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公開番号2025029087
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-05
出願番号2024209856
出願日2024-12-02
発明の名称藻類の培養方法及び藻類培養装置
出願人有限会社栄和商事
代理人個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20250226BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】船舶のエンジンから生ずる排熱を利用して藻類を培養することができ、船舶内に広い作業場所を用意する必要がなく、藻類培養のための人員を船舶に配置せずに低コストで藻類を培養する、藻類の培養方法及び装置を提供する。
【解決手段】藻類培養装置1は、藻類の播種又は植付の過程と収穫過程とを陸地で行い、育成過程を船舶F1内で行うための装置であり、海水と海水が船舶F1のエンジンF2の熱によって昇温されて得られた温排水を混合して培養水を調製する混合水槽3と、培養水と空気を供給し、さらに光を照射することで藻類を培養する培養水槽4と、培養水槽4から排出される培養排水に次亜塩素酸ナトリウムを含有する殺菌用水を混合して殺菌する排水殺菌部9と、培養水槽4内の培養水の温度と藻類に照射する光の照射時間と、排水殺菌部9における培養排水への殺菌用水の混合量を自動的に制御する制御部2を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
藻類の播種又は植付の過程と収穫過程とを陸地で行い、育成過程を船舶内で行う藻類の培養方法であって、
該育成過程は、前記船舶によって海から取り込まれた海水の一部と、該海水の他の一部が前記船舶のエンジンの熱によって昇温されて得られた温排水の一部とを混合して培養水を調製する培養水調製工程と、
該培養水を供給するとともに、培養水に空気を供給し、さらに前記藻類に光合成を行わせるための光を照射することにより前記藻類を培養する培養工程と、
前記海水のさらに他の一部を電気分解することで次亜塩素酸ナトリウムを含有する殺菌用水を調製する殺菌用水調製工程と、
前記培養工程から排出される使用済みの培養水に前記殺菌用水を混合して殺菌済みの培養排水とする排水殺菌工程とを有し、
少なくとも、前記培養工程における培養水の温度と前記藻類に照射する光の照射時間と、前記排水殺菌工程における前記使用済みの培養水への前記殺菌用水の混合量は、自動的に制御されることを特徴とする藻類の培養方法。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
前記藻類は、キリンサイ、スピノサム、クビレヅタ、ヒトエグサのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の藻類の培養方法。
【請求項3】
前記船舶は、フェリー又はRORO船であることを特徴とする請求項1に記載の藻類の培養方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の藻類の培養方法を実施するための藻類培養装置であって、
前記船舶によって海から取り込まれた海水の一部と、該海水の他の一部が前記エンジンの熱によって昇温されて得られた温排水の一部とを混合して培養水を調製する混合水槽と、
該培養水を供給して前記藻類を培養する培養水槽と、
該培養水槽内の培養水に空気を供給する給気部と、
該培養水槽内の前記藻類に光を照射する光照射部と、
前記海水のさらに他の一部を電気分解することで次亜塩素酸ナトリウムを含有する殺菌用水を調製する電解部と、
前記培養水槽から排出される使用済みの培養水に前記殺菌用水を混合して殺菌済みの培養排水とする排水殺菌部と、
少なくとも、前記培養水槽内の培養水の温度と前記藻類に照射する光の照射時間と、前記排水殺菌部における前記使用済みの培養水への前記殺菌用水の混合量を、自動的に制御する制御部と、
前記混合水槽、前記培養水槽、前記給気部、前記光照射部、前記電解部、前記排水殺菌部及び制御部が内部に設置される函体と、を備えることを特徴とする藻類培養装置。
【請求項5】
前記藻類培養装置は、移動用の車輪を備えることを特徴とする請求項4に記載の藻類培養装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は藻類の培養方法及び藻類培養装置に関し、特にフェリーやRORO船などの船舶内において、船舶のエンジンから排出される温排水を利用して行う藻類の培養方法と、その培養方法を実施するための藻類培養装置に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止等の環境保全の見地から、世界的に、重油、軽油又はガソリン等の化石燃料の燃焼によって生ずる二酸化炭素の排出量を低減する各種の取り組みがなされており、例えば、本発明の発明者らは、特許文献1(特開2020-198821号公報)において、火力発電所等の事業所から排出される二酸化炭素を含む排ガスと温排水とを藻類の培養に使用することによって、二酸化炭素の排出量を効率的に低減する発明を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-198821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その後、本願発明の発明者は、船舶の動力源として多く採用されているディーゼルエンジンから排出される大量の排熱が、船内の暖房以外の目的では有効に利用されておらず、また、定期航路を航行する多くのフェリーやRORO船において、貨物の積載率が50~90%程度に止まっているという現状に鑑み、フェリーやRORO船の貨物室の空きスペースにおいて、船舶のディーゼルエンジンの排熱を利用して藻類の培養を行うというアイデアを考えついた。
【0005】
かかるアイデアを実現すれば、化石燃料の燃焼によって生ずるディーゼルエンジンの排熱を利用して藻類を効率的に培養することで、藻類の光合成によって藻類体内に空気中の二酸化炭素を固定することができるため、地球温暖化防止の環境保全に役立つ。
また、収穫された藻類は、食品や化粧品の原料、飼料、肥料等として利用することで収益化できるため、フェリーやRORO船を運航する会社の業績向上に資することができる。
【0006】
しかし、藻類の培養の際に行う播種又は植付の作業と収穫の作業には、広い作業場所が必要であるため、利用可能なスペースが限られている船舶内では、十分な広さの作業場所を確保することが困難であるという問題がある。
【0007】
また、藻類の培養には、専門知識と技能を有する人員が必要であるが、船舶は人件費を抑制するためになるべく少人数で運航することが求められており、船舶の航行に必要な人員とは別に、藻類培養のための人員を船舶に配置することは困難であるという問題がある。
【0008】
さらに、フェリーやRORO船の貨物の積載率は、季節や経済状況等を要因として変動するので、それに伴って、藻類培養に使用できる貨物室の空きスペースの広さも変動する。したがって、船舶内における藻類培養の規模を頻繁に拡大又は縮小しなければならないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、船舶内において船舶のエンジンから生ずる排熱を利用することで効率的に藻類を培養することができ、船舶内に広い作業場所を用意する必要がなく、かつ、藻類培養のための人員を船舶に配置する必要がないため低コストで藻類を培養することができる藻類の培養方法及び藻類培養装置を提供することを課題とする。
さらに、船舶内における藻類栽培の規模を臨機応変に拡大又は縮小することができる藻類培養装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は以下の手段により解決された。
(【0011】以降は省略されています)

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