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公開番号
2025036316
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024146883
出願日
2024-08-28
発明の名称
髄核細胞の培養方法
出願人
日本臓器製薬株式会社
,
学校法人東海大学
代理人
主分類
C12N
5/077 20100101AFI20250306BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】椎間板変性症等の再生医療用製剤として有用な髄核細胞の培養方法を提供することを課題とする。
【解決手段】髄核細胞を培養する時、ラミニンでコーティングした培養容器を用いることによって、椎間板変性症等の再生医療用製剤として有用な細胞表面マーカーTie2の発現を維持した髄核細胞の大量培養が可能であり、II型コラーゲン発現が高くコロニー形成能に優れた機能性の高い髄核細胞を得ることができる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
培養容器の培養表面のコーティング剤としてラミニンを使用する髄核細胞の培養方法。
続きを表示(約 240 文字)
【請求項2】
髄核細胞がヒトから採取したものである請求項1に記載の培養方法。
【請求項3】
培養容器の培養表面がラミニンでコーティングされた髄核細胞培養用の培養容器。
【請求項4】
髄核細胞がヒトから採取したものである請求項3に記載の培養容器。
【請求項5】
髄核細胞培養用容器の培養表面用コーティング剤としてのラミニンの使用。
【請求項6】
髄核細胞がヒトから採取したものである請求項5に記載の使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生医療に用いるための髄核細胞の培養方法に関する。より詳しくは、椎間板変性症等の治療に有効な再生医療用製剤(椎間板細胞製剤)の効率的な製造のために、髄核細胞の細胞表面マーカーTie2(tyrosine kinase with Ig and EGF homology domain-2)の発現を維持した大量培養が可能であり、最終的にII型コラーゲンの発現が高くコロニー形成能に優れた機能性の高い髄核細胞が得られる培養方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
我が国において、腰痛は多くの人が抱える疾患であり、特に現代においては社会的問題にもなっている。原因不明な腰痛が多いが、2割程度は原因が特定でき、代表的には椎間板変性が原因である。例えば、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、すべり症、骨粗鬆症等が原因疾患として挙げられる。これらは椎間板組織の不可逆的変化による変性であり、再生医療等によって椎間板自体の機能回復が必要となる。
【0003】
椎間板はドーナツ型をした軟骨性の組織であり、中心部の髄核(Nucleus Pulposus; NP)と周りを何周にも取り巻く線維性軟骨である線維輪(Annulus Fibrosus; AF)、そして隣接椎骨とを上下で連結する終板軟骨(Cartilaginous Endplate; EP)とで形成されている。ゼラチン状の髄核は無血管組織であり、髄核に含まれている脊索由来の髄核細胞から分泌される大型のプロテオグリカンとコラーゲンで構成される細胞外基質(Extracellular Matrix; ECM)を多く含有する。
【0004】
現在、椎間板変性症の治療は多彩な保存療法で行われているが、根治的な治療法がないのが実情である。手術療法を行った場合は、症状のある部位を医療用ねじで固定してしまうため、時間が経つと固定した隣の部位に同じような変性疾患が生じてしまう可能性がある。従って、このような治療法とは大きく異なる椎間板再生療法、即ち椎間板を変性前の状態に戻す治療法が望まれている。
【0005】
椎間板再生療法のために、再生能力の高い細胞を選択して取り出すことが望ましいが、髄核細胞を取り出すための椎間板の組織からは、ほんのわずかしか髄核細胞が採取できないという問題点がある。従って、再生能力の高い髄核細胞を培養して増やす方法が求められている。実際には、培養にかかるコストを可能な限り削減し、低コストで産業化が実施できることが望ましい。
【0006】
現在、ECM等を多く含有する椎間板細胞製剤の研究開発が進められている。そのような細胞製剤の製造のためには、ある程度まとまった量の髄核細胞が必要となる。例えば、椎間板ヘルニアの患者の手術により切除される椎間板髄核組織を、そのような細胞製剤に用いる髄核細胞の供給源として利用することができるが、採取できる髄核組織量、すなわちそこに含まれる髄核細胞数は限られている。また、量を集めるために複数の椎間板ヘルニア患者(ドナー)に由来する髄核細胞を混合して用いることは、ウイルス感染症のリスク等を考慮して避けることが望ましい。従って、単一のドナー由来の少量の椎間板組織(髄核、線維輪等)に含まれている、成熟した髄核細胞への分化誘導が可能な稀少な幹細胞又は前駆細胞を培養することにより、治療のために十分な数の髄核細胞を含む細胞集団を調製する技術を確立することが重要となる。
【0007】
特許文献1には、細胞表面マーカーTie2の発現が陽性である幹細胞及び/又は前駆細胞(例えば、髄核幹/前駆細胞)を含む細胞集団から、用途に応じた所定の形質を有する細胞(例えば、II型コラーゲン陽性髄核細胞)を豊富に含む細胞集団を、効率的に調製するための手段を提供する発明が開示されている。具体的には、(1)消化処理されていない組織中に存在する状態で、(2)少なくとも1種の増殖因子以外のTie2発現増強剤が添加された培地中で、(3)細胞の付着性を高める処理がなされた培養表面を有する培養容器で、及び/又は(4)細胞外マトリックス分解剤が添加された培地中で球状コロニーの形成を抑制しながら、Tie2陽性幹/前駆細胞を含む細胞集団を培養する、培養方法が開示されている。
【0008】
特許文献1記載の培養方法(上記の(3))では、細胞の付着性を高める表面処理がなされた培養容器を用いており、細胞付着処理用のコーティング剤として、細胞外マトリックス(ECM)又はその他の生体関連物質を含有するコーティング剤を培養表面に塗布する処理が開示されている。当該ECMとしては、コラーゲン(I型、II型、IV型等)、その熱処理物であるゼラチン、コンドロイチン硫酸A、フィブロネクチン、ラミニン、トロンボスポンジン、ビトロネクチン、プロテオグリカン(アグリカン、ヘパリン硫酸プロテオグリカン等)が挙げられ、また、ECM以外の生体関連分子としては、ポリリジン(ポリ-L-リジン又はポリ-D-リジン)等のポリアミノ酸が挙げられている。さらに、その他の細胞付着処理用のコーティング剤としては、ポリグリコール酸、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスファゼン、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリ-メチルメタクリラート、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリビニルピロリドンポリオルニチン等が挙げられている。
【0009】
具体的には、特許文献1の実施例において、ポリ-L-リジン(PLL)、ゼラチン、コラーゲン(I型、IV型)、フィブロネクチンが細胞付着処理用のコーティング剤として使われた培養工程(分化培養段階)の試験例が開示されている。そして、当該試験例ではPLLが最も繁用されており、ECMの一種であるラミニンは全く使用されていない。この様に特許文献1においては、上記の通り、ラミニンはECMの一種であることから、コーティング剤として多数例示されるうちの一例で挙げられているが、実施例でその効果を実証しているわけではないため、本願の培養方法におけるコーティング剤としてのラミニンの有用性については記載も示唆もされていないといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
国際公開WO2020/196615
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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