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公開番号2025084707
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2024201256
出願日2024-11-19
発明の名称アンチセンス核酸およびその利用
出願人学校法人藤田学園
代理人個人,個人
主分類C12N 15/113 20100101AFI20250527BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】正常なフクチンタンパク質を回復させることのできる技術を提供する。
【解決手段】アンチセンス核酸は、配列番号1で示される塩基配列の第2044位~第2068位の範囲を標的配列とし、下記(a)~(c)のいずれかの1つの塩基配列からなるモルフォリノオリゴマーである:(a)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列、(b)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列と90%以上の同一性を有する塩基配列、(c)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列。
【選択図】図14
特許請求の範囲【請求項1】
アンチセンス核酸であって、
配列番号1で示される塩基配列の第1998位~第2094位の範囲の少なくとも一部を標的配列とし、
下記(a)~(f)のいずれかの1つの塩基配列からなるモルフォリノオリゴマーである、
アンチセンス核酸:
(a)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列、
(b)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列、
(c)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列、
(d)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列、
(e)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列、
(f)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
請求項1に記載のアンチセンス核酸であって、
配列番号1で示される塩基配列の第2044位~第2068位の範囲を標的配列とし、
上記(a)~(c)のいずれかの1つの塩基配列からなるモルフォリノオリゴマーである、アンチセンス核酸。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアンチセンス核酸において、
塩基長が、20塩基以上33塩基以下である、
アンチセンス核酸。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のアンチセンス核酸において、
前記モルフォリノオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマーである、
アンチセンス核酸。
【請求項5】
福山型筋ジストロフィーを治療するための医薬組成物であって、
請求項1または請求項2に記載のアンチセンス核酸の1種または2種以上を有効成分として含有する、
医薬組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、アンチセンス核酸に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
福山型筋ジストロフィー(Fukuyama type congenital muscular dystrophy、以下「FCMD」とも略記する)は、常染色体潜性遺伝病として知られている。FCMDでは、骨格筋の細胞膜と基底膜とをつなぐαジストログリカンのO-マンノース型糖鎖修飾が、フクチン遺伝子の異常によって欠損し、この糖鎖を介する細胞膜と基底膜との結合が破綻するため、重度の筋ジストロフィーを発症する(非特許文献1)。FCMD患者の大多数において、フクチン遺伝子に、レトロトランスポゾン(SVA:Sine-VNTR-Alu)挿入変異が認められる(非特許文献2)。この挿入変異をホモで持つ患者はFCMD患者全体の約8割であり、残りの2割は片アリルのフクチン遺伝子に点変異等を有する複合ヘテロ型患者である。日本のFCMD患者の約1割において、遺伝子の深部に点変異が認められている(非特許文献3)。このDIV(deep intronic variant)の保因者は全て、SVA挿入との複合ヘテロ型患者である(非特許文献4)。このDIVは、イントロンにスプライス供与部位を生成するため、異常スプライシングが引き起こされて偽エクソンが生成される。この結果、フレームシフトによってストップコドンが誘導されるため、フクチンタンパク質のmRNAが崩壊する(非特許文献3)。DIVとSVA挿入とが認められる複合ヘテロ型患者は、一般に、特に重篤な臨床的特徴を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
M ichele, D. E. et al., Nature, 2002: 418, 417-422
Kobayashi, K. et al., Nature, 1998: 394, 388-392
Kobayashi, K. et al., Journal of Human Genetics, 2017: 62, 945-948
Lim, B.C. et al., Neuromuscul. Disord., 2010: 20, 524-530
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FCMDは、10代のうちに死に至る重篤な疾患であるが、未だ根治治療法が確立されていないため、その治療法の確立が強く望まれている。このため、正常なフクチンタンパク質の生成を回復させることのできる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、アンチセンス核酸が提供される。このアンチセンス核酸は、配列番号1で示される塩基配列の第1998位~第2094位の範囲の少なくとも一部を標的配列とし、下記(a)~(f)のいずれかの1つの塩基配列からなるモルフォリノオリゴマーである、アンチセンス核酸:(a)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列、(b)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列、(c)配列番号2または配列番号3で表される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列、(d)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列、(e)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列と80%以上の同一性を有する塩基配列、(f)配列番号33から配列番号35までのいずれか1つで表される塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列。この形態のアンチセンス核酸によれば、偽エクソンをスキップさせることができるので、正常フクチンのmRNAを発現させることができる。この結果として、正常なフクチンタンパク質の発現を回復させることができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載のアンチセンス核酸において、配列番号1で示される塩基配列の第2044位~第2068位の範囲を標的配列とし、上記(a)~(c)のいずれかの1つの塩基配列からなるモルフォリノオリゴマーであってもよい。この形態のアンチセンス核酸によれば、偽エクソンをスキップさせることができるので、正常フクチンのmRNAを発現させることができる。この結果として、正常なフクチンタンパク質の発現を回復させることができる。
【0008】
(3)上記(1)または上記(2)に記載のアンチセンス核酸において、塩基長が、20塩基以上33塩基以下であってもよい。この形態のアンチセンス核酸によれば、偽エクソンを効率的にスキップさせることができる。
【0009】
(4)上記(1)から上記(3)までのいずれか一項に記載のアンチセンス核酸において、前記モルフォリノオリゴマーが、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマーであってもよい。この形態のアンチセンス核酸によれば、医薬組成物の毒性を低くすることができる。
【0010】
(5)本開示の他の形態によれば、福山型筋ジストロフィーを治療するための医薬組成物が提供される。この医薬組成物は、上記(1)から上記(4)までのいずれか一項に記載のアンチセンス核酸の1種または2種以上を有効成分として含有する。この形態の医薬組成物によれば、フクチン遺伝子におけるDIVに起因する福山型筋ジストロフィーにおいて、偽エクソンをスキップさせることができるので、正常フクチンタンパク質のmRNAを発現させることができる。この結果として、正常なフクチンタンパク質の発現を回復させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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