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公開番号2025035929
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023143290
出願日2023-09-04
発明の名称細胞観察方法及びその装置
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人
主分類C12M 1/34 20060101AFI20250307BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】簡便に細胞単層のイオン透過性を反映した画像を与え得るとともに、リアルタイムに画像を与え得る細胞観察方法及びその装置の提供。
【解決手段】液体培地を間に挟んで対向する作用電極及び対電極と、作用電極に与えられた半導体薄膜と、半導体薄膜の試料面に単色光を照射する光源と、反射光若しくは透過光を撮像する撮像素子と、を含む。試料面に沿って細胞単層を配置し作用電極に対する対電極の電圧のオン及びオフを繰り返し、同期させて撮像を行って、オン/オフのそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数による積算イメージを得て、イオン透過性を与える細胞単層のタイトジャンクションの位置に対応した画像を得る。
【選択図】 図3


特許請求の範囲【請求項1】
細胞単層のイオン透過性を反映した画像を与える細胞観察方法であって、
液体培地を間に挟んで対向する作用電極及び対電極と、
前記対電極に対向する前記作用電極の表面に沿って与えられた半導体薄膜と、
前記半導体薄膜の前記作用電極と反対側の試料面に単色の照射光を照射する光源と、
前記試料面で反射される、若しくは、前記試料面を通過する前記照射光を撮像する撮像素子と、を含み、
前記試料面に沿って前記細胞単層を配置させた上で前記作用電極に対する前記対電極の電圧のオン及びオフを繰り返し、前記オン及びオフに同期させて前記撮像素子で前記半導体薄膜の撮像を行って、前記オン/オフのそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数による積算イメージを得て、前記イオン透過性を与える前記細胞単層のタイトジャンクションの位置に対応した前記画像を得ることを特徴とする細胞観察方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記差イメージは、前記オン/オフでの前記試料面の近傍の前記液体培地内に形成される電場変化に基づく前記半導体薄膜の電荷分布変化に対応したイメージ像であることを特徴とする請求項1記載の細胞観察方法。
【請求項3】
前記液体培地に参照電極を与えて前記電圧の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の細胞観察方法。
【請求項4】
前記撮像素子は前記試料面を透過する前記照射光を撮像するように与えられ、前記照射光は前記半導体薄膜及び前記作用電極を透過する波長を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の細胞観察方法。
【請求項5】
前記波長は前記細胞単層を透過可能な波長であることを特徴とする請求項4記載の細胞観察方法。
【請求項6】
細胞単層のイオン透過性を反映した画像を与える細胞観察装置であって、
液体培地を間に挟んで対向する作用電極及び対電極と、
前記対電極に対向する前記作用電極の表面に沿って与えられた半導体薄膜と、
前記半導体薄膜の前記作用電極と反対側の試料面に単色の照射光を照射する光源と、
前記試料面で反射される、若しくは、前記試料面を通過する前記照射光を撮像する撮像素子と、を含み、
前記試料面に沿って前記細胞単層を配置させた上で前記作用電極に対する前記対電極の電圧のオン及びオフを繰り返し、前記オン及びオフに同期させて前記撮像素子で前記半導体薄膜の撮像を行って、前記オン/オフのそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数による積算イメージを得て、前記イオン透過性を与える前記細胞単層のタイトジャンクションの位置に対応した前記画像を得ることを特徴とする細胞観察装置。
【請求項7】
前記差イメージは、前記オン/オフでの前記試料面の近傍の前記液体培地内に形成される電場変化に基づく前記半導体薄膜の電荷分布変化に対応したイメージ像であることを特徴とする請求項6記載の細胞観察装置。
【請求項8】
前記液体培地に与えられた参照電極を含み、前記電圧の制御を行うことを特徴とする請求項6記載の細胞観察装置。
【請求項9】
