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公開番号
2024157296
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-07
出願番号
2023071578
出願日
2023-04-25
発明の名称
菌体観察装置
出願人
株式会社写真化学
代理人
弁理士法人R&C
主分類
C12M
1/34 20060101AFI20241030BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】暗視野と明視野とを簡単且つ正確に切換えることができる菌体観察装置を提供する。
【解決手段】菌体5及び培地4が収容された容器3を載置する載置領域8を有する調光板6と、調光板6を介して容器3に光を照射する光照射機構10と、光照射機構10から射出され、調光板6又は菌体5で拡散された光を撮像する撮像機構20とを備えた菌体観察装置100であって、平面視で、載置領域8と撮像機構20とが重なる位置に配置され、調光板6は電圧の印加状態に応じて透明状態と拡散状態とに切換可能であり、光照射機構10は、透明状態の調光板6の載置領域8が撮像機構20に対して暗視野となる方向に光を射出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
菌体及び培地が収容された容器を載置する載置領域を有する調光板と、
前記調光板を介して前記容器に光を照射する光照射機構と、
前記光照射機構から射出され、前記調光板又は前記菌体で拡散された光を撮像する撮像機構とを備えた菌体観察装置であって、
平面視で、前記載置領域と前記撮像機構とが重なる位置に配置され、
前記調光板は、電圧の印加状態に応じて透明状態と拡散状態とに切換可能であり、
前記光照射機構は、前記透明状態の前記調光板の前記載置領域が前記撮像機構に対して暗視野となる方向に光を射出する菌体観察装置。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
平面視で、前記載置領域と重なる位置に配置された開口部を有するシェードを更に備え、
前記光照射機構は、
平面視で、前記開口部と重ならないように、前記開口部よりも外側の位置に配置された光源を備えている請求項1に記載の菌体観察装置。
【請求項3】
前記光照射機構は、
平面視で、前記調光板と重なる位置に配置された光源と、
前記光源と前記調光板との間に配置されたシェードと、
平面視で、前記光源及び前記シェードの外側に配置され、前記光源からの光を前記調光板に向けて反射するミラーと、を備えている請求項1に記載の菌体観察装置。
【請求項4】
前記調光板のヘイズ値は、前記透明状態では70%以下であり、前記拡散状態では80%以上である請求項1に記載の菌体観察装置。
【請求項5】
前記調光板は、
1枚又は複数枚のガラス基板又は透明樹脂基板と、
1枚又は複数枚の調光フィルムと、
を備え、
前記1枚又は複数枚の調光フィルムの各々は、前記1枚又は複数枚のガラス基板又は透明樹脂基板の何れかの表面に配置されている請求項1に記載の菌体観察装置。
【請求項6】
側面視で前記載置領域に対して前記光照射機構とは反対側の前記容器が配置された側には、平面視で前記撮像機構の外側の位置に、前記調光板を介さずに前記容器に光を照射可能な第2光照射機構を備える請求項1に記載の菌体観察装置。
【請求項7】
透明蛍光体を含み、菌体及び培地が収容された容器を載置する載置領域を有する蛍光体板と、
選択的に、前記蛍光体板を介した前記容器への可視光照射と前記蛍光体板への励起光照射とを切換えることが可能な光照射機構と、
前記光照射機構から射出され、前記菌体で拡散された可視光及び前記蛍光体板からの蛍光光を撮像する撮像機構とを備えた菌体観察装置であって、
平面視で、前記載置領域と前記撮像機構とが重なる位置に配置され、
前記蛍光体板は、前記励起光を受光することにより前記蛍光光を射出し、
前記光照射機構は、前記蛍光体板の前記載置領域が前記撮像機構に対して暗視野となる方向に前記可視光を射出する、菌体観察装置。
【請求項8】
前記容器が置き直されることなく前記載置領域に載置された状態で、前記調光板又は前記光照射機構を制御して、前記調光板の状態又は前記光照射機構の射出光を切換え、前記撮像機構を制御して、前記調光板が前記透明状態である場合又は前記光照射機構から前記可視光が射出された場合の暗視野での撮像画像、及び前記調光板が前記拡散状態である場合又は前記光照射機構から前記励起光が照射された場合の明視野での撮像画像を取得し、
前記暗視野での撮像画像及び前記明視野での撮像画像を含む複数の撮像画像に基づいて前記菌体を計測する制御部を更に備える請求項1~7の何れか一項に記載の菌体観察装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、菌体及び培地が収容された容器を載置可能であり、容器に光を照射して撮像する菌体観察装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
