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公開番号2024161667
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2023076514
出願日2023-05-08
発明の名称ウイルス不活化用組成物
出願人国立大学法人東京海洋大学
代理人個人
主分類C12N 9/36 20060101AFI20241113BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の目的は、効果的にウイルスを不活化できる薬剤を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオスレトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドからなる群から選択される還元剤により還元された還元リゾチームを有効成分として含む、ウイルス不活化用組成物によって解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオスレトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドからなる群から選択される還元剤により還元された還元リゾチームを有効成分として含む、ウイルス不活化用組成物。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記還元リゾチームが還元剤及び熱処理による還元リゾチームである、請求項1に記載のウイルス不活化用組成物。
【請求項3】
リゾチームを、2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオスレトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドからなる群から選択される還元剤で処理する工程を含む、還元リゾチームの製造方法。
【請求項4】
還元剤で処理されたリゾチームを、熱処理する工程を更に含む、請求項3に記載の還元リゾチームの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス不活化用組成物に関する。本発明によれば、ノロウイルスなどのウイルスを効果的に不活化することができる。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ノロウイルスは、ヒトに対する感染性が高く、食中毒又はウイルス性急性胃腸炎を引き起こすことが知られている。現在、ノロウイルスに対する有効な抗ウイルス剤が開発されていないため、有効な予防法及び治療法が確立されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/125961号
国際公開第2016/017784号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、リゾチームを加熱変性することによって、ノロウイルスを不活化できることを見出した(特許文献1及び2)。しかしながら、更に効果的なウイルスを不活化できる薬剤の開発が期待されていた。
従って、本発明の目的は、効果的にウイルスを不活化できる薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、効果的にウイルスを不活化できる薬剤について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、リゾチームを還元剤で還元することにより、還元リゾチームが効果的にウイルス、特にはノロウイルスを不活化できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオスレトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドからなる群から選択される還元剤により還元された還元リゾチームを有効成分として含む、ウイルス不活化用組成物、
[2]前還元リゾチームが還元剤及び熱処理による還元リゾチームである、[1]に記載のウイルス不活化用組成物、
[3]リゾチームを、2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、ジチオスレトール、及びトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドからなる群から選択される還元剤で処理する工程を含む、還元リゾチームの製造方法、及び
[4]還元剤で処理されたリゾチームを、熱処理する工程を更に含む、[3]に記載の還元リゾチームの製造方法、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のウイルス不活化用組成物によれば、ノロウイルスなどのウイルスを効果的に不活化することができる。本発明のウイルス不活化用組成物は限定されるものではないが、塩を含む水溶液中で凝集、又は白濁しない。従って、塩を含む食品におけるウイルス不活化に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
卵白リゾチームを2-メルカプトエタノールで処理した還元リゾチームのウイルス不活化効果を示したグラフである。
卵白リゾチームをトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリドで処理した還元リゾチームのウイルス不活化効果を示したグラフである。
卵白リゾチームを2-メルカプトエタノール処理及び加熱処理した還元リゾチームのウイルス不活化効果を示したグラフである。
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド処理された還元リゾチームが、塩を含む溶液中で、凝集及び白濁しないことを示したグラフである。
トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド処理された還元リゾチームの塩を含む溶液中でのウイルス不活化効果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1]ウイルス不活化組成物
本発明のウイルス不活化組成物は、還元リゾチームを有効成分として含む。
【0009】
《還元リゾチーム》
本発明の組成物の有効成分である還元リゾチームは、還元剤の処理により還元されたリゾチームである。還元リゾチームに用いられるリゾチームは、限定されるものではないが、C型リゾチーム(ニワトリ型リゾチーム)、G型リゾチーム(グース型リゾチーム)、又は無脊椎動物リゾチームが挙げられる。C型リゾチームとしては、ニワトリ、キジ、アヒルなどの小型の鳥類、哺乳類、魚類、又は昆虫類のリゾチームが挙げられる。G型リゾチームとしては、ガン、ハクチョウ、又は走鳥類などの大型の鳥類のリゾチームが挙げられる。無脊椎動物リゾチームとしては、貝類などのリゾチームが挙げられる。具体的なC型リゾチームとしては、卵白リゾチーム(配列番号1)、又はヒトリゾチーム(配列番号2)が挙げられる。
【0010】
(還元剤)
還元剤としては、2-メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン-HCl(Mercaptoethylamine-HCl)、ジチオスレトール((Dithiothreitol;DTT)、又はトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロリド(Tris(2-carboxyethyl)phosphine Hydrochloride)が挙げられる。還元剤による処理は、後述の「還元リゾチームの製造方法」に記載の方法に従って行うことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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