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公開番号
2025031305
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023137444
出願日
2023-08-25
発明の名称
観察用遠隔制御装置
出願人
株式会社ユーグレナ
,
株式会社IDDK
代理人
主分類
C12M
1/34 20060101AFI20250228BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供する。
【解決手段】遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置1は、細胞と細胞を培養する培地133とを収容する培養容器13と、培養容器の上方に配置される光源23と、温度調整部22と、培養容器と管で接続し、培養容器に注入させる試料を収容する試料容器14と、試料容器内の試料を、管を通じて培養容器に注入させ、培養容器内の培地を試料容器に収容させる試料交換部15と、マトリクス状に配置された複数の光電変換素子121を有し、培養容器の下方に配置され、細胞を下方から撮影する顕微撮影部12と、光源、温度調整部、試料交換部及び顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部40と、を備え、制御部40は画像情報を電気信号として出力する画像出力部41と、画像情報を記憶する記憶部42、又は、画像情報を外部に送信する通信部43と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置であって、
前記細胞と該細胞を培養する培地とを収容する培養容器と、
該培養容器の上方に配置され前記細胞に光を照射する光源と、
前記培養容器の温度を調整する温度調整部と、
前記培養容器と管で接続し、前記培養容器に注入される試料を収容する試料容器と、
前記試料容器内の前記試料を、前記管を通じて前記培養容器に注入させ、前記培養容器内の前記培地を、前記試料容器に収容させる試料交換部と、
マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有し、前記培養容器の下方に配置され、前記光電変換素子により前記細胞を下方から撮影する顕微撮影部と、
前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記光電変換素子により撮影された画像情報を電気信号として出力する画像出力部と、
前記画像情報を記憶する記憶部、又は、前記画像情報を外部に送信する通信部と、を有することを特徴とする観察用遠隔制御装置。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記培養容器、前記顕微撮影部、前記試料容器及び前記試料交換部が配置された顕微撮影用プリント基板と、
前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、
前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、
前記顕微撮影用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、
実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成することを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項3】
前記培養容器及び前記顕微撮影部が配置された顕微撮影用プリント基板と、
前記試料容器及び前記試料交換部が配置された試料用プリント基板と、
前記光源及び前記温度調整部が配置された環境用プリント基板と、
前記制御部が配置された制御用プリント基板と、を備え、
前記顕微撮影用プリント基板、前記試料用プリント基板、前記環境用プリント基板及び前記制御用プリント基板は、いずれも平面視で同一の形状に形成されており、
実験の用途に応じて組み合わせを変え、所定方向に並べて配置することで実験装置を構成することを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項4】
前記試料は、前記試料容器内で付勢されており、
前記試料交換部は、前記管を塞ぐバルブを有し、
前記試料を注入する際、前記バルブが前記試料により前記管から押し出され、前記試料交換部と前記培養容器とが連通することで前記試料が前記培養容器に注入されることを特徴とする請求項1に記載の観察用遠隔制御装置。
【請求項5】
前記培養容器、前記光源、前記温度調整部、前記試料容器、前記試料交換部、前記顕微撮影部及び前記制御部を収容する筐体を備え、
前記筐体は該筐体内に所定の圧力をかける圧力容器であり、前記筐体には、前記筐体内の圧力を調整する際に使用されるチェックバルブが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の観察用遠隔制御装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を観察する観察用遠隔制御装置に係り、特に、宇宙等の遠隔地において微生物等の細胞を培養すると共にその細胞を顕微撮影することが可能な観察用遠隔制御装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞培養実験では顕微観察手段や画像の撮影手段が必要とされる。従来の顕微撮影機器では、レンズを用いて画像を拡大し、焦点を合わせ集光させてからカメラ等の撮影装置を用いて画像を撮影している。
特許文献1には、顕微撮影機器を用いて自動的に顕微観察し、特定の担当者によらず長期間の観察記録を行うことを目的とした培養観察用遠隔操作システムが開示されている。
【0003】
また、従来、細胞培養実験等を宇宙空間で行う場合、国際宇宙ステーションにおいて宇宙飛行士が実施してきた。今後、人類が宇宙空間に産業や生活の場を開拓して行くには、さらに多くの生物実験の機会を増やすことが期待されるが、国際宇宙ステーションの空間や宇宙飛行士のエフォートにもキャパシティーの制限がある。そのため、小型の人工衛星を利用する等、他の手段の活用を考える必要があり、人工衛星でも細胞培養実験と顕微撮影が可能で、小型で軽量な自動実験装置(以下、観察用遠隔制御装置と呼ぶ)が求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014―168395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
観察用遠隔制御装置等で用いられる従来の顕微撮影機器は、上述したようにレンズを使用するため集光する空間を設ける必要があり、この空間が顕微撮影機器及びそれを用いた観察用遠隔制御装置の小型化を阻害していた。また、焦点を合わせるためのピント調節機構が別途必要であり、ピント調節機構も小型人工衛星等に搭載する上で小型化の制限となると共にピント調整するための複雑な制御システムが必要であった。
【0006】
一方、宇宙空間で実験を行うには、国際宇宙ステーションの環境に頼らずとも、より頻繁に打ち上げられる小型ロケットや小型の人工衛星に搭載できるように、搭載容量が極力小さくまた重量も極力軽いものが望まれている。
また、人工衛星では宇宙飛行士による実験を行うことは望めず、予め準備された実験手順に沿って又は遠隔制御により、自動的に実験を行うことが必要とされる。
【0007】
また、従来の顕微撮影機器を用いた観察用遠隔制御装置は、培養する生物の種類及び培地の条件、並びに実験目的に応じた温度及び光源等の管理を必要する。そのため、観察用遠隔制御装置の多くは専用の装置としてその都度設計開発しなくてはならず、設計開発には長期の期間と費用が必要であった。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することにある。
また、別の目的として、設計開発が容易な観察用遠隔制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、本発明の観察用遠隔制御装置によれば、遠隔地で培養される細胞を観察する観察用遠隔制御装置であって、前記細胞と該細胞を培養する培地とを収容する培養容器と、該培養容器の上方に配置され前記細胞に光を照射する光源と、前記培養容器の温度を調整する温度調整部と、前記培養容器と管で接続し、前記培養容器に注入される試料を収容する試料容器と、前記試料容器内の前記試料を、前記管を通じて前記培養容器に注入させ、前記培養容器内の前記培地を前記試料容器に収容させる試料交換部と、マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有し、前記培養容器の下方に配置され、前記光電変換素子により前記細胞を下方から撮影する顕微撮影部と、前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を、所定のタイミングで又は外部からの指示を受けて制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記光電変換素子により撮影された画像情報を電気信号として出力する画像出力部と、前記画像情報を記憶する記憶部、又は、前記画像情報を外部に送信する通信部と、を有することにより解決される。
【0010】
マトリクス状に配置された複数の光電変換素子を有する顕微撮影部を備えることで、従来の顕微撮影で用いられたレンズや空間的な集光領域が不要となり、小型で軽量な観察用遠隔制御装置を提供することができる。
また、光電変換素子を用いた顕微撮影は、ピント合わせの機能や複雑な制御を必要としないため、遠隔地での自動実験を高い信頼性で実現することができる。
また、制御部が、所定のタイミングで、又は、外部からの指示を受けて、前記光源、前記温度調整部、前記試料交換部及び前記顕微撮影部を制御することにより、例えば生物実験に必要な試料(交換用の培地又は添加薬物)の注入を、所定のタイミングで実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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