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公開番号2025081152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2023194729
出願日2023-11-15
発明の名称細胞の培養方法および組成物
出願人ネクスジェン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 5/0789 20100101AFI20250520BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖培養する際に、最終的に培養された細胞集団中に含まれる造血幹細胞または造血幹前駆細胞の割合を高く維持しながら、造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖するための培養方法、およびこれら方法に用いるための培養組成物を提供する。
【解決手段】Lin(-)CD34(+)の造血幹前駆細胞、またはCD34(+)CD48(-)、CD48(-)c-Kit(+)、もしくはCD34(+)CD48(-)c-Kit(+)の造血幹細胞の培養における使用のためのサイトカインを含む細胞培養組成物であって、(1)ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、並びにIL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される1以上のサイトカイン;または(2)IL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される、2以上のサイトカインを含む前記細胞培養組成物とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Lin(-)CD34(+)の造血幹前駆細胞、またはCD34(+)CD48(-)、CD48(-)c-Kit(+)、もしくはCD34(+)CD48(-)c-Kit(+)の造血幹細胞の培養における使用のためのサイトカインを含む細胞培養組成物であって、
(1)ヒストン脱アセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤)、並びにIL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される1以上のサイトカイン;または
(2)IL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される、2以上のサイトカイン
を含む前記細胞培養組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
HDAC阻害剤およびIL-6、並びに、IL-3またはFlt3Lを含む、請求項1に記載の細胞培養組成物。
【請求項3】
HDAC阻害剤およびIL-6、並びにIL-3およびFlt3Lを含む、請求項1に記載の細胞培養組成物。
【請求項4】
HDAC阻害剤が、トリコスタチンA(TSA)、バルプロ酸、ブチリルヒドロキサム酸、酪酸ナトリウム、Vorinostat、NCC-149、NCH-47、NCH-51、MS-275、FK228、Apicidin、MGCD-0103、DLS3、SAHA、及びHDAC6阻害剤l61からなる群から選択されるHDAC阻害剤である、請求項1に記載の細胞培養組成物。
【請求項5】
Lin(-)CD34(+)の造血幹前駆細胞またはCD34(+)CD48(-)、CD48(-)c-Kit(+)、もしくはCD34(+)CD48(-)c-Kit(+)の造血幹細胞を含む細胞集団を準備する工程;および
サイトカインを含む細胞培養組成物を用いて、前記細胞集団を培養する工程であって、前記細胞培養組成物が、
(1)HDAC阻害剤、並びにIL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される1以上のサイトカイン;または
(2)IL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される、2以上のサイトカイン
を含む工程を含む、造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養方法。
【請求項6】
前記細胞培養組成物が、HDAC阻害剤およびIL-6、並びに、IL-3またはFlt3L含む請求項5に記載の培養方法。
【請求項7】
前記細胞培養組成物が、HDAC阻害剤およびIL-6、並びにIL-3およびFlt3Lを含む請求項5に記載の培養方法。
【請求項8】
HDAC阻害剤が、トリコスタチンA(TSA)、バルプロ酸、ブチリルヒドロキサム酸、酪酸ナトリウム、Vorinostat、NCC-149、NCH-47、NCH-51、MS-275、FK228、Apicidin、MGCD-0103、DLS3、SAHA、及びHDAC6阻害剤l61からなる群から選択されるHDAC阻害剤である、請求項5に記載の培養方法。
【請求項9】
請求項5に記載の培養法を用いて、造血幹前駆細胞または造血幹細胞を含む細胞集団を製造する方法。
【請求項10】
請求項5に記載の培養法における、
(1)HDAC阻害剤並びにIL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される1以上のサイトカイン;または
(2)IL-6、IL-3およびFlt3Lからなる群から選択される、2以上のサイトカイン
を含む細胞培養組成物の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養における使用のための、HDAC阻害剤および/またはサイトカインを含む細胞培養組成物、当該細胞培養組成物を用いた造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養方法、当該細胞培養組成物を用いた造血幹前駆細胞または造血幹細胞を含む細胞集団を製造する方法、並びに、造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養における、HDAC阻害剤および/またはサイトカインを含む細胞培養組成物の使用に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
長期間、例えば生物個体の生涯に亘って自己複製能と多分化能を維持する幹細胞は、その自己複製能を利用して大量培養を行うことが可能であり、また、その多分化能を利用して、様々な細胞に分化させることができる。このような特性を有する幹細胞は再生医療を実用化する際の切り札となり得る細胞であると考えられている。また、多能性幹細胞に由来する系列コミット細胞である前駆細胞は、多能性幹細胞より分化しているものの、1以上の細胞タイプに分化する能力を依然として有している。このような前駆細胞も、再生医療の実用化において極めて有用である。
【0003】
造血幹細胞(Hematopoietic stem cell:HSC)は、主に骨髄内に存在し、自己複製能及び多分化能をもつ血液細胞と定義され、造血幹細胞移植などに利用されている。造血幹前駆細胞(Hematopoietic Stem and Progenitor Cell)または造血前駆細胞(Hematopoietic Progenitor Cell)は、3つの造血系列(リンパ球系列、骨髄系列、または赤血球?巨核球系列)の1つ以上に分化する能力を保持しており、再生医療において利用されている。これら造血幹細胞および造血幹前駆細胞を培養によって増殖培養する際には、培養過程において一部の細胞において系列コミットおよび分化成熟化が進み、十分な量の造血幹細胞および造血幹前駆細胞を得ることが難しい。
【0004】
したがって、造血幹細胞または造血幹前駆細胞の増殖培養をする方法が各種試みられてきた(特許文献1~10、非特許文献2)。しかしながら、依然として、最終的に培養された細胞集団中に含まれる造血幹細胞または造血幹前駆細胞の割合を高く維持しながら、造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖するための新たな培養方法、および当該培養に用いるための新たな培養組成物を提供することが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6980534号
特開2023-029655号
特表2021-536458号
特許第6533912号
特表2022-504722号
特許第6348881号
特許第4738738号
特表2021-535747号
CA2858069
US2015/0164952
【非特許文献】
【0006】
日本輸血細胞治療学会誌、2006年、Vol.52、No.5、pp.583-588
Lan Wang et al.,Stem Cell Res Ther.,8,169(2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖培養する際に、最終的に培養された細胞集団中に含まれる造血幹細胞または造血幹前駆細胞の割合を高く維持しながら、造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖するための培養方法、およびこれら方法に用いるための培養組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の発明者らは、上記課題について鋭意研究を進めた結果、予想外にも、ある種のサイトカインの組み合わせ、またはサイトカインとヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC阻害剤)の組み合わせを含む細胞培養組成物を用いることで、造血幹細胞または造血幹前駆細胞を増殖培養する際に、最終的に培養された細胞集団中に含まれる造血幹細胞または造血幹前駆細胞の割合を高く維持しながら、造血幹細胞または造血幹前駆細胞の増殖を促進することが可能であることを見出した。
【0009】
一態様において、本開示は造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養における使用のための、HDAC阻害剤および/またはサイトカインを含む細胞培養組成物を提供する。
【0010】
一態様において、造血幹前駆細胞または造血幹細胞を含む細胞集団を準備する工程;および
HDAC阻害剤および/またはサイトカインを含む細胞培養組成物を用いて、前記細胞集団を培養する工程、
を含む、造血幹前駆細胞または造血幹細胞の培養方法を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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