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公開番号
2025079051
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2023191463
出願日
2023-11-09
発明の名称
培養肉の製造方法
出願人
学校法人近畿大学
代理人
個人
主分類
C12N
5/077 20100101AFI20250514BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】培養肉は効果的に筋芽細胞を増殖させる必要がある。培養には血清培地が用いられるが、生物由来の血清は、高価なうえにウイルスなので汚染の可能性が残る。そこで、無血清培地が提案されているが、無血清培地では筋芽細胞が筋管細胞への分化が進み、細胞増殖させにくいという課題があった。
【解決手段】ビトロネクチンが含まれた低血清培地中で筋芽細胞を培養する培養肉の製造方法は、低血清培地中では、細胞増殖能を有する筋芽細胞から細胞増殖能を有さない筋管細胞に急速に進む分化を抑制できるので、効率的に細胞を増殖させることができる。また、3次元培養においても、効果的に細胞増殖させることができるので、培養肉の製造方法に好適に適用できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ビトロネクチンが含まれた低血清培地中で筋芽細胞を培養する培養肉の製造方法。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記低血清培地中の血清は前記低血清培地の全量に対して0%以上5%以下である請求項1に記載された培養肉の製造方法。
【請求項3】
前記ビトロネクチンは、平面培養においては前記低血清培地中に0.14μg/cm
2
以上2.8μg/cm
2
以下である請求項1または2に記載された培養肉の製造方法。
【請求項4】
前記ビトロネクチンは、3次元培養においては前記低血清培地中に1.25μg/mL以上20μg/mL以下である請求項1または2に記載された培養肉の製造方法。
【請求項5】
前記低血清培地は、無血清培地として、
DMEMが95%より多く含有されている請求項1に記載された培養肉の製造方法。
【請求項6】
さらに、前記筋芽細胞を前記ビトロネクチンの含まれていない前記低血清培地に移す工程を有する請求項1に記載された培養肉の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低血清培地を用いた培養肉の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
培養肉は、動物(ほ乳類動物、鳥類動物、は虫類動物、両生類動物、魚類動物等の脊椎動物に由来する)から取り出した筋芽細胞を培養したものである。培養肉が実用化されると、豚、牛、鶏、魚類といった食肉用脊椎動物を屠殺する必要がなく、犠牲をへらすことができる。また、病気による一斉処分を回避できるので、生産者の経済負担リスクを軽減できる。
【0003】
特許文献1には、ウシ筋組織抽出物、ブタ筋組織抽出物、ニワトリ筋組織抽出物、及び白身魚筋組織抽出物からなる群から選択される1つ以上の抽出物を含み、血清を含まない培地で細胞を培養する工程を含む、細胞の培養方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-93403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
細胞培養には通常ウシ胎児血清といった血清成分が含まれている。しかし、このような血清は、費用が高い上に、採取する個体によって組成比が安定しない。さらに生体由来である故、ウイルスなどの汚染の可能性も否定できない。そこで、特許文献1などのように、無血清培地が検討されているが、無血清培地では筋芽細胞が急速に筋管細胞に分化してしまい、細胞増殖自体が容易でなくなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、細胞マトリックスの1種であるビトロネクチンが細胞分化抑制能を有することを見出すことで想到できたものである。
【0007】
具体的に本発明に係る培養肉の製造方法は、
ビトロネクチンが含まれた低血清培地中で筋芽細胞を培養することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ビトロネクチンを添加することで、低血清培地であっても筋芽細胞から筋管細胞への分化を抑制することができるので、効果的に細胞増殖を進めることができる。これによって、培養肉を短時間で所定の大きさまで培養することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
各種細胞マトリックスを0.5~2.5μg/cm
2
でコーティングした平面培養によって、低血清培養条件下におけるMHC陽性細胞が全細胞数に対しての比率を表すグラフである。
図1の場合で細胞数を調べた結果を表すグラフである。
図1のコントロールとビトロネクチンの場合に筋管細胞マーカータンパク質であるMHCを蛍光検出した顕微鏡写真である。図3(a)はコントロール、図3(b)はビトロネクチンである。また、その際核染色を行い細胞の様子を見た顕微鏡写真である。図3(c)はコントロール、図3(d)はビトロネクチンを表す。
マウス筋芽細胞とニワトリ筋芽細胞を3次元培養した際のビトロネクチンの細胞増殖効果を表す写真である。図4(a)はマウス筋芽細胞のコントロール、図4(b)はマウス筋芽細胞のビトロネクチン添加の場合、図4(c)はニワトリ筋芽細胞のコントロール、図4(d)はニワトリ筋芽細胞のビトロネクチン添加の場合を表す。
マウス筋芽細胞を用いて、ビトロネクチンのMHC陽性抑制(分化抑制)の濃度依存性を調べたグラフである。
図5の場合の細胞増殖効果のビトロネクチンの濃度依存性を調べたグラフである。
ニワトリ筋芽細胞を培養した場合の細胞増加効果を調べたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明に係る培養肉の製造方法について実施例を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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