菌体観察装置として、例えば、特許文献1(特開2006-345750号公報)には、シャーレの中の培地で培養した細菌や微生物等のコロニー数を計数する装置が開示されている。この装置は、特許文献1の図2に示すように、架台と、架台の上部に設けられる支え板と、支え板に固定された拡散板と、支え板及び拡散板の下方に配置され、平行板を介して拡散板の上部に配置されたシャーレに光を照射する照明装置と、支え板の上方に配置され、シャーレの底面からの光を撮影可能なCCDカメラとを備えている。さらに、この装置では、CCDカメラからの撮影画像データをデータ処理して、培地中のコロニー数を計数するデータ処理装置を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-345750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、菌体や培地の種類によって、菌体や培地に照射する光の状態や撮像機構が受光する光の状態を変更することで、菌体のコロニーをより観察しやすい撮像画像を得ることができる菌体観察装置が考えられる。
このような構成の菌体観察装置は、菌体の培地が収容された容器を載置可能な載置部と、載置部の開口部を介して容器に光を照射する光照射機構と、載置部に載置された容器を透過した光を撮像する撮像機構とを備え、平面視で、容器と開口部と撮像機構とが重なる位置に配置され、光照射機構は、開口部を介して容器に照射する光を、容器が載置された載置面に直交する方向に対して傾斜した方向から照射するように構成されている。より詳細には、光照射機構から射出され容器又は容器の載置領域を透過した非拡散光が撮像機構に直接入射しない様に構成されている。
【0005】
このような菌体観察装置では、載置部の開口部に何も配置されていない場合、或いは、透過率が比較的高く且つ白濁度が比較的低いガラスや樹脂等が配置されている場合には、傾斜した方向に沿って進んで開口部に入射した光の大半は、入射時の角度から大きく変化することなく容器を透過するため、容器の上方に位置する撮像機構に入射しないことになる。ただし、容器を透過する際に培地中の菌体のコロニーに当たった光は、特にコロニーの側面で拡散(本開示においては散乱及び反射を含む。)し、容器の上方に位置する撮像機構の方向に拡散した光が当該撮像機構に入射することになる。そのため、撮像機構で撮像される画像は、全体が黒っぽくなり、菌体のコロニーの輪郭が白く映る暗視野の画像となる。
この暗視野の画像は、半透明な培地に透明や白い菌体のコロニーが見えるような場合に用いることができる。
【0006】
一方で、載置部の開口部に、白濁度が比較的高いガラス等が配置されている場合には、傾斜した方向に沿って進んで開口部に入射した光は拡散した後に容器を透過する。この光のうち、容器の上方に位置する撮像機構の方向に拡散した光が当該撮像機構に入射する。ただし、菌体のコロニーの光吸収率は他の部分の光吸収率に比べて大きいので、コロニーを通過して撮像機構に入射する光は減少する。そのため、撮像機構で撮像される画像は、全体が明るくなり、菌体のコロニーが相対的に暗く映る明視野の画像となる。
この明視野の画像は、半透明な培地に黒っぽい菌体のコロニーが見えるような場合に用いることができる。
【0007】
このように、菌体観察装置において、暗視野と明視野とを切換える場合には、載置部の開口部の状態を変化させる必要がある。例えば、載置部の開口部に設けたガラス等を、暗視野用のガラス等や明視野用のガラス等に切換える作業が必要となる。
しかしながら、このような作業は手間が掛かるものであり、また、切換の作業中にガラス等を破損してしまう虞がある。さらに、注意深く作業を行わなければ、所望する視野とは異なるガラス等に誤って切換えてしまう虞もある。
【0008】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、暗視野と明視野とを簡単且つ正確に切換えることができる菌体観察装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一実施形態に係る菌体観察装置の構成は、菌体及び培地が収容された容器を載置する載置領域を有する調光板と、前記調光板を介して前記容器に光を照射する光照射機構と、前記光照射機構から射出され、前記調光板又は前記菌体で拡散された光を撮像する撮像機構とを備えた菌体観察装置であって、平面視で、前記載置領域と前記撮像機構とが重なる位置に配置され、前記調光板は、電圧の印加状態に応じて透明状態と拡散状態とに切換可能であり、前記光照射機構は、前記透明状態の前記調光板の前記載置領域が前記撮像機構に対して暗視野となる方向に光を射出する。
【0010】
上記構成によれば、菌体及び培地が収容された容器を載置する載置領域を有する調光板に載置された容器に、光照射機構から照射される光を、調光板の載置領域を介して、容器が載置された載置領域の載置面に直交する方向に対して傾斜した方向から照射することができる。換言すると、光照射機構は、当該光照射機構から調光板の載置領域に載置された容器及び載置領域に射出する光を、透明状態の調光板の載置領域が撮像機構に対して暗視野となる方向に射出することができる。そして、調光板は、電圧の印加状態に応じて透明状態と拡散状態とに切換可能であるので、電圧の印加状態を変更するだけで透明状態と拡散状態とを簡単且つ正確に切換えることができる。つまり、調光板を透明状態に切換えることで暗視野の画像が撮像でき、また、拡散状態に切換えることで明視野の画像を撮像することができる。
よって、電圧の印加状態を変更するだけで、暗視野と明視野とを簡単且つ正確に切換えることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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