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公開番号2024102393
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-31
出願番号2021101975
出願日2021-06-18
発明の名称変異型SARS-CoV-2の検出方法
出願人タカラバイオ株式会社
代理人
主分類C12Q 1/6888 20180101AFI20240724BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
SARS-CoV-2の変異株は、これまでに構築されたウイルス検出方法では元のウイルスと区別することが難しかった。ウイルスゲノムの塩基配列を解読することにより変異を網羅的に検出することは可能であるが、高速シーケンサーを必要とするなど、迅速、簡便に実施可能な方法ではない。以上のとおり、変異が生じたSARS-CoV-2を特異的にかつ簡便に検出できる方法が求められていた。
【解決手段】
SARS-CoV-2ならびにその変異株のゲノムRNA配列を比較、検討し、スパイクタンパク質に特定の変異が生じたウイルス変異株を核酸増幅法により検出するのに有用なオリゴヌクレオチドを見出した。さらに、当該オリゴヌクレオチドを使用する変異型SARS-CoV-2の検出方法を構築した。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
変異型SARS-CoV-2の検出に使用されるオリゴヌクレオチドであって、
(a)配列番号35に示される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、
(b)配列番号36に示される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、および
(c)配列番号61に示される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチド、
から選択されるオリゴヌクレオチド。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
配列番号4、8、12、14、16から選択される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
配列番号24、27、30、32、34、37、44、45、46から選択される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
配列番号53、54、55,56、57から選択される塩基配列もしくは当該配列に相補的な配列からなる、請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
蛍光物質及び消光物質で標識されている請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
副溝結合剤(MGB)が付加されている請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
bridged nucleic acid(BNA)を含む請求項1記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
試料中の変異型SARS-CoV-2を検出する方法であって、
(1)試料に含まれるSARS-CoV-2ゲノムに相補的なDNAまたはその断片を合成する工程、および
(2)請求項1から請求項7いずれか記載のオリゴヌクレオチドを使用して、工程(1)で得られたDNAまたはその断片に含まれる変異型スパイクタンパク質をコードする塩基配列またはその一部を検出する工程、
を包含することを特徴とする方法。
【請求項9】
工程(1)が、合成されたDNA断片を増幅する工程をさらに含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
工程(2)において、DNAまたはその断片とハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの分解により変異型スパイクタンパク質をコードする塩基配列またはその一部の検出が実施される、請求項8記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、変異型SARS-CoV-2の検出に使用されるオリゴヌクレオチド、当該オリゴヌクレオチドを使用する変異型SARS-CoV-2の検出方法ならびに当該検出方法に使用されるキットに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
細菌やウイルスによりヒトに引き起こされる感染症の中には、もっぱら局地的な感染にとどまるもの、地理的条件とはかかわりなく広く蔓延する可能性のあるものが存在する。ヒト-ヒト間で感染が成立する感染症は後者に該当し、その感染力や感染患者が呈する症状の重篤度によっては社会問題化することもある。天然痘、ペスト、インフルエンザ(スペイン風邪)等、大規模な流行を起こしてその後の歴史に影響を与えた感染症も少なくない。
【0003】
多くの感染症について治療や予防の方法が開発された現代でも、引き続き注意を要する感染症が残されているのに加え、さらに新興感染症のリスクが存在している。2003年に発見されたSARSコロナウイルス(SARS-CoV)は重篤な呼吸器疾患を引き起こすウイルスであることが明らかとされた。さらに、2019年には新たなコロナウイルスであるSARS-CoV-2が出現し、2020年には世界的に蔓延している。
【0004】
感染症への対応手段としては治療薬等の開発と普及、ならびに衛生面での環境整備が挙げられる。加えて、病原体の存在や感染者を特定して早期に隔離措置を講じ、感染経路を遮断することは、感染症の蔓延防止において極めて重要である。上記のSARS-CoV-2を検出する方法としては、ウイルスRNAを標的とする核酸検査法(例えば非特許文献1)、ウイルスタンパク質を標的とする抗原検査法、感染が疑われるヒトの血液を試料とする抗体検査法等がすでに開発されている。現在は、主に検出感度の観点から核酸検査法がウイルス検査の主流となっている。一方、当該ウイルスからは複数の変異ウイルス(変異株)が発生しており、これらは元のウイルスとは異なる性質を持つと報告されている(例えば非特許文献2、非特許文献3)。
【0005】
これらの変異株は、これまでに構築されたウイルス検出方法では元のウイルスと区別することが難しく、ウイルスの変異を疫学的に検討する上では問題を有している。さらに、変異株は変異前のウイルスの情報に基づいて構築されたウイルス検出系では検出できない、もしくは検出感度が低下する可能性がある。ウイルスゲノムの塩基配列を解読することにより変異を網羅的に検出することは可能であるが、高速シーケンサーを必要とするなど、迅速、簡便に実施可能な方法ではない。
【0006】
以上のとおり、変異が生じたSARS-CoV-2を特異的にかつ簡便に検出できる方法が求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Japanese Journal of Infectious Diseases(2020)、73(4)、320-322
Science(2021)、372(6538)、eabg3055
Cell Mol. Immunol.(2021)、18(4)、1058-1060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
変異型SARS-CoV-2の多くはスパイクタンパク質に多重変異が生じている。代表的なものとして、発生国を基に3系統〔英国VOC-202012/01(B.1.1.7)、南アフリカ501Y.V2(B.1.351)、ブラジル501Y.V3(P.1)〕が報告されている。変異株については感染伝播力の上昇およびワクチン効果を減弱させる免疫逃避の可能性が指摘されている。これら変異株のスパイクタンパク質に生じている変異に関する、国立感染症研究所の報告(2021年4月7日付)に記載された情報を表1に示す。
【0009】
TIFF
2024102393000001.tif
26
144
【0010】
一方、変異株B.1.617系統はスパイクタンパク質にL452R、D614GおよびP681R変異を共通に有している(国立感染症研究所、2021年5月12日付報告)。本系統の変異株はインドにおいて多く検出されており、従来の流行株より高い増加率を示していると言われている。同系統に含まれるB.1.617.1およびB.1.617.3はE484Q変異を有している(欧州疾病予防管理センター、2021年5月24日付報告)。
(【0011】以降は省略されています)

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