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公開番号2024139347
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023050241
出願日2023-03-27
発明の名称生細胞選別方法
出願人JFEエンジニアリング株式会社
代理人個人,個人
主分類C12N 1/02 20060101AFI20241002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】培地に異物を入れることなく、大量の細胞培養液から連続的に生細胞を高速で選別する方法を提供すること。
【解決手段】細胞培養槽10中の生細胞と、死細胞と、培地と、を含む細胞培養液から、生細胞を選別する生細胞選別方法であって、
前記細胞培養槽10中の細胞培養液の一部を用いて、生細胞及び死細胞の培地中におけるそれぞれの沈降速度を決定し、この結果に基づいて生細胞と死細胞とを上向流式沈降分離槽20で分離するための沈降分離条件を決定する工程Aと、
前記細胞培養槽10中の前記細胞培養液を前記上向流式沈降分離槽20に供給して、前記工程Aで決定された、前記沈降分離条件に基づいて前記上向流式沈降分離槽20を稼働して、前記生細胞含む流出物を前記上向流式沈降分離槽20の底部から回収する工程Bと、を含む生細胞選別方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
細胞培養槽中の生細胞と、死細胞と、培地と、を含む細胞培養液から、生細胞を選別する生細胞選別方法であって、
前記細胞培養槽中の細胞培養液の一部を用いて、生細胞及び死細胞の培地中におけるそれぞれの沈降速度を決定し、この結果に基づいて生細胞と死細胞とを上向流式沈降分離槽で分離するための沈降分離条件を決定する工程Aと、
前記細胞培養槽中の前記細胞培養液を前記上向流式沈降分離槽に供給して、前記工程Aで決定された、前記沈降分離条件に基づいて前記上向流式沈降分離槽を稼働して、前記生細胞を前記上向流式沈降分離槽の底部から回収する工程Bと、
を含み、
前記工程Aが下記の工程A1~工程A6を含み、前記工程Bが下記の工程B1~工程B3を含むことを特徴とする生細胞選別方法。
[工程A]
工程A1:細胞培養槽中の細胞培養液の一部を、培地を収容した容器の上部に供給する工程
工程A2:前記細胞培養液中の生細胞及び死細胞を前記培地中において沈降させる工程
工程A3:前記容器の下部から、前記細胞培養液を、前記容器内の液面が一定の高さずつ低下するように複数回採取して、複数のサンプルを得る工程
工程A4:前記工程A3で採取された前記複数のサンプルの各サンプル中の生細胞及び死細胞のそれぞれの数を計数する工程
工程A5:前記工程A4における計数結果から、生細胞及び死細胞のそれぞれの沈降速度を決定する工程
工程A6:前記工程A5で得られた生細胞及び死細胞のそれぞれの沈降速度に基づいて、細胞培養液から生細胞を上向流式沈降分離槽によって沈降分離するための上向流速度を決定する工程
[工程B]
工程B1:前記細胞培養槽中の細胞培養液を、上向流式沈降分離槽に供給する工程
工程B2:前記工程A6で得られた前記上向流速度を保つような条件で、前記上向流式沈降分離槽を稼働する工程
工程B3:前記上向流式沈降分離槽の底部から生細胞を流出物Aとして回収し、前記上向流式沈降分離槽の上部から流出物Bとして排出する工程
続きを表示(約 610 文字)【請求項2】
前記工程A4が、前記生細胞の数、及び、前記死細胞の数を計数するために、トリパンブルー染色法又は蛍光染色法で生死細胞を検出する工程を含む、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項3】
前記工程A1における前記容器は、筒状で、上部にコック又はスライドバルブを有し、下部にコックを有する、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項4】
前記工程Aを実施する際の温度及び二酸化炭素分圧の条件が、細胞培養を行う際の温度及び二酸化炭素分圧の条件と同等である環境下で実施する、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項5】
更に、次の工程B4を含む、請求項1に記載の生細胞選別方法。
工程B4:前記流出物Aを前記細胞培養槽に返送する工程
【請求項6】
更に、次の工程B5を含む、請求項1に記載の生細胞選別方法。
工程B5:前記流出物Bを膜ろ過装置で膜ろ過して、培地を含むろ過液を前記細胞培養槽に返送する工程。
【請求項7】
前記細胞培養槽中の前記細胞培養液を前記上向流式沈降分離槽に供給する手段がダイヤフラムポンプである、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項8】
前記ダイヤフラムポンプは2基が並列に配置され、前記2基のダイヤフラムポンプの夫々を交互に脈動させる、請求項7に記載の生細胞選別方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は細胞培養液から生細胞を分離する生細胞選別方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
抗体医薬品の製造やアッセイ等のバイオ実験で動物細胞(CHO細胞等)が使用されている。
動物細胞には、培地中を浮遊しながら増殖する浮遊細胞と、培養ディッシュ(シャーレ)等の接着材に接着して増殖する接着細胞と、に分類される。また、接着細胞においても、培地を攪拌しながら培養して接着材への接着を阻止することで、浮遊細胞のように、培地中を浮遊させながら培養することができる。
【0003】
ところで、動物細胞を培養する過程で、細胞は増殖し、死滅する。そのため、培養を継続していくと、培地中には、生細胞と死細胞とが混在するようになる。抗体製造や各種実験においては、死細胞は培地中で夾雑物・不純物となるため、除去することが望ましい。
【0004】
このため、培養培地から死細胞を除去するための種々の方法が提案されている。
特許文献1には、細胞培養槽からダイヤフラムポンプで採取した培地をフィルターでろ過することで、連続的に細胞等の目的成分を分離し、細胞培養槽に返送する方法が記載されている。
【0005】
非特許文献1には、死細胞を含む培地にマイクロビーズおよび結合バッファーを添加して、死細胞を磁気標識し、培地をマグネットセパレータに装着したカラムに通して死細胞を吸着除去し、スロースルーに生細胞画分を集める方法が記載されている。
非特許文献2には、生死細胞の物理特性に基づき、磁力により細胞の浮揚をコントロールして生細胞と死細胞とを分離する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2022-518396号公報
【非特許文献】
【0007】
ミルテニーバイオテク株式会社、「Single Cell 解析のためのサンプル調製」、[2022年11月22日検索]、インターネットURL:https://www.miltenyibiotec.com/_Resources/Persistent/5bf05e6a60af659b7e706ebdefdb639d5eee4b50/JP_Sample_prep_for_Single_cell_analysis.pdf
バイオストリーム株式会社「独自の磁気浮揚技術によるラベルフリーでの生死細胞分離」、[2022年11月22日検索]、インターネットURL:https://www.biostream.co.jp/manufacturer/index/9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の方法は、フィルターの孔径すなわち細胞のサイズの差異に依存するため、サイズがほぼ等しい生細胞と死細胞の分離には使用できない。
【0009】
非特許文献1に記載の方法は、培地に薬剤という異物を添加する必要があり、細胞培養によって産生された抗体を抗体医薬品として体内に導入するためには、最終的にこの培地から異物を除する処理を行う必要がある。また、バイオ実験においても、純粋な生細胞を獲得する方法としては、培地に異物を添加するこの方法は適用し難い。
非特許文献2に記載の方法は、薬剤の添加を必要としないが、処理量が少なく、また、分離に長時間を要するという課題がある。
【0010】
本発明は、培地に異物を入れることなく、大量の細胞培養液から連続的に生細胞を高速で選別する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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