TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025024779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023129033
出願日2023-08-08
発明の名称細胞周期同調が可能な油脂生産酵母変異株
出願人学校法人帝京大学
代理人個人
主分類C12N 1/16 20060101AFI20250214BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】温度変化により、油脂生産効率の高い特定の細胞周期に同調停止させることができる油脂生産酵母変異株を提供する。
【解決手段】前記変異株は、23~26℃での予備培養後、32~35℃での本培養によりG1期に同調停止するリポミセス スターキー(Lipomyces starkeyi)菌株、あるいは、20~23℃での予備培養後、30~32℃での本培養によりG2/M期に同調停止するリポミセス スターキー菌株である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
23~26℃での予備培養後、32~35℃での本培養によりG1期に同調停止するリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
受託番号がNITE BP-03941である、請求項1に記載のリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
【請求項3】
20~23℃での予備培養後、30~32℃での本培養によりG2/M期に同調停止するリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
【請求項4】
受託番号がNITE BP-03942又はNITE BP-03943である、請求項3に記載のリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の菌株を用いることを特徴とする、油脂蓄積誘導方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の菌株を20~26℃で予備培養した後、続いて、30~35℃で培養する工程
を含む、油脂蓄積誘導方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞周期同調が可能な油脂生産酵母変異株に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
油脂生産酵母であるリポミセス(Lipomyces)属は、単細胞当たり70%もの油脂を蓄積し、その油脂成分がパーム油に近いことから、バイオ燃料だけでなく、食品や化粧品の代替油脂として利用が見込まれており、急速に研究が進められている。
本発明者は、リポミセスの油脂生産の分子メカニズムの解明を進めたところ、細胞周期G1期で同調することで油脂蓄積量が1.4倍に増加することを見出した(非特許文献1)。
しかしながら、油脂生産効率の高い油脂生産微生物および油脂生産方法への要求は、変わることなく続いている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Morimoto Y. et al., Journal of Cell Science (2022) 135 (16), jcs259996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、温度変化により、油脂生産効率の高い特定の細胞周期に同調停止させることができる油脂生産酵母変異株を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、以下の本発明により、解決することができる。
[1]23~26℃での予備培養後、32~35℃での本培養によりG1期に同調停止するリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
[2]受託番号がNITE BP-03941である、[1]のリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
[3]20~23℃での予備培養後、30~32℃での本培養によりG2/M期に同調停止するリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
[4]受託番号がNITE BP-03942又はNITE BP-03943である、[3]のリポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)菌株。
[5][1]~[4]のいずれかの菌株を用いることを特徴とする、油脂蓄積誘導方法。
[6][1]~[4]のいずれかの菌株を20~26℃で予備培養した後、続いて、30~35℃で培養する工程を含む、油脂蓄積誘導方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高価な薬剤処理や特殊な機器を必要とすることなく、温度変化だけで、油脂生産効率の高い特定の細胞周期に同調停止させることができ、この変異株を利用することにより、油脂蓄積の増量を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
