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公開番号
2025080713
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-26
出願番号
2023211558
出願日
2023-11-14
発明の名称
超音波機能着きウィスキー熟成ボトル用のキャップ
出願人
個人
代理人
主分類
C12H
1/16 20060101AFI20250519BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、消費者が手頃な価格で短期間にウィスキーの熟成度と風味を自分の好みに合わせて調整できる手法を提供することを課題とする。
【解決手段】超音波振動子を備えたボトルのキャップであって、該超音波振動子が、ボトル内のアルコールと水の混合を均一化するための超音波を発生させることを特徴とするボトルのキャップとする。さらに、焦がした木片をボトル内に配置することで、ウィスキーの風味を短期間で強化する機能を有することを特徴とするボトルのキャップとする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
超音波振動子を備えたボトルのキャップ、該超音波振動子が、ボトル内のアルコールと水の混合を均一化するための超音波を発生させることを特徴とするボトルのキャップ。
続きを表示(約 300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のボトルのキャップ、さらに、焦がした木片をボトル内に配置することで、ウィスキーの風味を短期間で強化する機能を有することを特徴とするボトルのキャップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のボトルのキャップ、該キャップには、外部からの電源供給を受けるためのUSBポートが設けられていることを特徴とするボトルのキャップ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のボトルのキャップ、該超音波振動子が、アルコールと水の混合を促進し、熟成作用を加速させることで、味わいをマイルドにする効果を有することを特徴とするボトルのキャップ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
技術分野:飲料の熟成技術、超音波技術
飲料の熟成技術は、飲料の風味や品質を向上させるための技術であり、長い歴史を持つ。特に、ウィスキーやワインなどのアルコール飲料において、熟成はその風味や価値を大きく左右する要因となる。熟成は、飲料を特定の条件下で保存し、時間の経過とともに化学的・物理的な変化を促進することで、風味や香りを豊かにするプロセスである。
樽熟成:特にウィスキーやワインにおいて、木製の樽での熟成が行われる。
樽の材質や焼き加減によって、飲料に独特の風味や香りが付加される。
瓶熟成:ボトルに封入された状態での熟成。ワインなどが該当し、長期間の熟成により風味が変化する。
続きを表示(約 5,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ウィスキーや他の蒸留酒の熟成は、長い時間をかけて独特の風味や味わいを形成するプロセスです。伝統的には、オークの樽での長期熟成が一般的であり、この過程で木からの成分が酒に浸透し、風味や色が豊かになります。
1.水とアルコールの相互作用:熟成中、水とアルコール(主にエタノール)は互いに溶け合い、より均一な混合物を形成します。この過程で、アルコールの刺激が徐々に滑らかになる可能性があります。
2.**木樽からの成分の抽出:**ウイスキーは通常、木樽(多くはオーク)で熟成されます。この樽の木材からはさまざまな化合物がウイスキーに移行し、香りや味わいに影響を与えます。これにはタンニンやバニリンなどが含まれ、これらの成分はウイスキーの刺激をマイルドにする効果があります。
近年、超音波技術を使用して酒の熟成を加速する研究が行われています。
特に、高い電圧の強力な超音波振動を使用することで、短時間で酒の味わいをマイルドにすることが可能であることが知られています。しかし、この方法は大規模な設備や専用の電源供給が必要となり、家庭での使用やポータビリティには適していません。
超音波は水中で非常に伝わりやすい性質を持っています。この特性を利用して、超音波加湿器では水中に設置されたトランスデューサ(振動子)から超音波を発生させます。これにより、水の分子が高速で振動し、微細な水滴が生成されて霧となります。この超音波加湿器で使用されているトランスデューサ(振動子)の周波数はMHz帯です。
MHz帯の超音波の振動が水分子に与えるエネルギーは、キャビテーション(液体中で気泡が生成・崩壊する現象)を引き起こすほど強力ではありませんが、それでも十分に液体の物理的・化学的な特性に影響を与える可能性があります。例えば、超音波を利用した液体の熟成プロセスでは、この振動が化学反応を加速し、熟成を促進することが期待されます。
結論として、超音波加湿器の仕組みを考慮すると、キャビテーションを起こすほどの強力なエネルギーは必要ないものの、超音波による振動が液体に与える刺激は、その特性に効果的に作用し、望ましい変化をもたらすことが見込めます。
