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公開番号2025086511
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-09
出願番号2023200533
出願日2023-11-28
発明の名称精液の処理方法
出願人学校法人加計学園,学校法人近畿大学
代理人弁理士法人せとうち国際特許事務所
主分類C12N 5/076 20100101AFI20250602BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】採取後の精液をキレート剤を含む水溶液で希釈したことによって低下した精子の運動性を回復させる方法を提供する。
【解決手段】採取した精液を、カルシウムイオン及びキレート剤を含む水溶液で希釈した後に、5~40MPaの静水圧を0.1~15分かけてから除圧する、精液の処理方法とする。カルシウムイオンの含有量が0.1~10mMであり、前記キレート剤の含有量が0.1~50mMであることが好ましく、前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸又はグリコールエーテルジアミン四酢酸であることも好ましい。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
採取した精液を、カルシウムイオン及びキレート剤を含む水溶液で希釈した後に、5~40MPaの静水圧を0.1~15分かけてから除圧する、精液の処理方法。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記水溶液における、カルシウムイオンの含有量が0.1~10mMであり、前記キレート剤の含有量が0.1~50mMである、請求項1に記載の精液の処理方法。
【請求項3】
前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸又はグリコールエーテルジアミン四酢酸である、請求項1又は2に記載の精液の処理方法。
【請求項4】
前記水溶液で希釈した後に、凍結保存してから解凍し、その後、前記静水圧をかけてから除圧する、請求項1又は2に記載の精液の処理方法。
【請求項5】
人工授精、体外受精又は顕微授精するための、請求項1又は2に記載の精液の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、精液の処理方法、特に、人工授精、体外受精又は顕微授精するための精液の処理方法に関する。本発明の精液の処理方法は、ヒトの生殖補助医療として用いることもできるし、家畜繁殖のために用いることもできる。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの不妊治療においては、人工授精、体外受精、顕微授精などの手法が採用されるが、いずれの方法においても採取した精子の運動性の確保が重要である。この点は、家畜の繁殖のための人工授精においても同様である。一方、ヒトであれ家畜であれ、精液を採取してから人工授精等に用いるまでには、一定の時間を要することが避けられない。そのために、精子の運動性を向上させるための、あるいは精子の運動性低下を抑制するための、精液の処理方法及び保存方法が各種提案されていて、例えば精液を希釈する希釈液を工夫する方法が提案されている(例えば特許文献1~4)。
【0003】
一方、物理的な処理によって精子の運動性を改善しようとする方策も検討されていて、精子に対して静水圧をかけることが提案されている。特許文献5には、ウシ精子に30~90MPaの静水圧を30~90分間かけてから凍結し、その後解凍して精子の運動能力を調べたところ、予め加圧処理せずに凍結した検体に比べて、精子の運動能力が高かったことが示されていて、特に30MPaの静水圧を90分間かけることが有効であったことが示されている。また特許文献6には、ブタ精子に20~80MPaの静水圧を40~120分間かけてから、寒冷環境で5時間維持したところ、予め加圧処理せずに寒冷環境で維持した検体に比べて、精子の運動能力が高かったことが示されている。
【0004】
特許文献5及び6の発明者の一部が著者として含まれている非特許文献1には、精子に静水圧をかけてから凍結や冷蔵した場合に、静水圧をかけずに凍結や冷蔵した場合と比べて、精子の運動性が改善されたことが報告されている。そこでは、予め静水圧をかけることによって、凍結や冷蔵の後のタンパク質プロファイルが変化したことが示されていて、このタンパク質の変化が精子の運動性に影響を与えていることが示唆されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2015/064109A1
特開2022-148447号公報
特開2014-128219号公報
WO2014/045582A1
特表2007-505100号公報
特表2009-516523号公報
【非特許文献】
【0006】
San-Yuan Huang et al., Animal Reproduction Science, 112 (2009) 136-149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
人工授精、体外受精、顕微授精などに供するために、採取後の精液をキレート剤を含む水溶液で希釈することが多く、さらに必要に応じて凍結したり冷蔵したりすることもあるが、このような場合に、精子の運動性が低下することが課題となっている。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、採取後の精液を前記水溶液で希釈したことによって低下した精子の運動性を回復させる方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]である。
[1]採取した精液を、カルシウムイオン及びキレート剤を含む水溶液で希釈した後に、5~40MPaの静水圧を0.1~15分かけてから除圧する、精液の処理方法。
[2]前記水溶液における、カルシウムイオンの含有量が0.1~10mMであり、前記キレート剤の含有量が0.1~50mMである、[1]に記載の精液の処理方法。
[3]前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸又はグリコールエーテルジアミン四酢酸である、[1]又は[2]に記載の精液の処理方法。
[4]前記水溶液で希釈した後に、凍結保存してから解凍し、その後、前記静水圧をかけてから除圧する、[1]~[3]のいずれかに記載の精液の処理方法。
[5]人工授精、体外受精又は顕微授精するための、[1]~[4]のいずれかに記載の精液の処理方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の精液の処理方法によれば、採取後の精液をキレート剤を含む水溶液で希釈したことによって低下した精子の運動性を回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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