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公開番号2025043182
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150554
出願日2023-09-15
発明の名称ナガミルエキスの製造方法
出願人御木本製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12P 7/02 20060101AFI20250321BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】シフォナキサンチンの含有量を高めたナガミルエキスの製造方法を提供する。
【解決手段】本製造方法は、シフォナキサンチンを含むナガミルエキスの製造方法であり、ナガミルを抽出して、シフォナキサンチンおよびそのエステル体であるシフォネインを含む粗抽出物を得る抽出工程と、得られた粗抽出物の溶液をアルカリで処理しシフォネインをけん化するけん化工程と、けん化工程後、不溶物の除去を行う除去工程を有し、除去工程は、けん化工程において酸で中和した反応液に対して、非プロトン性極性溶媒を添加し、生じる不溶物を除去する工程を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
シフォナキサンチンを含むナガミルエキスの製造方法であり、
ナガミルを抽出して、シフォナキサンチンおよびそのエステル体であるシフォネインを含む粗抽出物を得る抽出工程と、得られた前記粗抽出物の溶液をアルカリで処理し前記シフォネインをけん化するけん化工程とを有することを特徴とするナガミルエキスの製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記けん化工程は、前記粗抽出物の前記溶液中、70℃~90℃の温度で、40分~3時間反応を行うことを特徴とする請求項1記載のナガミルエキスの製造方法。
【請求項3】
前記けん化工程において、前記溶液中の前記粗抽出物の固形分濃度が0.3%以上2%未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のナガミルエキスの製造方法。
【請求項4】
前記抽出工程において、前記ナガミルをアセトンまたは含水エタノールを用いて抽出することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナガミルエキスの製造方法。
【請求項5】
前記製造方法は、前記けん化工程後、不溶物の除去を行う除去工程を有し、前記除去工程は、前記けん化工程において酸で中和した反応液に対して、非プロトン性極性溶媒を添加し、生じる不溶物を除去する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナガミルエキスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ナガミルエキスの製造方法に関し、特にシフォナキサンチンの含有量を高めたナガミルエキスの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
海ブドウとして知られるクビレズタ(Caulerpa lentillifera)、ミル(Codium fragile)、ナガミル(Codium cylindricum)といった一部の緑藻類には、カロテノイド色素の一種であるシフォナキサンチン(siphonaxanthin;以下、SPXともいう)が含まれている。
【0003】
シフォナキサンチンは一部の緑藻類に含まれる一方で、陸上植物などの高等植物には含まれていない。海底に繁茂する緑藻類は、日光の一部の波長しかエネルギーにできないことから、シフォナキサンチンによる光補集機能によって効率的に光合成ができると考えられている。
【0004】
これまでに、シフォナキサンチンに関する生理機能の報告はいくつかなされている。例えば、特許文献1では、シフォナキサンチンは、同じカロテノイド色素であるフコキサンチンなどと比較して、低濃度で高い抗腫瘍活性を示すことが報告されている。また、特許文献2では、シフォナキサンチンが血中脂質低減作用を有することが報告されている。このように高い生理活性を有するシフォナキサンチンは、食品や、医薬品、化粧品分野などで注目されている。
【0005】
しかしながら、シフォナキサンチンを含む生物種の資源量が不明であること、さらには、緑藻類の藻体自体に含まれるシフォナキサンチンがごく僅かであることなどから、産業への活用には現状至っていない。
【0006】
ところで、ナガミルは、他の海藻と比較してシフォナキサンチンを多く含むとされている。しかし、それでも全藻体に含まれるシフォナキサンチンは、ごく僅か(藻体の重量100g当たり10mg程度)であり、ナガミルやそれに含まれるシフォナキサンチンの高度利用においては依然として課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-227642号公報
特開2016-210745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、シフォナキサンチンの含有量を高めたナガミルエキスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ナガミルには、シフォナキサンチンに似た構造の化合物として、シフォナキサンチンのエステル体であるシフォネイン(siphonein;以下、SPNともいう)が存在すること、また、当該SPNには、シフォナキサンチンのような生理活性が報告されていないことに着目して、ナガミルに含まれているシフォナキサンチンを単に抽出・精製するだけでなく、シフォナキサンチンと同様に含まれるシフォネインを、けん化処理によってシフォナキサンチンへと変換することで、シフォナキサンチンの含有量を高めたナガミルエキスが得られることを見出した。すなわち、本発明は下記の構成を有するものである。
【0010】
本発明のナガミルエキスの製造方法は、シフォナキサンチンを含むナガミルエキスの製造方法であり、ナガミルを抽出して、シフォナキサンチンおよびそのエステル体であるシフォネインを含む粗抽出物を得る抽出工程と、得られた上記粗抽出物の溶液をアルカリで処理し上記シフォネインをけん化するけん化工程とを有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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