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公開番号2025031091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023137073
出願日2023-08-25
発明の名称マイクロノズル装置
出願人東京都公立大学法人
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12M 1/38 20060101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】生体細胞の任意の局所領域の培養環境を制御しながら、脂質ベシクルを生体細胞に対して作用させることが可能なマイクロノズル装置を提供する。
【解決手段】一端が吐出開口とされた2本の吐出用毛細管と、一端が吸引開口とされた1本、または2本の吸引用毛細管と、前記吐出用毛細管から流体を吐出させる吐出ポンプと、前記吸引用毛細管から流体を吸引させる吸引ポンプと、を有し、2本の前記吐出用毛細管のうち、一方の前記吐出用毛細管は、生体細胞の培養環境を制御する薬液を吐出させるとともに、他方の前記吐出用毛細管は、脂質ベシクルを含む液体を吐出させることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一端が吐出開口とされた2本の吐出用毛細管と、一端が吸引開口とされた1本、または2本の吸引用毛細管と、前記吐出用毛細管から流体を吐出させる吐出ポンプと、前記吸引用毛細管から流体を吸引させる吸引ポンプと、を有し、
2本の前記吐出用毛細管のうち、一方の前記吐出用毛細管は、生体細胞の培養環境を制御する薬液を吐出させるとともに、他方の前記吐出用毛細管は、脂質ベシクルを含む液体を吐出させることを特徴とするマイクロノズル装置。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記吐出開口および前記吸引開口のそれぞれの開口径は1mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロノズル装置。
【請求項3】
前記吐出用毛細管および前記吸引用毛細管は、ケイ素を含む材料によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロノズル装置。
【請求項4】
前記吐出用毛細管は、前記吐出開口よりも上流側で、前記吐出開口の開口径よりも内径が大きくなるように形成され、前記吸引用毛細管は、前記吸引開口よりも上流側で、前記吸引開口の開口径よりも内径が大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロノズル装置。
【請求項5】
前記吐出開口から吐出される前記流体の流量の総和よりも、前記吸引開口から吸引される前記流体の流量が大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロノズル装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微小領域に流体を吐出および吸引することが可能なマイクロノズル装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、細胞に機能改変を加えたり、細胞の応答を計測する際には、多数の細胞を培養した系を用いて、多数の細胞全体を対象として行ってきた。しかしながら、(1)機能改変をさせるために補助的に用いられる薬物が細胞に影響を及ぼす可能性がある、(2)機能改変した細胞とそれ以外の細胞との相互作用を検討する必要がある、(3)使用する薬剤のコストが高い、などの理由によって、単一の細胞あるいは少数の細胞を対象として細胞環境を局所的に操作することが望まれている。
【0003】
特に、ウイルス粒子の細胞膜融合(すなわち細胞への感染)については、一般的にウイルスの脂質膜上のタンパク質を介して細胞へ融合することが知られている。こうした機構が解明され、細胞膜融合に対する阻害物質などを発見できれば、ウイルス感染症を抑制可能な創薬の開発に大きく寄与する。このため、細胞膜融合に対する阻害・推進のスクリーニングは、感染症研究には極めて重要である。
【0004】
しかしながら、細胞膜融合に対する阻害物質・融合物質などによる細胞の培養環境の変化そのものが細胞に有害である可能性もあるため、培養液全体に薬剤を添加した状態でのウイルス融合実験ではなく、単一の細胞あるいは少数の細胞といった局所的な培養環境を制御する必要がある。
【0005】
従来、薬物を用いて生体細胞の局所的な刺激をおこなうために、ケージド化合物(caged compound)にレーザー光を照射することが一般的であった。ケージド化合物とは、生理活性物質に光分解性の保護基(ケージ)を結合させた化合物であり、可視光や赤外光を照射することによって保護基が分解され、その生理活性が発現する。ケージに結合させる生理活性物質としては神経伝達物質、低分子リガンド、セカンド・メッセンジャーなどが挙げられる。こうしたケージド化合物をレーザー光で分子構造を変化させたり、分子を分解(アンケージ)することによって、生成した分子を用いて生体細胞の局所刺激を行うことができる。
【0006】
しかしながら、こうしたケージド化合物にレーザー光を照射する方法は、レーザー光が集光する範囲を限定することで、十数マイクロメートルのサイズ領域の刺激を行うことができるが,適用可能な分子の種類が限定的であり、反応前のケージド化合物や、反応後に生成した(乖離した)分子による生体細胞への影響があるという課題があった。また、レーザー光源や光検出器を備えたコストの高い複雑な装置を用いる必要があった。
【0007】
一方、マイクロ流路を用いて薬物を流すことによって、生体細胞を局所的に刺激することも可能であるが、マイクロ流路の流路上に生体細胞を成長させておく必要があり、細胞内の任意の位置に薬物を流して刺激を与えることは困難であった。
【0008】
以上のような背景から、任意の微小な領域に流体を吐出させて、その流体が作用する範囲を微小な領域に制限することで、細胞の培養環境を局所的に変化させることが可能な吐出ノズル装置が求められていた。
【0009】
こうした吐出ノズル装置として、例えば、非特許文献1には、2本の吐出ノズルと、1本の吸引ノズルを有するノズル化学ペンを用いてナノワイヤを形成することが記載されている。これによれば、1本の吐出ノズルから銀化合物(Ag(NH



OH)の溶液を吐出させ、他の1本の吐出ノズルから銀化合物を還元して銀を析出させる還元剤の溶液を吐出させるとともに、これらの残液を吸引ノズルで吸引することによって、基板上に直接、銀ナノワイヤを形成している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
Lin HF, et al. Anal. Chem. 2019, 91, 7346-7352(2019).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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