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公開番号2025096189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2024211778
出願日2024-12-04
発明の名称リパーゼ変異体
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12N 9/20 20060101AFI20250619BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】優れた安定性を示すリパーゼ変異体の提供。
【解決手段】配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置でのアミノ酸残基の置換を含む、親リパーゼの変異体であって、前記親リパーゼ又は前記リパーゼ変異体が配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、リパーゼ変異体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置でのアミノ酸残基の置換を含む、親リパーゼの変異体であって、前記親リパーゼ又は前記リパーゼ変異体が配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、リパーゼ変異体。
続きを表示(約 3,300 文字)【請求項2】
前記配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286の各位置に相当する位置のアミノ酸残基の置換が、それぞれ、L16F、G22C/M、Y29F、Y43W、A45V、T46Q、L50I/M/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、T134A、L142F、A145C/Q、G156A、K174D、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、L208C、H209K、M212L、L215C、V220H、A221H、L223A/E/S/V、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q/T、F234W、S256N、V260A/C/F/G/L/M/T、L266P、V269I/L/M、N272C/G/T、T274I/Q、K278A及びR286Mである、請求項1記載のリパーゼ変異体。
【請求項3】
下記(A)~(D)のいずれかの置換を少なくとも含む、請求項2記載のリパーゼ変異体。
(A)配列番号4の番号付けでのN272C/G/Tの置換とL16F、G22C/M、Y29F、Y43W、A45V、T46Q、L50I/M/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、T134A、L142F、A145C/Q、G156A、K174D、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、L208C、H209K、M212L、L215C、V220H、A221H、L223A/E/S/V、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q/T、F234W、S256N、V260A/C/F/G/L/M/T、L266P、V269I/L/M、T274I/Q、K278A及びR286Mから選択される1以上の置換
(B)配列番号4の番号付けでのV220Hの置換とL16F、G22C/M、Y29F、Y43W、A45V、T46Q、L50I/M/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、T134A、L142F、A145C/Q、G156A、K174D、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、L208C、H209K、M212L、L215C、A221H、L223A/E/S/V、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q/T、F234W、S256N、V260A/C/F/G/L/M/T、L266P、V269I/L/M、N272C/G/T、T274I/Q、K278A及びR286Mから選択される1以上の置換
(C)配列番号4の番号付けでのV260A/C/F/G/L/M/Tの置換とL16F、G22C/M、Y29F、Y43W、A45V、T46Q、L50I/M/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、T134A、L142F、A145C/Q、G156A、K174D、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、L208C、H209K、M212L、L215C、V220H、A221H、L223A/E/S/V、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q/T、F234W、S256N、L266P、V269I/L/M、N272C/G/T、T274I/Q、K278A及びR286Mから選択される1以上の置換
(D)配列番号4の番号付けでのL208Cの置換とL16F、G22C/M、Y29F、Y43W、A45V、T46Q、L50I/M/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、T134A、L142F、A145C/Q、G156A、K174D、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、H209K、M212L、L215C、V220H、A221H、L223A/E/S/V、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q/T、F234W、S256N、V260A/C/F/G/L/M/T、L266P、V269I/L/M、N272C/G/T、T274I/Q、K278A及びR286Mから選択される1以上の置換
【請求項4】
下記(A’)~(D’)のいずれかの置換を少なくとも含む、請求項2記載のリパーゼ変異体。
(A’)配列番号4の番号付けでのN272C/Gの置換とL16F、G22M、Y29F、Y43W、L50I/V、S120A/Q、K123I/T、R126E、L142F、G156A、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191V、L208C、M212L、V220H、A221H、L223V、A224Q、F225T、L228W、R233K/T、F234W、S256N、V260A/C/L、V269I/L、T274Q及びK278Aから選択される1以上の置換
