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公開番号2024127458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036623
出願日2023-03-09
発明の名称キメラタンパク質
出願人国立大学法人山梨大学
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/55 20060101AFI20240912BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】PLCの活性化を特異的に制御できる光駆動型システムを構築するための分子を提供すること。
【解決手段】ホスホリパーゼCのTIMドメイン、SspBドメイン、及びホスホリパーゼCのbarrelドメインを有することを特徴とする、キメラタンパク質である。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
ホスホリパーゼCのTIMドメイン、SspBドメイン、及びホスホリパーゼCのbarrelドメインを有することを特徴とする、キメラタンパク質。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
ホスホリパーゼCのTIMドメイン、SspBドメイン、及びホスホリパーゼCのbarrelドメインを、この順で有する、請求項1に記載のキメラタンパク質。
【請求項3】
ホスホリパーゼCのX-Yリンカー配列を有さない、請求項1に記載のキメラタンパク質。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のキメラタンパク質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする核酸。
【請求項5】
請求項4に記載の核酸を含むことを特徴とするベクター。
【請求項6】
請求項4に記載の核酸を含むことを特徴とする細胞。
【請求項7】
SsrAをコードする塩基配列を含む核酸を含む、請求項6に記載の細胞。
【請求項8】
請求項6に記載の細胞を培養する工程を含むことを特徴とするキメラタンパク質の製造方法。
【請求項9】
請求項6に記載の細胞に青色光を照射することを含むホスホリパーゼCの制御方法。
【請求項10】
請求項6に記載の細胞に青色光を照射することを含むホスホリパーゼCを介したシグナル伝達の解析方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、キメラタンパク質及びその製造方法、核酸、ベクター、細胞、ホスホリパーゼCの制御方法、ホスホリパーゼCを介したシグナル伝達の解析方法、並びに化合物のスクリーニング方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ホスホリパーゼC(PLC)は、生体のシグナル伝達経路において重要な役割を果たし、細胞内で様々な反応に関与することが知られている。
内在性PLCは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)、成長因子受容体(RTK)、及び低分子量Gタンパク質の一種であるRacとRhoなどにより活性化されることが知られているが、PLCの自発的な活性化機構は未だ知られていない。
【0003】
近年光遺伝学の発展により光駆動型システムが開発されている。光駆動型システムを使用することにより、タンパク質の活性化を光を用いて制御することが可能である。前記光駆動型システムとして、非特許文献1には、エンバクのLOV2ドメインにSsrAペプチドを埋め込んだ、改良光誘導性二量体(iLID)が記載されている。前記iLIDは、青色光で活性化されると、LOV2ドメインのC末端ヘリックスがタンパク質から切り離され、SsrAペプチドがSspBに結合できるようになる。
PLCを活性化する光駆動型システムとしては、Opto-α1AR、Neuropsin、Magnet-Gq、Opto-RTK、PA-Rac、PA-Rhoなどが報告されている(非特許文献2~4など)。しかしながら、これらのPLCを活性化する光駆動型システムは、PLCのシグナル伝達の上流に位置するタンパク質を標的としており、PLCの特異性は低かった。
【0004】
したがって、PLCの活性化を特異的に制御できる光駆動型システムを構築するための分子が求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
PNAS 2015 112:112-117
Nature 2009 458:1025-1029
Proc R Soc B 2013 280:20122987
Scientific Reports 2016 6:35777
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、PLCの活性化を特異的に制御できる光駆動型システムを構築するための分子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ホスホリパーゼCのTIMドメイン、SspBドメイン、及びホスホリパーゼCのbarrelドメインを有するキメラタンパク質、前記キメラタンパク質をコードする塩基配列を含む核酸、前記核酸を含むベクター及び細胞、並びに、前記細胞を培養する工程を含むことを特徴とするキメラタンパク質の製造方法により、PLCの活性化を特異的に制御できる光駆動型システムを構築するための分子が提供でき、これらを用いたホスホリパーゼCの制御方法、ホスホリパーゼCを介したシグナル伝達の解析方法、及び化合物のスクリーニング方法が提供できることを知見した。
【0008】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下のとおりである。即ち、
<1> ホスホリパーゼCのTIMドメイン、SspBドメイン、及びホスホリパーゼCのbarrelドメインを有することを特徴とする、キメラタンパク質である。
<2> 前記<1>に記載のキメラタンパク質をコードする塩基配列を含むことを特徴とする核酸である。
<3> 前記<2>に記載の核酸を含むことを特徴とするベクターである。
<4> 前記<2>記載の核酸を含むことを特徴とする細胞である。
<5> 前記<4>に記載の細胞を培養する工程を含むことを特徴とするキメラタンパク質の製造方法である。
<6> 前記<4>に記載の細胞に青色光を照射することを含むホスホリパーゼCの制御方法である。
<7> 前記<4>に記載の細胞に青色光を照射することを含むホスホリパーゼCを介したシグナル伝達の解析方法である。
<8> 前記<4>に記載の細胞に青色光を照射することを含む化合物のスクリーニング方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、PLCの活性化を特異的に制御できる光駆動型システムを構築するための分子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1Aは、マウスPLCβ3の活性中心の立体構造を示す図である。
図1Bは、SspBドメインを付加したマウスPLCβ3の活性中心の立体構造の予測図である。
図2は、PLCタンパク質の構造と光駆動型PLCタンパク質のデザインを示す模式図である。
図3Aは、PLCを介したシグナル伝達経路の一例を示した模式図である。
図3Bは、試験例1のウェスタンブロットの結果を示す図である。
図3Cは、試験例1のリン酸化PKD1についてのバンド強度を示す図である。
図3Dは、試験例1のリン酸化ERKについてのバンド強度を示す図である。
図4Aは、PLCタンパク質の構造と光駆動型PLCタンパク質のデザインを示す模式図である。
図4Bは、試験例2のウェスタンブロットの結果を示す図である。
図4Cは、試験例2のリン酸化PKD1についてのバンド強度を示す図である。
図4Dは、試験例2のリン酸化ERKについてのバンド強度を示す図である。
図5Aは、試験例3の照射前の蛍光輝度を示した写真である。
図5Bは、試験例3の照射後の蛍光輝度を示した写真である。
図5Cは、試験例3の蛍光輝度の経時変化をプロットした図である。
図6Aは、PLCによる脂質組成の変動の一例を示した模式図である。
図6Bは、試験例4-1の照射前の蛍光輝度を示した写真である。
図6Cは、試験例4-1の照射後の蛍光輝度を示した写真である。
図6Dは、試験例4-2の照射前の蛍光輝度を示した写真である。
図6Eは、試験例4-2の照射後の蛍光輝度を示した写真である。
図6Fは、試験例4-3の照射前の蛍光輝度を示した写真である。
図6Gは、試験例4-3の照射後の蛍光輝度を示した写真である。
図6Hは、試験例4-4の照射前の蛍光輝度を示した写真である。
図6Iは、試験例4-4の照射後の蛍光輝度を示した写真である。
図6Jは、試験例4の細胞質側の蛍光輝度の経時変化をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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