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公開番号
2025074700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-14
出願番号
2023185701
出願日
2023-10-30
発明の名称
抗CD38-CARを発現する細胞傷害性免疫担当細胞、その製造方法、および当該免疫担当細胞を含む医薬組成物
出願人
学校法人藤田学園
,
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人籾井特許事務所
主分類
C12N
5/10 20060101AFI20250507BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】簡便に作製可能な抗CD38-CARキラー細胞を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体が発現されており、前記細胞外抗原結合ドメインが、CD38を抗原として認識する、多能性幹細胞由来の細胞傷害性免疫担当細胞および前記多能性幹細胞由来の細胞傷害性免疫担当細胞を含む医薬組成物等が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体が発現されており、
前記細胞外抗原結合ドメインが、CD38を抗原として認識する、
多能性幹細胞由来の細胞傷害性免疫担当細胞。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記多能性幹細胞が、ヒト人工多能性幹細胞またはヒト胚性多能性幹細胞である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項3】
前記多能性幹細胞が、HLA分子を部分的にまたは全て欠損した多能性幹細胞である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項4】
T細胞である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項5】
CD8αβヘテロダイマー型のT細胞である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項6】
前記多能性幹細胞が、外来性TCR遺伝子を導入された多能性幹細胞である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項7】
CD38の発現が陰性である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項8】
前記CD38が、ヒトCD38である、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項9】
前記キメラ抗原受容体が、この順に連結された、前記細胞外抗原結合ドメイン、ヒンジドメイン、前記膜貫通ドメイン、補助刺激ドメイン、および前記細胞内シグナル伝達ドメインを含む、請求項1に記載の免疫担当細胞。
【請求項10】
前記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号1で表されるアミノ酸配列またはその相同配列と、配列番号2で表されるアミノ酸配列またはその相同配列と、を含む、請求項1に記載の免疫担当細胞。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗CD38-CARを発現する細胞傷害性免疫担当細胞、その製造方法、および当該免疫担当細胞を含む医薬組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
CD38(Cluster of Differentiation 38)は分子量45kDaの膜貫通型糖タンパク質であり、形質細胞、PreB細胞等の表面マーカーである。CD38は細胞の分化、活性化、免疫応答の制御、アポトーシス等に関与しており、例えば、T細胞、B細胞等においては発生の初期に発現し、成熟とともに消失するが、活性化すると再び発現することが知られている。
【0003】
上述のように正常な細胞でも発現しているCD38は、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)細胞、悪性リンパ腫細胞、白血病細胞等の血液悪性腫瘍細胞の表面で、正常な細胞に比べ高発現していることが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
また、近年、がん免疫療法の1つとして、患者から採取したT細胞にがん細胞表面抗原を認識するキメラ抗原受容体(Chimeric antigen receptor(CAR))をコードする遺伝子を導入および発現させたCAR-T細胞を用いたCAR-T療法の研究および応用が急速に進められている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2020-517244号公報
【非特許文献】
【0006】
Cytometry,46:23-27,2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のとおり、CD38は、血液悪性腫瘍細胞において高発現されていることが多いことから、CAR-T療法等のCAR遺伝子療法におけるがん細胞表面抗原の候補になり得る。
その一方で、細胞傷害性免疫担当細胞(以下、「キラー細胞」と称する場合がある)は、一般に、遺伝子導入の刺激によってCD38を発現することから、キラー細胞に抗CD38-CAR遺伝子を導入して作製された抗CD38-CARキラー細胞は、in vitroまたはex vivoにおいてフラトリサイドによる自己殺傷を生じ、その抗腫瘍活性が減損され得る。
このような問題に対しては、キラー細胞に対して抗CD38-CAR遺伝子を導入する際に、siRNAを用いたRNA干渉、Crispr-Cas9を用いたDNA編集等によってCD38の発現を抑制すること等が行われ得る。
【0008】
本発明は、上記状況を鑑み、簡便に作製可能な抗CD38-CARキラー細胞の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らが多能性幹細胞を分化誘導して得られたキラー細胞を用いて抗CD38-CARキラー細胞の作製を試みたところ、多能性幹細胞由来のキラー細胞は遺伝子導入を行った場合であってもCD38陰性であり、フラトリサイドを回避または抑制しつつ抗CD38-CARキラー細胞を得ることができることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0010】
[1]本発明の1つの局面によれば、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体が発現されており、上記細胞外抗原結合ドメインが、CD38を抗原として認識する、多能性幹細胞由来の細胞傷害性免疫担当細胞が提供される。
[2]上記[1]に記載の免疫担当細胞において、上記多能性幹細胞が、ヒト人工多能性幹細胞またはヒト胚性多能性幹細胞であってよい。
[3]上記[1]または[2]に記載の免疫担当細胞において、上記多能性幹細胞が、HLA分子を部分的にまたは全て欠損した多能性幹細胞であってよい。
[4]上記[1]から[3]のいずれかに記載の免疫担当細胞は、T細胞であってよい。。
[5]上記[1]から[4]のいずれかに記載の免疫担当細胞は、CD8αβヘテロダイマー型のT細胞であってよい。
[6]上記[1]から[5]のいずれかに記載の免疫担当細胞において、上記多能性幹細胞が、外来性TCR遺伝子を導入された多能性幹細胞であってよい。
[7]上記[1]から[6]のいずれかに記載の免疫担当細胞は、CD38の発現が陰性であってよい。
[8]上記[1]から[7]のいずれかに記載の免疫担当細胞において、上記CD38が、ヒトCD38であってよい。
[9]上記[1]から[8]のいずれかに記載の免疫担当細胞において、上記キメラ抗原受容体が、この順に連結された、上記細胞外抗原結合ドメイン、ヒンジドメイン、上記膜貫通ドメイン、補助刺激ドメイン、および上記細胞内シグナル伝達ドメインを含んでよい。
[10]上記[1]から[9]のいずれかに記載の免疫担当細胞において、上記細胞外抗原結合ドメインが、配列番号1で表されるアミノ酸配列またはその相同配列と、配列番号2で表されるアミノ酸配列またはその相同配列と、を含んでよい。
[11]本発明の別の局面によれば、上記[1]から[10]のいずれかに記載の免疫担当細胞を含む、CD38の発現に関連する疾患を治療または予防するための医薬組成物が提供される。
[12]上記[11]に記載の医薬組成物は、抗CD38抗体薬と組み合わせて用いられてもよい。
[13]本発明の別の局面によれば、人工多能性幹細胞から分化誘導されたCD8T細胞を準備すること、および、上記CD8T細胞にキメラ抗原受容体をコードする遺伝子を導入することを含み、上記キメラ抗原受容体が、細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含み、上記細胞外抗原結合ドメインが、CD38を抗原として認識する、人工多能性幹細胞由来CAR-CD8T細胞の製造方法が提供される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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