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公開番号
2025109127
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-24
出願番号
2024002858
出願日
2024-01-11
発明の名称
クロミフェンの製造方法
出願人
関東電化工業株式会社
,
学校法人近畿大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
213/08 20060101AFI20250716BHJP(有機化学)
要約
【課題】出発原料として安価で入手可能な化学品を用いることで、E-クロミフェンおよびZ-クロミフェンの立体選択的製造に応用可能な新しい製造技術を提供する。
【解決手段】クロミフェンの製造方法であって、ジクロロジフェニルエチレンを、4-(2-ジエチルアミノエトキシ)フェニル基を有するホウ素化合物と反応させて、下記式:
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(式中、Etはエチル基を表す)
で表される、E-及び/又はZ-クロミフェンを製造する工程を含む、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
クロミフェンの製造方法であって、
(A)下記式(1):
JPEG
2025109127000028.jpg
15
69
(式中、Xは、塩素原子を表す)
で表されるジクロロジフェニルエチレンを、下記式(2):
JPEG
2025109127000029.jpg
14
69
(式中、Rは2-ジエチルアミノエトキシ基を表し、Yはボロン酸エステルまたはボロン酸を構成するボロニル基を表す)
で表されるホウ素化合物と反応させて、下記式(3):
JPEG
2025109127000030.jpg
37
69
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるE-クロミフェン及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109127000031.jpg
37
69
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるZ-クロミフェンを生成する工程を含む、方法。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記工程(A)の反応が触媒、配位子及び塩基の存在下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(A)のホウ素化合物が、下記式:
JPEG
2025109127000032.jpg
18
69
(式中、Etはエチル基である)
で表されるピナコールボラートである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ジクロロジフェニルエチレンが、
(B)下記式(5):
JPEG
2025109127000033.jpg
18
69
(式中、Xは前記のとおりである)
で表されるテトラクロロエチレンと、下記式(6):
JPEG
2025109127000034.jpg
15
51
(式中、Yは前記のとおりである)
で表されるホウ素化合物とを反応させる工程
によって得られる、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロミフェンの製造方法に関し、より詳細には、E-クロミフェン(エンクロミフェン)、およびZ-クロミフェン(ズクロミフェン)の立体選択的製造方法を可能にしたクロミフェンの合成ルートに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
トリアリールエチレン構造を持つクロミフェンは、2種の幾何異性体である、E-クロミフェン(エンクロミフェン)、およびZ-クロミフェン(ズクロミフェン)の混合物からなり、排卵誘発剤として米国食品医薬品局によって承認された薬物(商標名クロミッド)として販売されている。また、同様にトリアリールエチレン誘導体であるZ-タモキシフェンは、乳がんの第一選択薬として、広く使用されている。また、Z-タモキシフェンおよびその関連化合物は、アトピー性皮膚炎等のアレルギー治療、骨粗しょう症治療薬としての利用や、ゲノム編集や遺伝子組換えの誘導剤としても利用されている。
【0003】
クロミフェンの製造方法に関しては、これまでに様々な経路で製造がなされている(特許文献1、非特許文献1)。しかし、これらの製造方法の多くは使用する化学品が複雑な構造で高価である場合や、重金属、酸およびアルカリといった反応剤を利用する工程を含み、産廃物の処理や、コストが高くなるといった課題があった。クロミフェンと類似構造を有するZ-タモキシフェンの製造方法に関しても、Grignard試薬を用いる方法(特許文献2、特許文献3)、α,β-不飽和エステルを用いる方法(非特許文献2)、ベンズアルデヒドとシンナミルトリメチルシランを用いる方法(特許文献4)、フェニルプロピルケトンを用いる方法(非特許文献3)フェニルアセチレンを用いる方法(特許文献5)、1-フェニル-1-ブテンを用いる方法(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)、ジフェニルアセチレンを用いる方法(非特許文献7、非特許文献8)、プロパギルアルコールを用いる方法(非特許文献9)などが提案されているが、前述した同様の課題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2017-507961号公報
