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公開番号2024153567
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2024060519
出願日2024-04-04
発明の名称トリ骨髄芽細胞腫ウイルス逆転写酵素の製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C12N 15/54 20060101AFI20241022BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を発現可能な遺伝子組換え大腸菌を用いたAMV逆転写酵素の製造において、AMV逆転写酵素を効率的に生産可能な方法を提供すること。
【解決手段】AMV逆転写酵素をコードする遺伝子に加えて、プロテアーゼをコードする遺伝子を共発現させることで、前記課題を解決する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を発現可能な遺伝子組換え大腸菌を培養することで前記AMV逆転写酵素を発現させる工程と、
得られた培養物から前記AMV逆転写酵素を回収する工程とを含むAMV逆転写酵素の製造方法であって、
前記遺伝子組換え大腸菌がAMV逆転写酵素をコードする遺伝子とプロテアーゼをコードする遺伝子との共発現が可能である、前記製造方法。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記プロテアーゼの発現量が前記AMV逆転写酵素の発現量よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記遺伝子組換え大腸菌が前記AMV逆転写酵素をコードする遺伝子を発現可能な第一の発現ベクターと、前記プロテアーゼをコードする遺伝子を発現可能な第二の発現ベクターとを含み、かつ
第二のベクターのプロモーター強度および/またはコピー数が、第一のベクターのプロモーター強度および/またはコピー数よりも低い、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記プロテアーゼがAMV由来のプロテアーゼである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記プロテアーゼがAMV由来のプロテアーゼである、請求項3に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素の製造方法に関する。特に本発明は、AMV逆転写酵素およびプロテアーゼを共発現可能な遺伝子組換え大腸菌を培養し、前記AMV逆転写酵素を効率的に製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
逆転写酵素の一つであるトリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素は、cDNA合成等に必要な遺伝子工学試薬や遺伝子診断用酵素などに利用されている。
【0003】
AMV逆転写酵素には、分子量約95kDaのβ鎖と、分子量約63kDaのα鎖(天然ではβ鎖の断片化によって生成)の2種類のサブユニットが存在し、β鎖のモノマーやホモダイマー、α鎖のモノマーやホモダイマー、ならびにα鎖とβ鎖とのヘテロダイマー(以下、「αβ体」とも表記する)などを構成することが知られている。このうち、αβ体は酵素活性が高く、TRC(Transcription-Reverse transcription Concertedreaction)法などの遺伝子増幅反応へ特に有用であることから(特許文献1)、AMV逆転写酵素αβ体の効率的な製造方法が求められていた。
【0004】
AMV逆転写酵素αβ体の製造方法として、タンパク質を安定的に大量生産可能な遺伝子組換え大腸菌を用いた製造方法が知られている。一例として、特許文献2には、AMV逆転写酵素α鎖およびβ鎖をコードする遺伝子をそれぞれ導入した遺伝子組換え大腸菌を用いて、前記遺伝子組換え大腸菌体内でα鎖およびβ鎖遺伝子を共発現させることで、AMV逆転写酵素αβ体を生産する方法が記載されている。しかしながら、前記方法ではAMV逆転写酵素の可溶性発現量が少なく、可溶化促進のためにAMV逆転写酵素との分離精製が難しいシャペロンタンパク質との更なる共発現を必要とすることから、精製純度の点で懸念があった。また、前記方法では、α鎖およびβ鎖が別々の遺伝子にコードされているため遺伝子工学的に複雑な発現系となっており、例えば進化分子工学的手法によるAMV逆転写酵素の改良などを行う上で、より簡便なAMV逆転写酵素の発現系が求められていた。
【0005】
シャペロンタンパク質との共発現を必要としないAMV逆転写酵素αβ体の製造方法として、特許文献3には、AMV逆転写酵素β鎖をコードする遺伝子のみを導入した遺伝子組換え大腸菌を用いて、前記遺伝子組換え大腸菌体内で発現させたβ鎖からα鎖を分解生成し、AMV逆転写酵素αβ体を生産する方法が記載されている。しかしながら、前記方法では前記遺伝子組換え大腸菌体内におけるAMV逆転写酵素β鎖の存在量に対して、α鎖の存在量が相対的に低く、さらに効率的なAMV逆転写酵素αβ体の製造方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2003-334095号公報
特開2002-315584号公報
特開2013-126402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素を発現可能な遺伝子組換え大腸菌を用いたAMV逆転写酵素の製造において、AMV逆転写酵素を効率的に生産可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、前記遺伝子組換え大腸菌において、トリ骨髄芽細胞腫ウイルス(AMV)逆転写酵素をコードする遺伝子に加えて、プロテアーゼをコードする遺伝子を共発現させることで、前記AMV逆転写酵素を効率的に生産できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の<1>から<8>に記載の態様を包含する。
【0010】
<1>AMV逆転写酵素を発現可能な遺伝子組換え大腸菌を培養することでAMV逆転写酵素を発現させる工程と、
得られた培養物から前記AMV逆転写酵素を回収する工程とを含むAMV逆転写酵素の製造方法であって、
前記遺伝子組換え大腸菌がAMV逆転写酵素をコードする遺伝子とプロテアーゼをコードする遺伝子との共発現が可能である、前記製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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