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公開番号2024177097
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024087757
出願日2024-05-30
発明の名称D-セリン濃度低減用組成物
出願人雪印メグミルク株式会社
代理人個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20241212BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】D-セリン濃度を好適に低減する。
【解決手段】D-セリン濃度低減用組成物は、エンテロクロスター属に属する菌体を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エンテロクロスター属に属する菌体を含有することを特徴とするD-セリン濃度低減用組成物。
続きを表示(約 190 文字)【請求項2】
前記エンテロクロスター属に属する菌体の菌種が、エンテロクロスター ボルテアエ、エンテロクロスター クロストリジオホルミス、エンテロクロスター ラヴァレンシス、エンテロクロスター アスパラギホルミス、エンテロクロスター シトロニアエ、及びエンテロクロスター アルデネンシスのうち、少なくともいずれか一つである請求項1に記載のD-セリン濃度低減用組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、D-セリン濃度低減用組成物に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ヒトの腸内には1000種、40兆個もの細菌が棲息しており、腸内細菌叢とも呼ばれる複雑な共生関係を形成している。腸内細菌叢を形成する腸内細菌は、様々な代謝産物を生産しており、その代謝産物の1つとしてD-アミノ酸が挙げられる。
【0003】
アミノ酸は分子中にアミノ基とカルボキシル基を持つ化合物の総称であり、そのうち1つの炭素原子にアミノ基とカルボキシル基が結合したものをα-アミノ酸と呼ぶ。α-アミノ酸は不斉炭素原子を持ち、鏡像異性体が存在するが、このうち左旋光性を持つアミノ酸をD-アミノ酸と呼ぶ。α-アミノ酸のうち、グリシンには鏡像異性体は存在しないが、それ以外のα-アミノ酸にはL-アミノ酸とD-アミノ酸が存在する。そのため、タンパク質を構成する20種類のα-アミノ酸のうち、グリシン以外の19種類にL-アミノ酸とD-アミノ酸が存在している。
【0004】
天然に存在するアミノ酸のほとんどが、タンパク質の構成要素となるL-アミノ酸であるが、わずかにD-アミノ酸も存在している。近年、D-アミノ酸は重要な生理機能を有することが明らかになってきている。例えば、脳、大腸、腎臓に含まれるD-セリンは、記憶や学習等の脳の高次機能に寄与しているほか、腎障害の保護を行うことが知られている。
【0005】
D-セリンを生産する事例は多数報告されており、特にヒトの腸内では一部の乳酸菌やビフィズス菌がD-セリンを生産することが知られている(特許文献1~3)。
一方で、体内のD-セリンが過剰になることで様々な健康障害が起こることが分かっている。D-セリンは腎保護作用を示す一方で、血漿中に蓄積されると尿細管の損傷を誘発し、慢性腎臓病の進行にも関与することが知られる(非特許文献1)。
【0006】
また、認知機能の変化を評価する指標として血中のD-セリンやD-プロリンが有用であることが見出されており、過剰なD-セリンが神経伝達の調節異常や認知症の発症に寄与することが示唆されている(非特許文献2)。
【0007】
生体内のD-セリン濃度は腸内のD-セリン濃度に影響を受けるため、腸内のD-セリン濃度を高くなりすぎないようにすることが必要となる。このため、D-セリンを生産する腸内細菌などの影響により腸内のD-セリン濃度が高まった際には、腸内のD-セリン濃度を低減する手法が求められる。
【0008】
D-セリンを特異的に分解する酵素としてD-セリンデヒドラターゼが挙げられる。当該酵素は、一部のプロテオバクテリア門細菌や、β-、およびγ-プロテオバクテリア属細菌、真核生物であるサッカロミセス セレビシエ等に存在することが知られている。しかし、ヒトを含む哺乳類にはD-セリンデヒドラターゼが存在しない。また、D-セリンデヒドラターゼが存在する既知の腸内細菌は、いずれもヒト腸内において優勢には存在しないため、ヒト腸内のD-セリン濃度低減に寄与しにくいことが課題であった。
【0009】
そのほか、D-セリンを分解する酵素として、D-アミノ酸を代謝するD-アミノ酸オキシダーゼが存在するが、D-セリンに対する触媒活性はD-セリンデヒドラターゼより著しく劣ることが報告されている(非特許文献3)。
【0010】
このため、腸内のD-セリンを効果的に低減させる手法として、ヒトの腸内細菌叢において優勢に存在する腸内細菌からD-セリンの分解または資化を行う菌種を見出し、それを含有するD-セリン濃度低減用組成物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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