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公開番号
2024118708
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-02
出願番号
2023025140
出願日
2023-02-21
発明の名称
リパーゼ変異体
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C12N
15/55 20060101AFI20240826BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】界面活性剤存在下の分散基質に対する活性阻害が改善されたリパーゼ変異体の提供。
【解決手段】一態様として、特定のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ特定のアミノ酸残基に置換を有する、リパーゼ変異体であって、親リパーゼと比して、界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害が改善され、界面活性剤存在下の硬質表面上トリグリセリドの除去能が向上しており、洗浄力に優れる、リパーゼ変異体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号2、4、6又は8のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ下記(a)~(e)からなる群より選択される1以上のアミノ酸残基を有する、リパーゼ変異体:
(a)配列番号2の番号付けで120位に相当する位置におけるロイシン以外のアミノ酸残基;
(b)配列番号2の番号付けで130位に相当する位置におけるセリン以外のアミノ酸残基;
(c)配列番号2の番号付けで134位に相当する位置におけるアラニン以外のアミノ酸残基;
(d)配列番号2の番号付けで136位に相当する位置におけるロイシン以外のアミノ酸残基;及び
(e)配列番号2の番号付けで137位に相当する位置におけるセリン以外のアミノ酸残基、
(但し、上記(a)~(e)のうち(d)のアミノ酸残基のみを有し、かつ前記アミノ酸残基がメチオニンの場合、前記リパーゼ変異体は配列番号2、4又は6のアミノ酸配列と少なくとも93%の同一性を有するアミノ酸配列からなる)。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記(a)~(e)がそれぞれ下記(a’)~(e’)である、請求項1に記載のリパーゼ変異体:
(a’)配列番号2の番号付けで120位に相当する位置におけるアラニン、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、セリン、スレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシン;
(b’)配列番号2の番号付けで130位に相当する位置におけるアラニン、システイン、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リシン、ロイシン、メチオニン、グルタミン、アルギニン、スレオニン、バリン、トリプトファン又はチロシン;
(c’)配列番号2の番号付けで134位に相当する位置におけるシステイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、スレオニン又はバリン;
(d’)配列番号2の番号付けで136位に相当する位置におけるアラニン、システイン、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、セリン、スレオニン、バリン又はトリプトファン;及び
(e’)配列番号2の番号付けで137位に相当する位置におけるシステイン、アスパラギン又はスレオニン、
(但し、上記(a’)~(e’)のうち(d’)のメチオニンのみを有する場合、前記リパーゼ変異体は配列番号2、4又は6のアミノ酸配列と少なくとも93%の同一性を有するアミノ酸配列からなる)。
【請求項3】
前記(a’)~(e’)からなる群より選択される2以上のアミノ酸残基を有する、請求項2に記載のリパーゼ変異体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項4に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
【請求項6】
請求項5に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
【請求項7】
微生物である、請求項6に記載の形質転換細胞。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載のリパーゼ変異体を含有する洗浄剤組成物。
【請求項9】
衣料洗浄剤又は食器洗浄剤である、請求項8に記載の洗浄剤組成物。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の洗浄剤組成物を用いる、汚れの洗浄方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リパーゼ変異体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
リパーゼは、洗濯洗剤、食器用洗剤、油脂加工、パルプ処理、飼料、医薬中間体合成など様々な用途において有用である。洗浄においては、リパーゼは脂質中のエステル結合を加水分解して脂肪酸を生成することによって油を含む汚れの除去に寄与する。
【0003】
洗浄に有用なリパーゼとして、Thermomyces lanuginosus由来のリパーゼ(以下TLL)がLIPOLASE(登録商標)の商品名で販売されている。特許文献1にはCedecea sp-16640株由来のリパーゼLipr139がTLLと比較して優れた洗浄性能を有することが開示されている。特許文献2にはメタゲノム由来のリパーゼLipr138がTLLと比較して優れた洗浄性能を有することが開示されている。
【0004】
リパーゼの洗浄性能を十分に発揮させる手法として、特許文献3には、例えば、リパーゼと界面活性剤としてスルホコハク酸エステルを含む洗浄剤を油汚れが付着した硬質物品と接触させ、外力を加えずに放置することで油汚れを洗浄する方法が記載されている。界面活性剤を含まない水溶液中ではリパーゼによる硬質表面上トリグリセリドの除去はほとんど進行しないが、スルホコハク酸エステルを含む洗浄液中では、リパーゼによる硬質表面上トリグリセリドの除去が大幅に促進される。一方で、界面活性剤の非存在下においても、リパーゼは水溶液中に分散したエステル基質は効率的に分解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2015-523078号公報
