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公開番号2024159331
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023075263
出願日2023-04-28
発明の名称Piezo遺伝子発現量亢進剤
出願人ポーラ化成工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/68 20180101AFI20241031BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
新規な加齢に伴う顔の変化を改善する成分をスクリーニングする方法を提供する。
また、新規なPiezoの発現量を亢進する剤を提供すること、及び新規な加齢による顔の変化を改善する剤を提供することも課題とする。
【解決手段】
細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標として、加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善する成分を選出することを含む、スクリーニング方法。
ヒメフウロ(Geranium robertianum L.)の抽出物、ソウハクヒの抽出物、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の抽出物、及びローヤルゼリーからなる群から選ばれる、1つ又は2つ以上の成分を有効成分として含む、Piezo遺伝子の発現量亢進のために用いられる剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標として、加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善する成分を選出することを含む、スクリーニング方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
加齢に伴う顔の前記変化が、加齢に伴う顔の腱、又は腱に支持されている構造の劣化に起因するものである、請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
加齢に伴う顔の前記変化が、顔のたるみ、顔のシワ、顔表面の凹凸、皮膚の弾力性の低下からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上である、請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標として、加齢に伴うPiezo遺伝子の発現量低下を改善するために用いられる成分を選出することを含む、スクリーニング方法。
【請求項5】
細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標として、加齢に伴う腱細胞の刺激応答性の低下を改善する成分を選出することを含む、スクリーニング方法。
【請求項6】
腱細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標とすることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
ヒメフウロ(Geranium robertianum L.)の抽出物、ソウハクヒの抽出物、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の抽出物、及びローヤルゼリーからなる群から選ばれる、1つ又は2つ以上の成分を有効成分として含む、Piezo遺伝子の発現量亢進のために用いられる剤。
【請求項8】
腱細胞におけるPiezo遺伝子の発現量亢進のために用いられる、請求項7に記載の剤。
【請求項9】
加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善するために用いられる、請求項7に記載の剤。
【請求項10】
ヒメフウロ(Geranium robertianum L.)の抽出物、ソウハクヒの抽出物、ワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の抽出物、及びローヤルゼリーからなる群から選ばれる、1つ又は2つ以上の成分を有効成分として含む、加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善するために用いられる剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Piezo遺伝子の発現量亢進剤、及び関連する加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善する成分のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
Piezoタンパク質は、細胞膜上に存在し、触覚や聴覚、平衡感覚などを感知するセンサーとして機能するチャネルタンパク質である。Piezo遺伝子には、Piezo1とPiezo2の二つの遺伝子が存在する。
ここで従来、Mohawk(Mkx)という転写因子が皮下組織中の腱細胞の機能に関与していることが知られていた(非特許文献1参照)。
さらに、腱特異的にPiezoの発現量を亢進すると、Mkxが増加することが知られており、Piezoの発現によって腱の機能が維持されていることが知られていた(非特許文献2参照)。
【0003】
ところで、加齢で顕著となる皮膚のたるみやシワは、顔の皮下組織の構造の変化がその原因の一つと考えられている。
【0004】
皮膚のたるみやシワを改善する技術として、皮下組織に存在する皮膚支帯(Retinacula cutis)と呼ばれる網目状の線維構造を改善する技術が知られている。
特許文献1には、細胞における皮膚支帯成分であるタンパク質の発現量を増加させる作用を有する、皮膚支帯改善剤が記載されている。
【0005】
また、加齢によって減少する皮下組織構成成分を発現する細胞を指標として、たるみを改善する成分をスクリーニングする方法が知られている。
特許文献2には、皮膚支帯構成成分の発現量を指標として、皮下組織構造の改善成分の候補物質をスクリーニングする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7190248号
特許第6993076号
【非特許文献】
【0007】
Mol Cell Biol. 2016 Mar 31;36(8):1297-309.
Nakamichi et al., Sci. Transl. Med. 14, eabj5557 (2022) 1 June 2022.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の通り、加齢による顔の変化を改善する技術が種々開発されている。
しかし、加齢による顔の変化とPiezo遺伝子の発現量との関係に注目した技術は存在しなかった。
さらに上述の通り、Piezo遺伝子と皮下組織中の腱構造の関係は知られていた。しかし、Piezo遺伝子の発現量を亢進することで、加齢によって劣化した腱構造を若齢状態に近づけ、顔の変化を改善するという技術は存在しなかった。
上記状況に鑑みて、本発明は、新規な加齢に伴う顔の変化を改善する成分をスクリーニングする方法を提供する。
また、本発明は、新規なPiezo遺伝子の発現量を亢進する剤を提供することを課題とする。
また、新規な加齢による顔の変化を改善する剤を提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
Piezo遺伝子の発現量亢進により、Mkxの発現量が亢進する。さらに、Mkxの発現量が亢進すると、腱構造が改善する。本発明者らは、鋭意研究を行った結果、Piezo遺伝子の発現量が加齢に伴い減少することを初めて見出した。この発見により、Piezo遺伝子の加齢に伴う発現量の減少が、加齢に伴う腱構造の劣化、ひいては顔の構造変化や力学的機能の変化の要因であることを見出した。かかる知見によって、Piezo遺伝子の発現量を亢進させる作用を有する成分は、加齢に伴う顔の構造変化や力学的機能の変化を改善できることが明らかとなった。
【0010】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、細胞におけるPiezo遺伝子の発現量を指標として、加齢に伴う顔の構造の変化及び/又は力学的機能の変化を改善する成分を選出することを含む、スクリーニング方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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