今回のアイデアは、ポータブル性を重視し、5Vの電源で動作する超音波霧化ユニットを使用することにより、家庭での熟成を実現するものです。5Vの制限により、超音波のパワーは限定されますが、1.8MHzの高周波を使用することで、アルコールと水の混ざり合いを通常の場合よりも促進し、熟成の加速化を図ることができます。
また、焦がした木片を酒に加えることで、ウッディな風味を追加し、超音波を使用しない場合よりも短期間で強い味わいを得ることができます。この組み合わせにより、家庭での熟成を楽しむことができ、熟成度合を育成しながら味わいを探求することができます。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
Study of ultrasonic wave treatments for accelerating the aging process in a rice alcoholic beverage Audrey Chingzu Chang Department of Food Science,National Ilan University,1,Section I,Shun Lung Road,Ilan City 260,Taiwan Received 7 March 2003,Revised 28 July 2004,Accepted 28 July 2004,Available online 10 November 2004
概要
この研究は、2つの異なるレベルの超音波パワーを適用して、日本酒の加速熟成に焦点を当てています。日本酒はSaccharomyces sakeで発酵されました。コントロール処理は、焼き物の容器で1年間熟成された(標準的な熟成)、一方、他の2つの処理は、それぞれ20kHzと1.6MHzの超音波を使用して熟成を模倣しました(加速熟成)。結果は、20kHzの処理が1.6MHzの処理よりも日本酒の熟成に良い影響を与えることを示しています。20kHzの超音波処理は、アルコール飲料の熟成の良い代替方法としての可能性があります。
結論
日本酒の超音波処理は、従来の熟成方法と同じ品質の味を持つアルコール飲料を熟成することができました。超音波処理は、日本酒のはるかに迅速な熟成プロセスであり(1週間または1日対1年)、超音波処理は貴重なスペースのより良い利用のためにスペースを節約することができます。
つまり、熟成の速さはkHz>MHz.だが超音波による熟成効果は確認できた。
超音波キャビテーション気泡の力学の基礎と応用 安藤景太 専門:熱流体力学、キャビテーション
Whiskey Distilled:A Populist Guide to the Water of Life April 7,2015 by Heather Greene
The Terroir Of Whiskey by Rob Arnold:
【発明の概要】
【】
発明の概要:超音波素子を取り付けたボトルの蓋にUSBポートを設け、外部から電源を供給して超音波を照射し、木片を入れてウィスキーの風味を強化する。
詳細な説明:
1.超音波素子の取り付け:
ボトルの蓋の内側に超音波振動子を取り付ける。この振動子は、電源を供給されると高周波の振動を発生させ、これがボトル内の液体に伝わる。
振動子のサイズや形状は、ボトルのサイズや形状に合わせて最適化される。
2.USBポートの設置:
ボトルの蓋の外側にUSBポートを設ける。このポートは、モバイルバッテリーやACアダプタなどの外部電源から電力を供給するためのものである。
3.超音波の照射:
電源を供給すると、超音波振動子が動作し、ボトル内の液体に超音波を照射する。
超音波の振動によって、アルコールと水の混ざり合いと木片からの成分溶出が促進される。
4.木片の使用:
ボトル内には、ウィスキーやブランデーなどの酒にウッディな風味を付加するための木片(例:オーク、ヒッコリーなど)を入れる。
木片のサイズや種類、量は、所望の風味や熟成度に応じて調整する。
今回のアイデアは、ポータブル性を重視し、5Vの電源で動作する超音波霧化ユニットを使用することにより、家庭での熟成を実現するものです。5Vの制限により、超音波のパワーは限定されますが、1.8MHzの高周波を使用することで、アルコールと水の混ざり合いを通常の場合よりも促進し、熟成の加速化を図ることができます。
また、焦がした木片を酒に加えることで、ウッディな風味を追加し、超音波を使用しない場合よりも短期間で強い味わいを得ることができます。この組み合わせにより、家庭での熟成を楽しむことができ、熟成度合を育成しながら味わいを探求することができます。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本考案は、ウィスキーの熟成と風味の変化を個々の消費者が自らコントロールし、そのプロセスを楽しむことを可能にする新しいアプローチを提供します。
従来のウィスキーの価値が年代や希少性に依存しているのに対し、この考案ではウィスキーを「育てる」という行為自体に価値を見出し、消費者にウィスキーとの新たな関わり方を提案します。
消費者は熟成過程を通じてウィスキーの風味や品質を自分好みに調整することができ、ウィスキーの楽しみ方に新たな次元を加えることができます。