特表2015-525248号公報
特開2021-17508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らは、スルホコハク酸エステルを含む洗浄液(以下、洗浄液)が、リパーゼによる硬質表面からのトリグリセリドの除去を大幅に促進するにもかかわらず(上記特許文献3)、洗浄液中に分散したエステル基質(以下、分散基質)に対するリパーゼ活性を大きく阻害するという予想外の現象を見出した。洗浄に好適であることが知られているLipr139及びLipr138は、スルホコハク酸エステルの存在下で分散基質に対する分解活性が5%以下に阻害され、ほとんど活性を検出することができなかった。よって、界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害が緩和され、高い洗浄力を示すリパーゼが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、親リパーゼと比して、界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害が改善されたリパーゼ変異体を取得した。これらのリパーゼ変異体は、界面活性剤存在下の硬質表面上トリグリセリドの除去能も大きく向上していた。本発明者らは、また、リパーゼの界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害の改善の程度とスルホコハク酸エステルの存在下の硬質表面上トリグリセリドの除去能の向上が強く相関すること、よって、界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害の程度を指標として、スルホコハク酸エステルの存在下で硬質表面に付着した油汚れの分解能を有するリパーゼを評価又は選択できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記1)~8)に係るものである。
1)配列番号2、4、6又は8のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ下記(a)~(e)からなる群より選択される1以上のアミノ酸残基を有する、リパーゼ変異体:
(a)配列番号2の番号付けで120位に相当する位置におけるロイシン以外のアミノ酸残基;
(b)配列番号2の番号付けで130位に相当する位置におけるセリン以外のアミノ酸残基;
(c)配列番号2の番号付けで134位に相当する位置におけるアラニン以外のアミノ酸残基;
(d)配列番号2の番号付けで136位に相当する位置におけるロイシン以外のアミノ酸残基;及び
(e)配列番号2の番号付けで137位に相当する位置におけるセリン以外のアミノ酸残基、
(但し、上記(a)~(e)のうち(d)のアミノ酸残基のみを有し、かつ前記アミノ酸残基がメチオニンの場合、前記リパーゼ変異体は配列番号2、4又は6のアミノ酸配列と少なくとも93%の同一性を有するアミノ酸配列からなる)。
2)1)に記載のリパーゼ変異体をコードするポリヌクレオチド。
3)2)に記載のポリヌクレオチドを含むベクター又はDNA断片。
4)3)に記載のベクター又はDNA断片を含有する形質転換細胞。
5)1)に記載のリパーゼ変異体を含有する洗浄剤組成物。
6)5)に記載の洗浄剤組成物を用いる、汚れの洗浄方法。
7)配列番号2、4、6又は8のアミノ酸配列と少なくとも75%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、リパーゼ活性を有するポリペプチドにおいて、下記(i)~(v)からなる群より選択される1以上の工程を行うことを含む、リパーゼ変異体の製造方法:
(i)配列番号2の番号付けで120位に相当する位置のアミノ酸残基をロイシン以外のアミノ酸残基に置換する工程;
(ii)配列番号2の番号付けで130位に相当する位置のアミノ酸残基をセリン以外のアミノ酸残基に置換する工程;
(iii)配列番号2の番号付けで134位に相当する位置のアミノ酸残基をアラニン以外のアミノ酸残基に置換する工程;
(iv)配列番号2の番号付けで136位に相当する位置のアミノ酸残基をロイシン以外のアミノ酸残基に置換する工程;及び
(v)配列番号2の番号付けで137位に相当する位置のアミノ酸残基をセリン以外のアミノ酸残基に置換する工程、
(但し、上記(i)~(v)のうち(iv)の工程のみを行うことを含み、かつメチオニンに置換する場合、前記ポリペプチドは配列番号2、4又は6のアミノ酸配列と少なくとも93%の同一性を有するアミノ酸配列からなる)。
8)スルホコハク酸エステル又はその塩の存在下で硬質表面に付着した油汚れの分解能を有するリパーゼの評価又は選択方法であって、
被験リパーゼの界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性を測定する工程、
測定した結果に基づいて、被験リパーゼの界面活性剤によるリパーゼ活性阻害の程度を評価する工程、及び
界面活性剤によるリパーゼ活性阻害の程度が標準リパーゼより小さい被験リパーゼをスルホコハク酸エステル又はその塩の存在下で硬質表面に付着した油汚れの分解能を有するリパーゼとして評価又は選択する工程、
を含む方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のリパーゼ変異体は、親リパーゼと比して、界面活性剤存在下の分散基質に対するリパーゼ活性阻害が改善され、界面活性剤存在下の硬質表面上トリグリセリドの除去能が向上しており、洗浄力に優れる。本発明のリパーゼの評価又は選択方法によれば、スルホコハク酸エステル又はその塩の存在下で硬質表面上の油汚れに対し高い洗浄力を示すリパーゼを簡便に感度よく評価又は選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
各リパーゼのモデル洗浄液中での洗浄力の酵素効果。
各リパーゼのモデル洗浄液中での洗浄力の酵素効果。
各リパーゼのモデル洗浄液中での洗浄力の酵素効果とリパーゼ活性阻害の改善度の相関。
各リパーゼのモデル洗浄液中での洗浄力。
各リパーゼのモデル洗浄液中での洗浄力の酵素効果。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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