(B’)配列番号4の番号付けでのV220Hの置換とL16F、G22C/M、Y43W、L50I/V、S120Q、K123I/T、R126E、L142F、G156A、A181K、Q186E、K188Q、L190F、D191A/E/V、L208C、M212L、A221H、L223V、A224Q、F225T、L228W、R233K/Q、F234W、S256N、V260A/C/L、V269I/L/M、N272C/G、T274Q及びK278Aから選択される1以上の置換
(C’)配列番号4の番号付けでのV260A/C/Lの置換とL16F、G22M、T46Q、L50I/V、K123I、R126E、L142F、G156A、L190F、D191A/E、L208C、M212L、V220H、A224F/Q/Y、F225T、L228W、R233K/Q、R234W、V269I/M、N272C/G及びK278Aから選択される1以上の置換
(D’)配列番号4の番号付けでのL208Cの置換とL16F、G22C、L50I/V、K123I、R126E、K188Q、L190F、D191A、M212L、V220H、L223V、A224Q/Y、F225T、L228W、R233K、F234W、S256N、V260A/C/L、V269I、N272C/G、K278A及びR286Mから選択される1以上の置換
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項5に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
【請求項7】
請求項6に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
【請求項8】
微生物である、請求項7に記載の形質転換細胞。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体を含有する洗浄剤組成物。
【請求項10】
配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基を置換する工程を含む、リパーゼの安定性向上方法であって、前記リパーゼ又は前記リパーゼのアミノ酸残基置換後のリパーゼが配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼ変異体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
リパーゼは、洗濯洗剤、食器用洗剤、油脂加工、パルプ処理、飼料、医薬中間体合成など様々な用途において有用である。洗浄においては、リパーゼは脂質中のエステル結合を加水分解して脂肪酸を生成することによって油を含む汚れの除去に寄与する。
【0003】
洗浄用リパーゼは油性の汚れを除去するための洗浄剤組成物に採用されてきた。特許文献1には、スルホコハク酸アルキルエステルを含む洗浄剤をリパーゼと共に汚れと接触させた後、外力を加えずに放置することで油汚れを洗浄する方法が記載されている。また、特許文献2に記載のように、食器洗い用の洗浄剤組成物はステンレス製や樹脂製のシンク廻りの洗浄にも用いられることがあり、キッチンのシンク廻りに付着した水垢などを洗浄する機能を付与するには、クエン酸などのキレート剤を高濃度で配合することが考えられる。こうした洗浄剤の組成は、一般的な洗浄剤と比較して水分量が多く、溶剤を界面活性剤よりも多く含むといった特徴を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-17508号公報
特許第4776997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な洗浄剤と比較して水分量が多く、溶剤を界面活性剤よりも多く含む洗浄剤組成物の酵素にとって過酷な環境において、配合したリパーゼの安定性は不明であったが、本発明者らが検討した結果、一般的な洗浄剤への配合時と比較して安定性が著しく低下することが明らかとなった。よって、本発明は、優れた安定性を示すリパーゼを提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、親リパーゼと比して、多量の水分及び/又は界面活性剤より多量の溶剤の存在下で安定性が向上したリパーゼ変異体を取得した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記1)~6)に係るものである。
1)配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置でのアミノ酸残基の置換を含む、親リパーゼの変異体であって、前記親リパーゼ又はリパーゼ変異体が配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、リパーゼ変異体。
2)1)に記載のリパーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド。
3)2)に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
4)3)に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
5)1)に記載のリパーゼ変異体を含有する洗浄剤組成物。
6)配列番号4の番号付けでL16、G22、Y29、Y43、A45、T46、L50、S120、K123、R126、T134、L142、A145、G156 、K174、A181、Q186、K188、L190、D191、L208、H209、M212、L215、V220、A221、L223、A224、F225、L228、R233、F234、S256、V260、L266、V269、N272、T274、K278及びR286位に相当する位置から選択される1箇所以上の位置のアミノ酸残基を置換する工程を含む、リパーゼの安定性向上方法であって、前記リパーゼ又は前記リパーゼのアミノ酸残基置換後のリパーゼが配列番号4又は6で示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のリパーゼ変異体は、親リパーゼと比して安定性が向上している。斯かるリパーゼ変異体は、多量の水分及び/又は界面活性剤より多量の溶剤を含む洗浄剤組成物にも好適に配合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中で引用された全ての特許文献、非特許文献、及びその他の刊行物は、その全体が本明細書中において参考として援用される。
【0010】
本明細書において、「リパーゼ」とは、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.1.1.3)を指し、脂質中のエステル結合を加水分解して脂肪酸を生成する活性を有する酵素群を意味する。リパーゼ活性は、酪酸4-ニトロフェニルの加水分解による4-ニトロフェノールの遊離に伴う吸光度の増加速度を測定することによって決定することができる。リパーゼ活性の測定の具体的手順は、後述の実施例に詳述されている。
(【0011】以降は省略されています)

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