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公開番号2025164123
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-30
出願番号2024067920
出願日2024-04-19
発明の名称洗浄剤組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C11D 17/08 20060101AFI20251023BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】熱変性油などの変性油を含む油汚れの洗浄力に優れ、且つ希釈使用時に発泡性に優れながらも泡のすすぎ性に優れる洗浄剤組成物、及びこれを用いた硬質表面の洗浄方法を提供する。
【解決手段】
下記(a)成分を0.005質量%以上5質量%以下、下記(b)成分、下記(c)成分を0.01質量%以上6質量%以下、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(c)/(b)が5/2以上100/1以下である、洗浄剤組成物。
(a)成分:総炭素数11以上23以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸及び/又はその塩であり、前記鎖式分岐炭化水素基の主鎖の炭素数が7以上21以下であり、すべての側鎖の分岐位置が主鎖の3位以上である、カルボン酸及び/又はその塩
(b)成分:特定のカチオン界面活性剤
(c)成分:アニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記(a)成分を0.005質量%以上5質量%以下、下記(b)成分、下記(c)成分を0.01質量%以上6質量%以下、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(c)/(b)が5/2以上100/1以下である、洗浄剤組成物。
(a)成分:総炭素数11以上23以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸及び/又はその塩であり、前記鎖式分岐炭化水素基の主鎖の炭素数が7以上21以下であり、すべての側鎖の分岐位置が主鎖の3位以上である、カルボン酸及び/又はその塩
(b)成分:下記一般式(b1)で示される化合物、及び下記一般式(b2)で示される化合物から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤
(c)成分:アニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)
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2025164123000007.jpg
38
159
〔式中、R
11b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
12b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R
13b
及びR
14b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
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2025164123000008.jpg
39
159
〔式中、R
21b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
22b
及びR
23b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
液体洗浄剤組成物である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
硬質表面用であって発泡させて使用するものである、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
下記(a)成分を0.005質量%以上5質量%以下、下記(b)成分、下記(c)成分を0.01質量%以上6質量%以下、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(c)/(b)が5/2以上100/1以下である、洗浄剤組成物と、水とを混合して得られる希釈溶液を、起泡させて対象の硬質表面に接触させる工程、接触後、泡を一定時間保持する工程、保持後、水で濯ぐ工程を含む、硬質表面の洗浄方法。
(a)成分:総炭素数11以上23以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸及び/又はその塩であり、前記鎖式分岐炭化水素基の主鎖の炭素数が7以上21以下であり、すべての側鎖の分岐位置が主鎖の3位以上である、カルボン酸及び/又はその塩
(b)成分:下記一般式(b1)で示される化合物、及び下記一般式(b2)で示される化合物から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤
(c)成分:アニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)
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2025164123000009.jpg
38
159
〔式中、R
11b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
12b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R
13b
及びR
14b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
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2025164123000010.jpg
39
159
〔式中、R
21b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
22b
及びR
23b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
【請求項5】
前記洗浄剤組成物を、水による希釈倍率が2倍以上200倍以下で希釈して前記希釈溶液を得る、請求項4に記載の硬質表面の洗浄方法。
【請求項6】
前記希釈溶液が、(a)成分を0.0005質量%以上0.5質量%以下、(b)成分を0.0001質量%以上1質量%以下含有する、請求項4又は5に記載の硬質表面の洗浄方法。
【請求項7】
前記洗浄剤組成物を希釈する水、及び前記泡で保持後に濯ぐ水が水道水である、請求項4又は5に記載の硬質表面の洗浄方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物及び硬質表面の洗浄方法に関し、更には発泡して用いるための発泡洗浄剤組成物及び発泡させた泡による硬質表面の洗浄方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
食品加工工場では、生産スケジュールの中断時に、定期的に、食品の加工及び/又は調理に用いる機器及び設備を洗浄し、衛生状態を確保している。洗浄対象となる機器としては、例えば、ネットコンベアやフリーザー、スライサー、精米機などが挙げられ、設備としては、例えば、床、壁、作業台などが挙げられる。これらの洗浄対象は規模が大きかったり、パーツが入り組み複雑化したりしているため、これらを効率的に洗浄する方法として、通常、洗浄剤を発泡させ泡状にして洗浄対象に適用する発泡洗浄が採用される。
