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公開番号2025080443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-26
出願番号2023193589
出願日2023-11-14
発明の名称ストレスマーカー及びそれを用いた社会的ストレスの評価方法
出願人学校法人藤田学園,株式会社農,ウェルネオシュガー株式会社
代理人弁理士法人井手・小野国際特許事務所
主分類C12N 15/52 20060101AFI20250519BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】社会的ストレスを客観的に評価できる評価方法を提供すること。
【解決手段】被験体の糞便試料におけるNan遺伝子クラスターに含まれる1種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物の含有量を指標とする社会的ストレス評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
被験体の糞便試料におけるNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物の含有量を指標とする社会的ストレス評価方法。
続きを表示（約 2,300 文字）【請求項２】
被験体の糞便試料におけるNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物の含有量を測定し、当該含有量が基準値以上である場合に、当該被験体は高ストレスであると評価する請求項１記載の社会的ストレス評価方法。
【請求項３】
被験体の腸内細菌叢における次の（１）～（４）；
（１）Verrucomicrobiota門
（２）Akkermansia属、Alloprevotella属、Tidjanibacter属、Schaedlerella属、Ligilactobacillus属、Roseburia属又はLacnospiraceae科
（３）Akkermansia muciniphila、Ruminococcus callidus、Parabacteroides distasonis又はBacteroides acidfaciens
（４）Phocaeicola_A_858004、Alistipes_A_871400、Alistipes_A_871404、Parabacteroides_B_862066、Bacteroides_H、Muribaculaceae_UBA3263、Peptostreptococcaceae_256921、Muribaculaceae_UBA7173、Muribaculaceae_CAG485、Lacnospiraceae_14-2又はRuminococcus_C_58660
のいずれかの菌群の占有率の１種以上を指標とする社会的ストレス評価方法。
【請求項４】
被験体の腸内細菌叢における次の（１）～（４）；
（１）Verrucomicrobiota門
（２）Akkermansia属、Alloprevotella属、Roseburia属又はTidjanibacter属
（３）Akkermansia muciniphila、Ruminococcus callidus、Parabacteroides distasonis又はBacteroides acidfaciens
（４）Phocaeicola_A_858004、Alistipes_A_871400、Alistipes_A_871404、Parabacteroides_B_862066、Bacteroides_H、Muribaculaceae_UBA3263、Peptostreptococcaceae_256921又はRuminococcus_C_58660
のいずれかの菌群の占有率の１種以上を測定し、当該占有率が基準値以下である場合に、当該被験体は高ストレスであると評価する請求項３記載の社会的ストレス評価方法。
【請求項５】
被験体の腸内細菌叢における次の（２）、（４）；
（２）Schaedlerella属、Ligilactobacillus属又はLacnospiraceae科
（４）Muribaculaceae_UBA7173、Muribaculaceae_CAG485又はLacnospiraceae_14-2
のいずれかの菌群の占有率の１種以上を測定し、当該占有率が基準値以上である場合に、当該被験体は高ストレスであると評価する請求項３記載の社会的ストレス評価方法。
【請求項６】
Nan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物からなる社会的ストレスマーカー。
【請求項７】
被験体の糞便試料中のNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物を測定するための試薬を含む社会的ストレス評価キット。
【請求項８】
被験物質を投与した被験体の糞便試料中のNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物を測定することを含む社会的ストレス緩和剤の評価方法。
【請求項９】
被験物質を投与した被験体の腸内細菌叢における次の（１）～（４）；
（１）Verrucomicrobiota門
（２）Akkermansia属、Alloprevotella属、Tidjanibacter属、Schaedlerella属、Ligilactobacillus属、Roseburia属又はLacnospiraceae科
