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公開番号2024126428
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034799
出願日2023-03-07
発明の名称生細胞選別方法
出願人JFEエンジニアリング株式会社
代理人個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240912BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、培地に異物を入れることなく、大量の細胞培養液から生細胞を高速で選別する方法に関するものである。
【解決手段】生細胞と、死細胞と、培地と、を含む細胞培養液から、培地中における生細胞と死細胞との沈降速度の差を利用して、生細胞を選別する生細胞選別方法であって、
培地中における生細胞及び死細胞のそれぞれの沈降速度を決定し、前記沈降速度に基づいて、生細胞と死細胞とを遠心分離するために必要な遠心条件を決定する工程Aと、前記遠心条件に基づいて、前記細胞培養液を遠心分離して、前記生細胞を選別する工程Bと、を含む生細胞選別方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生細胞と、死細胞と、培地と、を含む細胞培養液から、前記培地中における前記生細胞と前記死細胞との沈降速度の差を利用して、前記生細胞を選別する生細胞選別方法であって、
前記培地中における前記生細胞及び前記死細胞のそれぞれの沈降速度を決定し、前記沈降速度に基づいて、前記生細胞と前記死細胞とを遠心分離するために必要な遠心条件を決定する工程Aと、前記遠心条件に基づいて、前記細胞培養液を遠心分離して、前記生細胞を選別する工程Bと、を含み、
前記工程Aが下記の工程A1~工程A6を含み、前記工程Bが下記の工程B1~工程B3を含むことを特徴とする生細胞選別方法。
[工程A]
工程A1:細胞培養液の一部を、培地を収容した容器の上部に供給する工程
工程A2:細胞を培地中に沈降させる工程
工程A3:前記容器の下部から、前記細胞培養液を、前記容器内の液面が一定の高さずつ低下するように複数回採取する工程
工程A4:前記工程A3で採取された細胞培養液中の生細胞及び死細胞のそれぞれの数を計数する工程
工程A5:前記工程A4における計数結果から、生細胞及び死細胞のそれぞれの沈降速度を決定する工程
工程A6:前記工程A5で得られた生細胞及び死細胞のそれぞれの沈降速度に基づいて、細胞培養液から生細胞を遠心分離によって分離するための遠心分離条件を決定する工程
[工程B]
工程B1:前記工程Aで使用しなかった残部の細胞培養液を、培地を収容した遠沈管の上部に供給する工程
工程B2:前記工程A6で得られた前記遠心分離条件で、前記遠沈管を遠心分離機にかける工程
工程B3:前記遠沈管中で遠心分離された前記生細胞を分離回収する工程
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記工程A4が、生細胞の数、及び、死細胞の数を計数するために、トリパンブルー染色法又は蛍光染色法で生死細胞を検出する工程を含む、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項3】
前記工程A1における前記容器は、筒状で、上部にコック又はスライドバルブを有し、下部にコックを有する、請求項1に記載の生細胞選別方法。
【請求項4】
前記工程Aを実施する際の温度及び二酸化炭素分圧の条件が、細胞培養を行う際の温度及び二酸化炭素分圧の条件と同等である環境下で実施する、請求項1に記載の生細胞選別方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は細胞培養液から生細胞を選別する生細胞選別方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
抗体医薬品の製造やアッセイ等のバイオ実験で動物細胞(CHO細胞等)が使用されている。
動物細胞は、培地中を浮遊しながら増殖する浮遊細胞と、培養ディッシュ(シャーレ)等の接着材に接着して増殖する接着細胞と、に分類される。また、接着細胞においても、培地を攪拌しながら培養して接着材への接着を阻止することで、浮遊細胞のように、培地中を浮遊させながら培養することができる。
【0003】
ところで、動物細胞を培養する過程で、細胞は増殖し、死滅する。そのため、培養を継続していくと、培地中には、生細胞と死細胞とが混在するようになる。抗体製造や各種実験においては、死細胞は培地中で夾雑物・不純物となるため、除去することが望ましい。
【0004】
特許文献1には、流体中の複数の成分を分離するための装置であって、複数の層流を形成し、最上層の第1の流れ中に複数の成分を含む被処理液を注入し、ホログラフィック光トラップシステムを利用して第1の流れ中の各成分を選択的に沈降させ、被処理液中の各成分を各層流ごとに選別する方法が記載されている。
【0005】
非特許文献1には、死細胞を含む培地にマイクロビーズおよび結合バッファーを添加して、死細胞を磁気標識し、培地をマグネットセパレータに装着したカラムに通して死細胞を吸着除去し、スロースルーに生細胞画分を集める方法が記載されている。
非特許文献2には、生死細胞の物理特性に基づき、磁力により細胞の浮揚をコントロールして生細胞と死細胞とを分離する方法が記載されている。
【0006】
このほかにも、遠心分離により上澄みを除去することで死細胞を除去する方法はある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許5789178号公報
【非特許文献】
【0008】
ミルテニーバイオテク株式会社、「Single Cell 解析のためのサンプル調製」、[2022年11月22日検索]、インターネット URL:https://www.miltenyibiotec.com/_Resources/Persistent/5bf05e6a60af659b7e706ebdefdb639d5eee4b50/JP_Sample_prep_for_Single_cell_analysis.pdf
バイオストリーム株式会社「独自の磁気浮揚技術によるラベルフリーでの生死細胞分離」、[2022年11月22日検索]、インターネット URL:https://www.biostream.co.jp/manufacturer/index/9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の方法は、血液成分を分離する方法に限定しており、細胞の分離に適用できない。
非特許文献1に記載の方法は、培地に薬剤という異物を添加する必要があり、細胞培養によって産生された抗体を抗体医薬品として体内に導入するためには、最終的にこの培地から異物を除する処理を行う必要がある。また、バイオ実験においても、純粋な生細胞を獲得する方法としては、培地に異物を添加するこの方法は適用し難い。
非特許文献2に記載の方法は、薬剤の添加を必要としないが、処理量が少なく、また、分離に長時間を要するという課題がある。
遠心分離による方法は、遠心分離の条件(回転数や時間等)が個人の経験に依存するという課題がある。
【0010】
本発明は、培地に異物を入れることなく、大量の細胞培養液から生細胞を高速で選別する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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