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公開番号2024176177
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094516
出願日2023-06-08
発明の名称D-セリンの製造方法
出願人公立大学法人宮城大学
代理人SSIP弁理士法人
主分類C12P 13/06 20060101AFI20241212BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】L-セリンからD-セリンへの変換率を向上したD-セリンの製造方法を提供する。
【解決手段】D-セリンの製造方法は、0.5~1.0質量%のL-セリンと、0.1~5.0質量%のD-アラビノース、デンプン、メレチトース、ソルビトール、ガラクトース、又はスクロースと、1.0~2.0質量%の酵母エキスと、0.5~2.0質量%のペプトンと、5.0~10μg/リットルのピリドキサール塩酸塩又はビオチンとを含む培地において、ラクトコッカス ラクティス H74株(寄託番号:NITE P-03887)を用いて発酵培養することによりL-セリンの少なくとも一部をD-セリンに変換する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
0.5~1.0質量%のL-セリンと、
0.1~5.0質量%のD-アラビノース、デンプン、メレチトース、ソルビトール、ガラクトース、又はスクロースと、
1.0~2.0質量%の酵母エキスと、
0.5~2.0質量%のペプトンと、
5.0~10μg/リットルのピリドキサール塩酸塩又はビオチンと
を含む培地において、ラクトコッカス ラクティス H74株(寄託番号:NITE P-03887)を用いて発酵培養することにより前記L-セリンの少なくとも一部をD-セリンに変換するD-セリンの製造方法。
続きを表示(約 57 文字)【請求項2】
15~37℃の温度で2~8日間発酵培養する、請求項1に記載のD-セリンの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、D-セリンの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
アミノ酸には、広く天然に存在するL型のアミノ酸と、存在量は少ないが生物の代謝に関わるD型のアミノ酸とが存在する。通常の食品から得られるアミノ酸は、動植物のタンパク質を分解することで得られるのでL型のアミノ酸である。一方、体内の代謝に関わるアミノ酸の一つであるD型のアミノ酸は、天然界の存在量は少なく、動植物のタンパク質を分解することにより得ることは難しい。そこで、発酵法のみならず、重金属の触媒を用いた化学的製造法も提唱されているが(例えば、特許文献1を参照)、衛生面の観点から食品などの用途に適用することは難しく、また、製品中にL型のアミノ酸が混入する場合も多い。
【0003】
一方で、様々な食品からD型のアミノ酸を検出することが近年では可能になってきており、生鮮食品よりも発酵食品や熟成食品において高濃度のD型のアミノ酸が検出されることと、D型のアミノ酸が体内で様々な代謝機能に関わることとがわかってきた。そのため、様々なD型のアミノ酸が発酵法でも生産されるようになってきているが(例えば、特許文献2及び3を参照)、その生産性が低いのが現状で、L型のアミノ酸が混入することや、D型のアミノ酸のうちD-セリンの生産については報告例が少ない。近年では、D-セリンは統合失調症やアルツハイマー病、脳卒中等、脳内の神経伝達に関わる疾患に関与し、それらの症状を改善する可能性があることが報告されている(例えば、特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5478035号公報
特許第3834960号公報
特許第5965875号公報
特許第6978874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常の乳酸菌による発酵でL-セリンをD-セリンに変換しようとすると、L-セリンとD-セリンとが等量となり、すなわち、L-セリンの添加量の50重量パーセントしかD-セリンに変換されず、残りのL-セリンが不純物として残存してしまうという課題があった。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、L-セリンからD-セリンへの変換率を向上したD-セリンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るD-セリンの製造方法は、0.5~1.0質量%のL-セリンと、0.1~5.0質量%のD-アラビノース、デンプン、メレチトース、ソルビトール、ガラクトース、又はスクロースと、1.0~2.0質量%の酵母エキスと、0.5~2.0質量%のペプトンと、5.0~10μg/リットルのピリドキサール塩酸塩又はビオチンとを含む培地において、ラクトコッカス ラクティス H74株(寄託番号:NITE P-03887)を用いて発酵培養することにより前記L-セリンの少なくとも一部をD-セリンに変換する。
【発明の効果】
【0008】
本開示のD-セリンの製造方法によれば、L-セリンからD-セリンへの変換率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
培地に添加されるビタミン類の種類及び添加量についての検証結果を示すグラフである。
培地に添加される糖類の種類についての検証結果を示すグラフである。
培地に添加されるD-アラビノースの添加量についての検証結果を示すグラフである。
培地に添加されるL-セリンの濃度についての検証結果を示すグラフである。
発酵温度についての検証結果を示すグラフである。
発酵培養時間についての検証結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に係るD-セリンの製造方法の概要)
本開示に係るD-セリンの製造方法は、ラクトコッカス ラクティス H74株(寄託番号:NITE P-03887)を用いて発酵培養することにより前記L-セリンの少なくとも一部をD-セリンに変換するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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