英国特許第1013907号
英国特許第1064629号
日本国特許第4066238号
日本国特許第4940429号
【非特許文献】
【0005】
Chin.J.Chem.2021,39,3004-3010
Chem.Rec.2020,20,1410-1429
Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,10587-10591
Chem.Eur.J.2012,18,14841-18144
J.Am.Chem.Soc.2015,137,3189-3192
Angew.Chem.Int.Ed.2014,53,3475-3479
J.Org.Chem.2006,71,9552-9555
Organic&Biomolecular Chemistry,2019,17,2315-2322
Org.Lett.2003,5,2989-2992
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記に示す従来の課題を解決し、出発原料として安価で入手可能な化学品を用いることで、クロミフェンを低コストで大量に製造でき、さらには、E-クロミフェン(エンクロミフェンともいう)およびZ-クロミフェン(ズクロミフェンともいう)の立体選択的製造に応用可能な新しい製造技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するための手段は下記の通りである。
[1]
クロミフェンの製造方法であって、
(A)下記式(1):
JPEG
2025109127000001.jpg
16
74
(式中、Xは、塩素原子を表す)
で表されるジクロロジフェニルエチレンを、下記式(2):
JPEG
2025109127000002.jpg
14
74
(式中、Rは2-ジエチルアミノエトキシ基を表し、Yはボロン酸エステルまたはボロン酸を構成するボロニル基を表す)
で表されるホウ素化合物と反応させて、下記式(3):
JPEG
2025109127000003.jpg
39
74
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるE-クロミフェン及び/又は下記式(4):
JPEG
2025109127000004.jpg
39
74
(式中、R及びXは、前記のとおりである)
で表されるZ-クロミフェンを生成する工程を含む、方法。
[2]
前記工程(A)の反応が触媒、配位子及び塩基の存在下で行われる、[1]に記載の方法。
[3]
前記工程(A)のホウ素化合物が、下記式:
JPEG
2025109127000005.jpg
23
74
(式中、Etはエチル基である)
で表されるピナコールボラートである、[1]に記載の方法。
[4]
前記ジクロロジフェニルエチレンが、
(B)下記式(5):
JPEG
2025109127000006.jpg
17
46
(式中、Xは前記のとおりである)
で表されるテトラクロロエチレンと、下記式(6):
JPEG
2025109127000007.jpg
15
46
(式中、Yは前記のとおりである)
で表されるホウ素化合物とを反応させる工程
によって得られる、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既存製造法のように複雑な構造で高価な化学品を使用することなく、安価で入手可能な化学品を用いることで製造コストを抑えることができる。また、高価な化学品を使用する場合でも少量の使用で済むので、製造コストを抑えることができる。また、導入する官能基の種類を制御することにより、同じ製造ルートを用いることで、互いに類似した構造を持つE-クロミフェン(エンクロミフェン)およびZ-クロミフェン(ズクロミフェン)を立体選択的に製造可能であることが本製法の最大の特徴であり、タモキシフェンなど、クロミフェンと類似構造を持つ医薬品原体への応用が極めて高い製造手法といえる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[作用]
本発明の特徴は、以下に詳しく説明するように、ジクロロジフェニルエチレンを、前記式(2)で表されるホウ素化合物と反応させて、前記式(3)及び/又は(4)で表されるクロミフェン生成する反応経路を開発した点にある。これによりホウ素化合物などの安価で入手可能な化学品を用いることによりクロミフェンを立体選択的に製造することに成功した。また、本発明の反応経路では出発原料を安価なテトラクロロエチレンとすることができるので、製造コスト削減に寄与できるなど経済的利点がある。
【0010】
本発明の新規なクロミフェンの製造方法によれば、下記式(5):
JPEG
2025109127000008.jpg
18
46
で表されるテトラクロロエチレン(Xは塩素原子を表す)を出発原料に用い、下記式(7):
JPEG
2025109127000009.jpg
43
74
で表されるE-クロミフェン(エンクロミフェン)、あるいは下記式(8):
JPEG
2025109127000010.jpg
43
74
で表される、Z-クロミフェン(ズクロミフェン)を製造することができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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