前記撮像素子は前記試料面を透過する前記照射光を撮像するように与えられ、前記照射光は前記半導体薄膜及び前記作用電極を透過する波長を有することを特徴とする請求項6乃至8のうちの1つに記載の細胞観察装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞のバリア機能を反映した画像を与える細胞観察方法及びその装置に関し、特に、細胞単層のタイトジャンクションの開閉に伴うイオン透過性を反映した画像を与える細胞観察方法及びその装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
生体活動は、細胞のバリア機能によって維持されている。例えば、消化器官の細胞においては、栄養素のみを血液に取込んで有害な物質を除外する機能を担っている。また、皮膚細胞や循環器細胞などの生体細胞もそれぞれバリア機能を有している。近年、各種の製品の研究や開発、特に、創薬の分野において、生体細胞のバリア機能を評価することが求められている。1つの具体例として、薬剤が消化器官の細胞バリアを透過して人体にどの程度吸収されるかは創薬の重要な関心事となっている。
【0003】
ところで、細胞のバリア機能の評価には、経上皮電気抵抗(TEER)測定が標準手法として広く知られている。かかる方法は、細胞全体のバルクとしての電気測定を行うものであり、測定される電気抵抗変化と細胞の微視的変化との関係性までは求めることができない。一方、細胞に標識を与えておいて、この標識を光学的に観察するなどにより、細胞の構造を空間マッピングすることが提案されている。また、走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)測定によれば、細胞に標識を与えずとも、電極を走査して細胞のバリア機能を反映した画像を取得でき得る。
【0004】
例えば、特許文献1では、SICMを用いた細胞表面の構造及び形状を画像として取得する方法を開示している。試料に対して垂直に配置されたパッチクランプナノピペットを走査型プローブとして用い、その先端を細胞表面に接近させてピペットを通るイオン電流を一定に保つよう、先端と試料との離隔距離を一定に維持しながら細胞表面を走査し細胞の表面画像を生成する。また、SICMのピペットプローブを用いて、パッチクランプによる電気生理学的手法を同時に施しながら細胞を機械的に刺激しながら膜電流を測定し、細胞内のCa
2+
イメージングを行うこともできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2009-545736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、SICM測定によれば、細胞のバリア機能を反映した画像、例えば、細胞単層のタイトジャンクションの開閉に伴うイオン透過性を反映した画像を取得でき得る。しかしながら、電極としてのピペットを走査する必要があるため、装置が複雑であり、しかも、1枚の画像イメージを取得するのに数十分もの時間が必要となり、時間変化する生体細胞の様子をリアルタイムに捉えるようなことは難しい。
【0007】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、細胞に標識を与える操作を必要とせず、簡便に細胞単層のイオン透過性を反映した画像を与え得るとともに、リアルタイムに画像を与え得る細胞観察方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の方法は、細胞単層のイオン透過性を反映した画像を与える細胞観察方法であって、液体培地を間に挟んで対向する作用電極及び対電極と、前記対電極に対向する前記作用電極の表面に沿って与えられた半導体薄膜と、前記半導体薄膜の前記作用電極と反対側の試料面に単色の照射光を照射する光源と、前記試料面で反射される、若しくは、前記試料面を通過する前記照射光を撮像する撮像素子と、を含み、前記試料面に沿って前記細胞単層を配置させた上で前記作用電極に対する前記対電極の電圧のオン及びオフを繰り返し、前記オン及びオフに同期させて前記撮像素子で前記半導体薄膜の撮像を行って、前記オン/オフのそれぞれで撮像された1組の画像の差イメージの複数による積算イメージを得て、前記イオン透過性を与える前記細胞単層のタイトジャンクションの位置に対応した前記画像を得ることを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、細胞単層のイオン透過性を反映した画像を簡便に与え得るのである。
【0010】
上記した発明において、前記差イメージは、前記オン/オフでの前記試料面の近傍の前記液体培地内に形成される電場変化に基づく前記半導体薄膜の電荷分布変化に対応したイメージ像であることを特徴としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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