（３）Akkermansia muciniphila、Ruminococcus callidus、Parabacteroides distasonis又はBacteroides acidfaciens
（４）Phocaeicola_A_858004、Alistipes_A_871400、Alistipes_A_871404、Parabacteroides_B_862066、Bacteroides_H、Muribaculaceae_UBA3263、Peptostreptococcaceae_256921、Muribaculaceae_UBA7173、Muribaculaceae_CAG485、Lacnospiraceae_14-2又はRuminococcus_C_58660
のいずれかの菌群の占有率の１種以上を測定することを含む社会的ストレス緩和剤の評価方法。
【請求項１０】
被験体の糞便試料中のNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物の含有量を指標とするPTSD又はうつ病の診断補助方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明はストレスマーカー及びそれを用いた社会的ストレスの評価方法に関する。
続きを表示（約 4,100 文字）【背景技術】
【０００２】
ストレスは外部からの刺激（ストレッサー）などによって生じる心身の反応（ストレス反応）である。ストレッサーには、寒冷、騒音等の物理的ストレッサー、薬物等の化学的ストレッサー、人間関係等の社会的ストレッサーなどがあり、それに対し、不安、怒り、緊張、孤独感、無気力などの心理的反応や動悸、頭痛、腹痛、自律神経失調、血圧上昇などの身体的反応としてストレス反応が生じ、ストレスが負荷された状態が長時間持続したり、生命・身体を脅かすような強いストレスがかかった場合には、高血圧、心臓病、うつ病、不安障害などの様々なストレス関連疾患を発症する危険性がある。
【０００３】
発達期の様々な社会的刺激及びそれに対する応答は、その後の脳機能や神経系の発達形成に影響を及ぼすことが知られている。例えば、幼若期にネグレクトなどの虐待を受け、他者との社会的相互作用から隔絶される社会的隔離ストレスにさらされることは、うつ病、統合失調症、注意欠陥・多動性障害（ADHD）などの精神障害のリスク要因となる（非特許文献１）。
【０００４】
ストレス関連疾患に対する治療・予防方法を検討するうえで、ストレスの評価方法を確立することが重要となる。従来より、ストレスの評価方法として、例えば、唾液中のコルチゾール濃度を指標とする方法が知られている。しかし、コルチゾールは、心理的・身体的な急性ストレスや、仕事、失業による慢性ストレスに対して増加するが（特許文献１）、ネグレクトなどのトラウマティックストレス（心的外傷後ストレス障害）に対しては、コルチゾール濃度が逆に低くなることが報告されている（非特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１３－１５０５５８号公報
【非特許文献】
【０００６】
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、社会的ストレスの負荷の程度等を客観的に評価し得るバイオマーカー及びそれを用いた評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、社会的ストレスを負荷した場合、糞便試料中のNan遺伝子クラスターを構成する遺伝子の含有量が高くなること、さらに腸内細菌叢中の特定の菌群の占有率が変動することを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】
すなわち本発明は、被験体の糞便試料におけるNan遺伝子クラスターに含まれる１種以上の遺伝子又はその遺伝子副産物の含有量を指標とする社会的ストレス評価方法並びにPTSD又はうつ病の診断補助方法である。
【００１０】
また本発明は、腸内細菌叢における次の（１）～（４）；
（１）Verrucomicrobiota門
（２）Akkermansia属、Alloprevotella属、Tidjanibacter属、Schaedlerella属、Ligilactobacillus属、Roseburia属又はLacnospiraceae科
（３）Akkermansia muciniphila、Ruminococcus callidus、Parabacteroides distasonis又はBacteroides acidfaciens
（４）Phocaeicola_A_858004、Alistipes_A_871400、Alistipes_A_871404、Parabacteroides_B_862066、Bacteroides_H、Muribaculaceae_UBA3263、Peptostreptococcaceae_256921、Muribaculaceae_UBA7173、Muribaculaceae_CAG485、Lacnospiraceae_14-2又はRuminococcus_C_58660
のいずれかに属する細菌の占有率の１種以上を指標とする社会的ストレス評価方法並びにPTSD又はうつ病の診断補助方法である。
（【００１１】以降は省略されています）

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