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公開番号2025116519
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024010991
出願日2024-01-29
発明の名称バイオマス処理装置
出願人株式会社タクマ
代理人個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20250801BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】バイオガス中のメタン濃度を高めることができ、これによってバイオガスを多様な用途に利用することができるバイオマス処理装置を提供する。
【解決手段】バイオマスを発酵させてバイオガスを生成するバイオマス処理装置1Aであって、バイオマスを発酵させた発酵液を貯留する二段式の発酵槽2と、発酵槽2に水素含有ガスを供給するガス供給部7とを備えるものし、二段式の発酵槽2は、バイオマスが導入される酸発酵槽11、及び当該酸発酵槽11の下流に設けられるメタン発酵槽12から構成されており、ガス供給部7は、メタン発酵槽12に水素含有ガスを供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
バイオマスを発酵させてバイオガスを生成するバイオマス処理装置であって、
前記バイオマスを発酵させた発酵液を貯留する二段式の発酵槽と、
前記発酵槽に水素含有ガスを供給するガス供給部と、
を備えるバイオマス処理装置。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記二段式の発酵槽は、前記バイオマスが導入される酸発酵槽、及び当該酸発酵槽の下流に設けられるメタン発酵槽から構成され、
前記ガス供給部は、前記メタン発酵槽に前記水素含有ガスを供給する請求項1に記載のバイオマス処理装置。
【請求項3】
前記メタン発酵槽は、前記水素含有ガスが供給される水素供給エリアを有する請求項2に記載のバイオマス処理装置。
【請求項4】
前記メタン発酵槽にて生成したバイオガスの一部を前記ガス供給部に戻して循環させる循環回路を設けてある請求項2に記載のバイオマス処理装置。
【請求項5】
前記メタン発酵槽は、前記バイオマスを流動させながら発酵させるプラグフロー方式の発酵槽であり、
前記メタン発酵槽にて生成したバイオガスを収容する複数の区画室が、前記バイオマスの流動方向に沿って連通状態で形成される請求項4に記載のバイオマス処理装置。
【請求項6】
前記メタン発酵槽からの前記発酵液を濾過して濾液を排出するとともに濾物を前記メタン発酵槽に戻す再利用装置を設けてある請求項2~5の何れか一項に記載のバイオマス処理装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスを発酵させてバイオガスを生成するバイオマス処理装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
バイオガスの利用は、環境汚染の防止及びエネルギーの再生産という観点から注目されている。
【0003】
生物由来の有機性資源(バイオマス)は、嫌気発酵することにより、最終的に、メタンと二酸化炭素とを主成分とする可燃性のバイオガスが発生する。バイオマスの嫌気発酵は、大きく分けると、加水分解菌、酸生成菌による可溶化工程と、メタン生成菌によるメタン発酵工程との二段階の生化学反応からなっている。タンパク質、炭水化物、脂肪等の高分子有機化合物は、加水分解菌などによって低分子化されて高級脂肪酸、アミノ酸、糖類となる。低分子化された有機物は、酸生成菌によって水素、CO

、有機酸(酢酸、酪酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ギ酸、乳酸、コハク酸等)に分解される。有機酸は、メタン生成菌によってメタン発酵に供され、メタンが生成する。
【0004】
上記のような嫌気発酵によりメタン等を含むバイオガスを生成するバイオマス処理装置として、酸発酵槽を前段に設けて可溶化工程を行い、それに引き続く後段に、メタン発酵槽を設けてメタン発酵工程を行うようにした装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-289946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のバイオマス処理装置では、酸生成菌による低分子有機物の分解によって不可避的に生じるCO

がバイオガス中に含まれるため、発生するバイオガス中のメタン濃度が約50~60%と低く、バイオガスを限られた用途にしか利用できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、バイオガス中のメタン濃度を高めることができ、これによってバイオガスを多様な用途に利用することができるバイオマス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係るバイオマス処理装置の特徴構成は、
バイオマスを発酵させてバイオガスを生成するバイオマス処理装置であって、
前記バイオマスを発酵させた発酵液を貯留する二段式の発酵槽と、
前記発酵槽に水素含有ガスを供給するガス供給部と、
を備えることにある。
【0009】
本構成のバイオマス処理装置において、バイオマスを発酵させる二段式の発酵槽では、最終的にメタン生成菌によって、酢酸、並びに水素及びCO

から、メタンが生成される。酢酸を基質としてメタンを生成する反応は、酢酸分解メタン生成反応であり、この反応は、酢酸分解メタン生成菌によるものである。一方、水素及びCO

を基質としてメタンを生成する反応は、CO

還元メタン生成反応であり、この反応は、水素資化性メタン生成菌によるものである。本構成のバイオマス処理装置によれば、ガス供給部によって水素含有ガスが二段式の発酵槽内の発酵液に供給されるので、酸生成菌による低分子有機物の分解によって生じた水素に加え、ガス供給部によって供給された水素含有ガスに由来する水素が発酵液に含まれることになる。そして、酸生成菌の低分子有機物の分解に由来する水素、及びガス供給部によって供給される水素含有ガスに由来する水素と、酸生成菌による低分子有機物の分解によって生じたCO

とを基質として、水素資化性メタン生成菌によるCO

還元メタン生成反応により、メタンが生成される。こうして、水素リッチ状態でCO

を還元することにより、バイオガス中のメタン濃度を高めることができ、これによってバイオガスを多様な用途に利用することができる。
【0010】
本発明に係るバイオマス処理装置において、
前記二段式の発酵槽は、前記バイオマスが導入される酸発酵槽、及び当該酸発酵槽の下流に設けられるメタン発酵槽から構成され、
前記ガス供給部は、前記メタン発酵槽に前記水素含有ガスを供給することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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