後述の参考例で実施した薬剤処理によるリポミセス スターキーの細胞周期同調において、細胞内トリアシルグリセロール定量の結果を示すグラフである。
後述の実施例2で実施したLs100株、Ls76株、Ls63株、Ls93株のFACS解析による細胞内DNA含量を測定した結果を示すヒストグラムである。
後述の実施例3で実施したLs100株、Ls76株、Ls63株、Ls93株の細胞内トリアシルグリセロール定量の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本発明の油脂蓄積酵母変異株)
本発明の油脂蓄積酵母変異株は、リポミセス スターキー(
Lipomyces
starkeyi
)の変異株であり、通常温度での予備培養後、培養中の温度を通常より高く上げると、特定の細胞周期で同調停止させることができる。
本発明の第一の油脂蓄積酵母変異株は、予備培養を23~26℃で行った後、32~35℃に温度を上げ、本培養を行うことにより、G1期に同調停止させることができる。
本発明の第二の油脂蓄積酵母変異株は、予備培養を20~23℃で行った後、30~35℃に温度を上げ、本培養を行うことにより、G2/M期に同調停止させることができる。
【0009】
本発明の第一の油脂蓄積酵母変異株としては、リポミセス スターキーLs76株(受託番号NITE BP-03941)株を挙げることができる。本発明の第二の油脂蓄積酵母変異株としては、Ls63株(受託番号NITE BP-03942)、及びLs93株(受託番号NITE BP-03943)を挙げることができる。これらの変異株は、従来公知のリポミセス属よりも高い油脂蓄積量を示し、効率的な油脂生産菌として使用することができる。前記Ls76株、Ls63株、及びLs93株の菌学的性状は、出芽酵母であり、23℃では良く増殖するが、30℃を越えると増殖停止を引き起こす。
【0010】
(本発明の油脂蓄積誘導方法)
本発明の油脂蓄積誘導方法は、本発明の油脂生産酵母変異株を使用すること、前記変異株を所望の細胞周期(特にはG1期またはG2/M期)で同調停止できる条件で培養を行うこと以外は、従来公知の油脂蓄積誘導方法に従って実施することができる。
例えば、本発明の油脂蓄積誘導方法では、予め予備培養を行っておき、その培養物を適当な油脂蓄積誘導培地に植菌することにより本培養を実施することができる。培養温度は、20~35℃で実施することができ、1~7日間程度振とう培養する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

学校法人帝京大学
油脂を過剰蓄積する油脂生産酵母変異株
1日前
学校法人帝京大学
細胞周期同調が可能な油脂生産酵母変異株
1日前
学校法人帝京大学
衣類
1か月前
学校法人帝京大学
アゾール系抗真菌薬剤耐性Trichophyton indotineaeの分子生物学的検出法
3か月前
株式会社ゴーフォトン
PCR方法
5日前
個人
セルロース性物質の製造方法
1か月前
松谷化学工業株式会社
澱粉分解物の製造方法
2か月前
SMC株式会社
気体供給装置
15日前
東ソー株式会社
ポリマーコートビーズの製造方法
2か月前
株式会社GSP研究所
miRNA検出方法
1か月前
鹿島建設株式会社
褐藻の冷凍保存方法
1日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
1日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
1か月前
株式会社テクノーブル
乳酸菌及び皮膚外用剤
1日前
アサヒビール株式会社
容器詰麦芽発酵飲料
1か月前
株式会社SUPER BLOOM
スピリッツ
1日前
株式会社エムスタイル
微生物群の賦活化方法
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
9日前
新東工業株式会社
培養システム
9日前
学校法人君が淵学園
核酸の部位特異的アシル修飾剤
1か月前
ヤマサ醤油株式会社
アルギニン非分解性乳酸菌株の取得方法
22日前
サッポロビール株式会社
茶風味アルコール飲料
17日前
株式会社渡辺オイスター研究所
脂肪細胞の成長抑制剤
2か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
29日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
29日前
学校法人近畿大学
好気性微生物の培養方法および培養器
29日前
サムコ株式会社
ポアデバイス
1か月前
学校法人帝京大学
油脂を過剰蓄積する油脂生産酵母変異株
1日前
株式会社豊田中央研究所
環境核酸モニタリング方法
29日前
国立大学法人富山大学
T細胞受容体およびその利用
1か月前
雪印メグミルク株式会社
D-セリン濃度低減用組成物
2か月前
三浦工業株式会社
試料液に含まれる微生物の生体の抽出方法
1か月前
公立大学法人宮城大学
D-セリンの製造方法
2か月前
学校法人帝京大学
細胞周期同調が可能な油脂生産酵母変異株
1日前
グリーンケミカルズ株式会社
フェノール組成物およびポリマー
2か月前
続きを見る