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公開番号
2024174300
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-17
出願番号
2023092050
出願日
2023-06-05
発明の名称
乾燥用保護剤、生体試料測定試薬、及び分析方法
出願人
株式会社トクヤマ
代理人
主分類
C12N
9/96 20060101AFI20241210BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】賦形剤が変形して難溶化し、その中に含まれる生体試料中の特定の成分と反応する反応成分の溶解の長時間化を抑制することができる、乾燥用保護剤を提供することを目的とする。
【解決手段】生体試料中の特定の成分と反応する反応成分の活性の低下を抑制する安定成分と、反応成分の乾燥時の変形を抑制する賦形剤と、を備える乾燥用保護剤。また、前記安定成分の具体例としては、2~4個の単糖を含んで構成された糖類、糖アルコール類、並びに、アミノ酸及びカルボン酸を含む塩からなる群より選択される少なくとも一種を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
生体試料中の特定成分と反応する反応成分の活性の低下を抑制する安定成分と、
前記反応成分の乾燥時の変形を抑制する賦形剤と、
を備える乾燥用保護剤。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
前記安定成分が、2~4個の単糖を含んで構成された糖類、
糖アルコール類、
並びに、アミノ酸及びカルボン酸を含む塩からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の乾燥用保護剤。
【請求項3】
前記賦形剤が、少なくとも6個以上の単糖を含んで構成され、該単糖の個数をnとするとき、
3×n個以上の水酸基を含む多糖類、アミノ酸骨格を有するポリマー、及び非イオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の乾燥用保護剤。
【請求項4】
前記多糖類が環状多糖類である、請求項3に記載の乾燥用保護剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の乾燥用保護剤に加えて、前記反応成分をさらに含む、生体試料測定試薬。
【請求項6】
乾燥用保護剤を含む生体試料測定試薬を37℃より高い温度範囲で保存した後、
保存された前記生体試料測定試薬を用いて生体試料を分析する分析方法であって、
前記乾燥用保護剤が、生体試料中の特定の成分と反応する反応成分の活性の低下を抑制する安定成分と、前記反応成分の乾燥時の変形を抑制する賦形剤と、
を備える乾燥用保護剤であることを特徴とする、分析方法。
【請求項7】
前記賦形剤が、少なくとも6個以上の単糖を含んで構成され、該単糖の個数をnとするとき、
3×n個以上の水酸基を含む多糖類、及びアミノ酸骨格を有するポリマー、
からなる群より選択される少なくとも一種を含む、生体試料測定試薬であることを特徴とする、請求項6に記載の分析方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥用保護剤、該乾燥用保護剤を含む生体試料測定試薬、及び該生体試料測定試薬を用いた分析方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
臨床検査、生化学分野における研究等において、生体試料中の成分を、酵素を利用した光学的検出、電気化学的検出により定性、定量することが一般的に行われる。また、生体試料中のDNAを複製、増幅する際にも酵素反応が一般的に利用されている。
【0003】
例えば、下記式(1)に示すように、血中のブドウ糖(グルコース)を測定するためには、基質である酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の存在下で、グルコースの脱水素酵素であるグルコースデヒドロキシキナーゼ(GDH)および作用させる。すると、存在するグルコースの量と等モルの還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)が生成するので、その特異的な吸収波長である、約340nmの吸光度を測定することにより、間接的にブドウ糖の量(濃度)を定量することができる。
【0004】
JPEG
2024174300000001.jpg
37
82
【0005】
酵素は、タンパクの一種であるため、一般的には高温中で分解劣化が進行し、長期保存は難しいとされる。特に、水溶液中では、水酸イオン、水素イオン等による反応が進行し、タンパク内のアミノ酸結合の切断により、分解劣化が進行する。また、タンパクの高次構造が変化することによって分解劣化が進行する。酵素の場合には、これらにより反応活性が劣化する。このため、その水溶液は、冷蔵あるいは冷凍にて保存が必要とされる。
【0006】
酵素の反応活性を利用する場合には、上記のような酵素の反応活性の劣化は、それを用いた試薬等の性能劣化の原因となるため避けるべきものである。上記のように、酵素の反応活性を利用し、ブドウ糖の濃度を定量する場合には、誤差を引き起こすため避けなければならない。酵素の反応活性の劣化を防ぐために、タンパクの水溶液を乾燥させ、固体状態にて保管するのが有効である。乾燥工程には、自然乾燥、温風乾燥、凍結乾燥などが用いられる。しかし、乾燥状態であっても、劣化は進行することが多い。そのため乾燥状態であっても、冷蔵、冷凍保存が必要とされることが多い。また、乾燥状態での冷蔵、冷凍保存であっても分解劣化は徐々に進行する。
【0007】
そこで、酵素等のタンパクを乾燥させる際に、乾燥用保護剤を共存させ、その保存時の安定性を更に向上させることが行われてきた。このような技術は広く検討されており、例えば、以下のような乾燥用保護剤が用いられてきた。
【0008】
(1)糖類の使用
糖類を使用した乾燥用保護剤が知られている(例えば、特許文献1~3参照。)。特許文献1には、乾燥させた生物物質(酵素など)の安定性を向上させる方法が記載されている。該生物物質、保存時の安定性を向上させるための乾燥用保護剤として炭化水素化合物、および、メイラード反応のインヒビターの水溶液を、凍結乾燥等により乾燥させることにより、該生物物質の保存安定性が控除することが記載されている。
【0009】
乾燥用保護剤として用いられる炭化水素化合物として、マルチトール(4-O-β-D-グルコピラノシル-D-グルシトール)、ラクチトール(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-グルシトール)、イソ-マルツロース、パラチニット(palatinit)及びその構成異性体(GPS、α-D-グルコピラノシル-1→6-ソルビトール及びGPM、α-D-グルコピラノシル-1→6-マンニトール)、イソマルツロース由来の糖アルコール(パラチノース(palatinose))(6-α-D-グルコピラノシル-マンニトール、および6-α-D-グルコピラノシル-ソルビトール)、ショ糖及びその対応する糖アルコールが例示されている。
【0010】
特許文献1では、トレハロースを乾燥用保護剤として用いることにより、制限酵素PstIを、55℃で70日間、また、70℃で35日間保存後にも、活性が保たれたと記載されている。一方で、単糖類、デキストランは乾燥用保護剤としては効果が無かったことが記載されている。
(【0011】以降は省略されています)
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