この技術は、ウィスキーの価値をブランドや希少性、熟成期間だけでなく、個々の「育てる」プロセスにも拡張し、よりアクセスしやすい形で提供することを目的としています。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明が課題を解決するために採用する手段は以下の通りです:
1.**超音波振動子の利用**:低電圧で動作する超音波振動子を使用し、ウィスキーなどのアルコール飲料の熟成を促進してまろやかな味わいを付与します。
2.**ポータブル電源の活用**:USBポートを介してモバイルバッテリーから電源を供給することで、どこでも熟成プロセスを行うことができます。
3.**木片の使用**:様々な種類の焦がした木片をウィスキーに入れることで、熟成酒特有のウッディな風味を追加します。
4.**カスタマイズ性の提供**:ユーザーは超音波の照射時間や木片の種類を自由に選択し、好みの風味を作り出すことができます。
5.**簡易操作**:複雑な操作や設定は不要で、USBポートに電源を接続し、スイッチを入れるだけで熟成プロセスを開始できます。
これらの手段により、この発明はウィスキー愛好家が自宅で手軽に熟成度の調整を楽しむことを可能にし、熟成酒市場に新たな選択肢を提供します。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以下のような複数の効果をもたらします:
1.迅速な熟成プロセス:超音波技術を利用することで、従来の熟成に必要な数年間ではなく、数週間から数ヶ月間で熟成された様な風味を生み出すことが可能になります。
2.コスト効率の向上:高価な熟成酒を購入する代わりに、手頃な価格の未熟成酒を購入し、自宅で熟成させることで、経済的な負担を軽減します。
3.カスタマイズ可能な風味**:ユーザーは自分の好みに合わせて、木片の種類や超音波の照射時間を調整することで、個性的な風味を作り出すことができます。
4.簡便な操作性:専門的な知識や熟成設備が不要で、USBポートを通じて電源を供給し、簡単な操作で超音波照射を開始できます。
この発明により、熟成酒の楽しみをより多くの人々に手軽に提供することができ、新たなホームブリューの文化を創造する可能性を秘めています。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図中に示されているキャップの内部には、1.8MHzの超音波振動子が格納されています。この超音波振動子は外部の電源、具体的にはUSB電圧を供給するモバイルバッテリーからの電力を受けて動作します。
キャップの側面には、この電源を接続するためのUSB Type-Cのポートが設けられています。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この考案を実施するための形態として、以下の手順で使用することができます:
1.準備:ユーザーは、専用のボトルを用意し、そのキャップに組み込まれた超音波振動子を確認します。キャップにはUSBポートがあり、外部のモバイルバッテリーから電源を供給するために使用します。
2.木片の選択と挿入:ユーザーは、好みの風味を生み出すために様々な種類の焦がした木片から選択し、ボトル内に挿入します。
3.ウィスキーの注入:ボトルにウィスキーを注ぎます。この時、木片がウィスキーに浸るようにします。
4.電源の接続:キャップに組み込まれたUSBポートにモバイルバッテリーを接続し、超音波振動子に電源を供給します。
5.超音波照射の開始:電源を入れると、超音波振動子が作動し、ウィスキーに超音波を照射します。この超音波がアルコールと水の分子を均一に混ぜ合わせ、熟成プロセスを促進します。
6.熟成期間の設定:ユーザーは、任意の熟成期間を設定します。短期間で軽い熟成を望む場合は短く、より深い熟成風味を望む場合は長く設定することができます。7.熟成の完了:任意の熟成期間が経過したら、ユーザーはUSBを抜き、超音波振動子の作動を停止します。
8.試飲と楽しみ:熟成が完了したウィスキーは、木片が加えたウッディな風味と超音波によるマイルドな口当たりを楽しむことができます。ユーザーは自分だけのカスタマイズされたウィスキーを味わうことができます。
この手順により、ユーザーは自宅で簡単に、自分の好みに合わせた熟成期間でウィスキーの熟成を楽しむことができるようになります。
【産業上の利用可能性】
【0010】
1.ウィスキーの製造業者:
新しい製品ラインとして「自宅で熟成」をキャッチフレーズにしたウィスキーを市場に投入することができる。
未熟成または短期熟成のウィスキーを低価格で提供し、消費者に自分の好みに合わせて熟成させる体験を提供する。
2.バー・レストラン:
オリジナルの熟成ウィスキーを提供することで、独自のメニューを展開することができる。
顧客に熟成の過程を見せることで、新しい飲食の体験を提供する。
3.ギフト業界:
ウィスキー愛好家やDIY好きな人向けのギフトとして、独自の熟成ウィスキーキットを提供する。
記念日や特別な日に、オリジナルの熟成ウィスキーを作る体験をプレゼントとして提供する。
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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