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公開番号2025101061
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-07
出願番号2023217626
出願日2023-12-25
発明の名称TALエフェクターヌクレアーゼ対およびその利用
出願人学校法人藤田学園
代理人個人,個人
主分類C12N 15/09 20060101AFI20250630BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】変異mtDNAと野生型mtDNAとのうちの一方をより特異的に切断することができる技術を提供する。
【解決手段】TALエフェクターヌクレアーゼ対は、標的配列が12塩基以上20塩基以下離れた第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとを含み、それぞれ、RVDを含み8塩基以上15塩基以下のDNAに結合するDNA結合ドメインと、FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインとを有し、RVDは、ミトコンドリア病誘発変異の位置の塩基を認識する第1のRVDと、ミトコンドリア病誘発変異の位置以外の塩基を認識する第2のRVDと、を含み、第1のRVDは、アデニンを認識するNMと、グアニンを認識するWKと、グアニンを認識するLKと、のうちの少なくとも1つであり、第2のRVDは、NIによってアデニンを認識し、NNによってグアニンを認識する。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
TALエフェクターヌクレアーゼ対であって、
第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと、第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと、を含み、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列と前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列とは、12塩基以上20塩基以下離れており、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとは、それぞれ、
RVDを含み、8塩基以上15塩基以下のDNAに結合するDNA結合ドメインと、
FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインと、
を有し、
前記RVDは、
ミトコンドリア病誘発変異の位置の塩基を認識する第1のRVDと、
前記ミトコンドリア病誘発変異の位置以外の塩基を認識する第2のRVDと、を含み、
前記第1のRVDは、アデニンを認識するNMと、グアニンを認識するWKと、グアニンを認識するLKと、のうちの少なくとも1つであり、
前記第2のRVDは、NIによってアデニンを認識し、NNによってグアニンを認識する、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとがそれぞれ有する前記FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインは、互いに異なるアミノ酸配列を有し、ヘテロ二量体を形成する、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項3】
請求項1に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
変異ミトコンドリアDNAに結合する、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項4】
請求項1に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
野生型ミトコンドリアDNAに結合する、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項5】
請求項1に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
前記ミトコンドリア病誘発変異が、A3243G変異である、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項6】
請求項5に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーにおける前記RVDは、
NN-NN-HD-NI-NN-WK-NN-HD―HD-HD-NNと、
NN-NN-HD-NI-NN-LK-NN-HD―HD-HD-NNと、
NN-NN-HD-NI-NN-NM-NN-HD―HD-HD-NNと、
のうちのいずれか1つである、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項7】
請求項5に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーにおける前記RVDは、
NI-NI-NI-NN-NG-NG-NG-NG―NI-NI-NN-NGと、
NI-NI-NI-NN-NG-NG-NG-NG―NI-NI-NNと、
NN-NG-NI-NI-NI-NN-NG-NG-NG-NG―NI-NI-NN-NGと、
のうちのいずれか1つである、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項8】
請求項5に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーは、
配列番号1から配列番号3までのいずれか1つで示されるアミノ酸配列と、
配列番号1から配列番号3までのいずれか1つで示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
配列番号1から配列番号3までのいずれか1つで示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列と、
のうちのいずれか1つであり、
前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーは、
配列番号4、配列番号19、配列番号20のうちのいずれか1つで示されるアミノ酸配列と、
配列番号4、配列番号19、配列番号20のうちのいずれか1つで示されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列と、
配列番号4、配列番号19、配列番号20のうちのいずれか1つで示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列と、
のうちのいずれか1つである、
TALエフェクターヌクレアーゼ対。
【請求項9】