発泡して使用する洗浄剤は希釈し起泡したものを洗浄対象表面に付着させることで、液体を塗布する場合よりも少量で広い範囲の洗浄対象を処理することができる。発泡用の洗浄剤として理想とされる起泡性と泡持ちが求められる一方で、水をかけることで泡を流れ落とすようなすすぎ工程では素早く破泡して流れることが求められる。すすぎ時の泡が消えにくいと、すすぎ水を大量に使用する必要があり、環境配慮への観点からも泡消え性が良くすすぎ水を削減できる技術が求められている。洗浄剤組成物の発泡成分濃度を低くすれば、濯ぎ性は改善されるが、泡立ち及び洗浄力を保った上で達成することは難しく、特に熱等で変性した油汚れに対する洗浄力との両立は困難である。
【0003】
特許文献1には、(A)所定のアルキル及び/又はアルケニルジメチルアミンオキシド、(B)アルカリ剤、(C)所定の分岐脂肪酸及び/又はその塩、(D)水、及び任意の金属イオン封鎖剤を含み、(A)/(C)の質量比が所定の値である洗浄剤組成物を用いた被洗浄物の洗浄方法が開示されている。
特許文献2には、(A)アルカリ剤、(B)アニオン界面活性剤、(C)所定のアルキルジメチルアミンオキサイド、(D)芳香族スルホン酸塩、(E)水溶性カルシウム化合物、(F)金属イオン封鎖剤及び水を所定割合で含有する、飲食料品製造設備用洗浄剤組成物が開示されている。
特許文献3には、(A)アルカリ剤、(B)アニオン界面活性剤、(C)所定のアルキルジメチルアミンオキサイド、(D)所定の炭素数6以上14以下脂肪酸又はその塩を、所定割合で含有する、洗浄剤組成物が開示されており、実施例に炭素数7や8の脂肪酸を含有する洗浄剤が記載されている。
特許文献4には、ラウリン酸又はオレイン酸等の直鎖脂肪酸、アルキルジメチルアミンオキシド及びアニオン界面活性剤を含有する、起泡性、貯蔵安定性、希釈液安定性に優れ、アルミニウム材質に対して腐食を抑制するすすぎの泡切れ性に優れる洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献5には、ジメチルアミンオキシド、アルカリ剤、主にイソ体の分岐脂肪酸、ホスホン酸及び水を含有する、発泡性、泡保持性及び泡切れ性が良好で、飲食・食品製造工場や厨房に用いられる洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献6及び特許文献7には、アミンオキサイドと炭素数11以上12以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸又はその塩を含有する、泡安定性に優れ、すすぎ性に優れた硬質表面用洗浄剤が記載されている。
特許文献8には、(a)アルカリ剤、(b)炭素数11以上24以下の炭化水素基を有するスルホン酸系界面活性剤、(c)炭素数5以上10以下の炭化水素基を有する界面活性剤、(d)炭素数12以上26以下の分岐炭化水素基を有する分岐脂肪酸及び/又はその塩を所定量含有し、任意に(e)炭素数11以上18以下の炭化水素基を有するアミンオキシド及び炭素数12以上18以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤〔但し、(b)成分及び(d)成分に相当するものを除く〕から選択される1種以上の界面活性剤を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比(c)/(b)が1.0以上、(e)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比(e)/(b)が0.5以下である、安定性、洗浄性能及びアルミニウム防食性に優れ、すすぎ性を有する洗浄剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-199619号公報
特開2010-150307号公報
特開2013-249383号公報
特開2021-181553号公報
特開2018-168328号公報
特開2019-73732号公報
特開2018-203853号公報
特開2023-072672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、起泡性に優れる洗浄剤に関し、すすぎ性を考慮したものが開発されてきたが、洗浄力を低下させることなく、更にすすぎ性の改善を探求するものではなかった。
本発明は、熱変性油などの変性油を含む油汚れの洗浄力に優れ、且つ希釈使用時に発泡性に優れながらも泡のすすぎ性に優れる洗浄剤組成物、及びこれを用いた硬質表面の洗浄方法を提供する。
本発明において、変性油とは、熱、日光、空気中の酸素等の作用により変質した油性分を含むものをいう。また熱変性油とは、熱により変性した油であり、熱により酸化した油成分を含むものをいう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記(a)成分を0.005質量%以上5質量%以下、下記(b)成分、下記(c)成分を0.01質量%以上6質量%以下、及び水を含有し、(c)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(c)/(b)が5/2以上100/1以下である、洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:総炭素数11以上23以下の鎖式分岐炭化水素基を有するカルボン酸及び/又はその塩であり、前記鎖式分岐炭化水素基の主鎖の炭素数が7以上21以下であり、すべての側鎖の分岐位置が主鎖の3位以上である、カルボン酸及び/又はその塩
(b)成分:下記一般式(b1)で示される化合物、及び下記一般式(b2)で示される化合物から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤
(c)成分:アニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)
【0007】
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38
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【0008】
〔式中、R
11b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
12b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、R
13b
及びR
14b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
【0009】
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39
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【0010】
〔式中、R
21b
は、炭素数8以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R
22b
及びR
23b
は、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる基であり、X

は陰イオンである。〕
(【0011】以降は省略されています)

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