・軟便の予防・軽減素材
1か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
17日前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
10日前
加藤嘉八郎酒造株式会社
清酒の製造方法、および清酒
2か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
10日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
10日前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
極東開発工業株式会社
発酵装置及びメタンガス製造方法
21日前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
1か月前
続きを見る