第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーをコードする第1の核酸と、第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーをコードする第2の核酸と、を含み、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列と前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列とは、12塩基以上20塩基以下離れており、
前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとは、それぞれ、
RVDを含み、8塩基以上15塩基以下のDNAに結合するDNA結合ドメインと、
FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインと、
を有し、
前記RVDは、
ミトコンドリア病誘発変異の位置の塩基を認識する第1のRVDと、
ミトコンドリア病誘発変異の位置以外の塩基を認識する第2のRVDと、を含み、
前記第1のRVDは、アデニンを認識するNMと、グアニンを認識するWKと、グアニンを認識するLKと、のうちの少なくとも1つであり、
前記第2のRVDは、NIによってアデニンを認識し、NNによってグアニンを認識する、
核酸組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸組成物を含む、
ベクター。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、TALエフェクターヌクレアーゼ対に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ミトコンドリアの働きが低下することで発症するミトコンドリア病の一部は、ミトコンドリアが有するミトコンドリアDNA(mtDNA)の変異が原因であることが知られている。mtDNAは、一つの細胞の中に数百から数千コピー存在している。多くの場合において、変異mtDNAは、正常である野生型mtDNAと混在しており、変異mtDNAの割合が一定以上になると機能障害を引き起こすと考えられている。変異mtDNAと野生型mtDNAとが共存する状態(ヘテロプラスミー)において、一方のmtDNAに二本鎖切断を導入すると、切断されたmtDNAが消失して、変異mtDNAと野生型mtDNAとの割合を改変できることが知られている。Transcription activator-like effector nuclease(TALEN)を含むゲノム編集技術は、配列特異的にDNAの二本鎖切断を導入することができる。このため、変異mtDNAまたは野生型mtDNAを特異的に切断するTALENを設計することで、変異mtDNAと野生型mtDNAとの割合を変えることが可能になる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-139580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
mtDNA変異が原因のミトコンドリア病の病態は、複雑であり、根本的治療法がない状況である。mtDNAの変異比率を改変する技術は、病態の再現に利用することができ、病態の解明や治療法の開発への利用が期待される。また、変異mtDNAの割合を減ずることができれば、病気の原因の根本治療法として利用できる可能性がある。このため、変異mtDNAと野生型mtDNAとのうちの一方を、より特異的に切断することができる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、TALエフェクターヌクレアーゼ対が提供される。このTALエフェクターヌクレアーゼ対は、第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと、第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと、を含み、前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列と前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーの標的配列とは、12塩基以上20塩基以下離れており、前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとは、それぞれ、RVDを含み、8塩基以上15塩基以下のDNAに結合するDNA結合ドメインと、FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインと、を有し、前記RVDは、ミトコンドリア病誘発変異の位置の塩基を認識する第1のRVDと、前記ミトコンドリア病誘発変異の位置以外の塩基を認識する第2のRVDと、を含み、前記第1のRVDは、アデニンを認識するNMと、グアニンを認識するWKと、グアニンを認識するLKと、のうちの少なくとも1つであり、前記第2のRVDは、NIによってアデニンを認識し、NNによってグアニンを認識する。この形態のTALエフェクターヌクレアーゼ対によれば、変異mtDNAと野生型mtDNAとのうちの一方を、より特異的に切断することができる。
【0007】
(2)上記(1)に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、前記第1のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーと前記第2のTALエフェクターヌクレアーゼモノマーとがそれぞれ有する前記FokIエンドヌクレアーゼのDNA切断ドメインは、互いに異なるアミノ酸配列を有し、ヘテロ二量体を形成してもよい。この形態のTALエフェクターヌクレアーゼ対によれば、FokIエンドヌクレアーゼがヘテロ二量体を形成するので、変異mtDNAと野生型mtDNAとのうちの一方を、さらに特異的に切断することができる。
【0008】
(3)上記(1)または上記(2)に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、変異ミトコンドリアDNAに結合してもよい。この形態のTALエフェクターヌクレアーゼ対によれば、変異mtDNAを特異的に切断することができる。
【0009】
(4)上記(1)または上記(2)に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、野生型ミトコンドリアDNAに結合してもよい。この形態のTALエフェクターヌクレアーゼ対によれば、野生型mtDNAを特異的に切断することができる。
【0010】
(5)上記(1)から上記(4)までのいずれか一項に記載のTALエフェクターヌクレアーゼ対において、前記ミトコンドリア病誘発変異が、A3243G変異であってもよい。この形態のTALエフェクターヌクレアーゼ対によれば、A3243G変異に関する変異mtDNAと野生型mtDNAとのうちの一方を、特異的に切断することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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