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公開番号
2024107533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-09
出願番号
2023011500
出願日
2023-01-30
発明の名称
ブタ心臓組織標本
出願人
学校法人麻布獣医学園
代理人
個人
主分類
C12N
5/071 20100101AFI20240802BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、BMD心筋症モデルブタから摘出した心臓組織標本であって、ex vivoにおいて拍動し、薬剤を灌流することで不整脈が誘発される心臓組織標本の提供を課題とする。
【解決手段】ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy:BMD)心筋症モデルブタから摘出されたものであって、ex vivoにおいて拍動可能であり、薬剤を灌流することで不整脈が誘発されるブタ心臓組織標本を解決手段とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ブタ心臓組織標本であって、当該心臓がベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy:BMD)心筋症モデルブタから摘出されたものである、前記ブタ心臓組織標本。
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【請求項2】
前記BMD保因ブタが、エクソン21~28領域が欠損した変異ジストロフィン遺伝子を有するものである、請求項1に記載のブタ心臓組織標本。
【請求項3】
前記心臓組織標本が灌流されたものである、請求項1または請求項2に記載のブタ心臓組織標本。
【請求項4】
薬剤を灌流することにより不整脈を誘発した、請求項3に記載のブタ心臓組織標本。
【請求項5】
前記薬剤が揮発性麻酔薬およびカテコールアミンである請求項4に記載のブタ心臓組織標本。
【請求項6】
前記揮発性麻酔薬およびカテコールアミンが、同時に、または揮発性麻酔薬の次にカテコールアミンが灌流されることを特徴とする、請求項5に記載のブタ心臓組織標本。
【請求項7】
抗不整脈薬のスクリーニングまたは評価方法であって、請求項4に記載のブタ心臓組織標本に候補物質を灌流する工程、該ブタ心臓組織標本の心筋膜電位を指標として、該候補物質の不整脈の治療効果を評価することを含む、前記スクリーニングまたは評価方法。
【請求項8】
前記心筋の膜電位を光学マッピングにより検出することを特徴とする、請求項7に記載のスクリーニングまたは評価方法。
【請求項9】
不整脈治療トレーニング方法であって、請求項4に記載のブタ心臓組織標本用いることを特徴とする、前記トレーニング方法。
【請求項10】
前記不整脈治療が、カテーテルアブレーションである、請求項9に記載のトレーニング方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブタ心臓組織標本、より具体的には、ベッカー型筋ジストロフィー心筋症ブタから摘出した心臓組織標本であって、当該心臓組織標本に薬剤を灌流することにより不整脈を誘発し得るブタ心臓組織標本に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
筋ジストロフィーは、筋線維の破壊・変性(筋壊死)と再生を繰り返しながら、次第に筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患の総称であり、骨格筋の変性、壊死を主病変とし、臨床的には進行性の筋低下が認められる。発症年齢や遺伝形式、臨床的経過等から様々な病型に分類され、2015年7月には難病指定されている。該疾患はその遺伝形式から細分類されるが、最も頻度が高いものはジストロフィン遺伝子の変異によるものである。
【0003】
ヒトの筋ジストロフィーは、ジストロフィン完全欠損による重症のDuchenne型(DMD)と、部分欠損による軽症のBecker型(BMD)に大別されるが、いずれも骨格筋の障害に始まり、やがて呼吸障害や心不全を発症する。DMD患者の多くが25~30歳で死亡するが、遺伝子治療によりDMD患者においてもBMD患者のように軽症のままで維持できるようになってきている。近年ではエクソン・スキップ療法が開発され、日本では2020年5月にDMD治療薬ビルトラルセン(ビルテプソ)が発売された。この薬は、DMD患者体内でエクソン53をスキップしたジストロフィンの産生を回復させることにより、疾患の進行の抑制や状態の改善を期待するものである。
【0004】
一方で、BMD患者では骨格筋機能や呼吸機能が保たれた状態でも、重症心筋症を発症することから、BMD患者の死因の約半数は心筋症である。また、無症状のBMD患者が激しい運動や麻酔処置を契機に不整脈を発症し、突然死する事例も報告されている。現在の医療では心筋症初期段階での突然死を予防できず、ジストロフィン欠損による心筋症の初期病態は不明な点が多い。
【0005】
本発明者らは、これまでに筋ジストロフィーの病態解明および治療法の確立のために、BMDブタ心筋症モデルを効率的に選別する方法を見出している(特許文献1)。本発明者らが報告した方法によれば、BMD心筋症モデルブタを出産する母ブタを選別することができ、従来見出すことの困難であった、BMD心筋症モデル雄ブタおよび/または該モデル雄ブタを出産する、BMD心筋症の保因雌ブタを確保することが可能となった。
【0006】
また、上記選別方法により得られるBMD心筋症モデル雄ブタは、心臓に顕著な形態的変化を認めない生後3か月齢において、イソフルラン吸入麻酔負荷により、不整脈を示す。すなわち、BMD心筋症の初期病態の1つである不整脈が再現される特色ある動物モデルである。一般に、疾患の機序や予防・治療方法等を研究する上で、該疾患を模した動物モデルは大変有用なツールとなることが知られており、その意味において、発明者らによって確立された方法により取得されるBMD心筋症モデルブタは、BMD心筋症の治療方法の確立等に大いに資することが期待される。
BMD心筋症の初期病態と考えられる不整脈の治療に有効な抗不整脈薬の開発には、上記BMD心筋症モデルブタに加え、不整脈を誘発した心臓を生体外で拍動させるex vivo評価系が、望まれるところであるが、これまでに、そのような評価系の報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-153749
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記事情に鑑み、本発明は、BMD心筋症モデルブタから摘出した心臓組織標本であって、ex vivoにおいて拍動し、薬剤を灌流することで不整脈が誘発される心臓組織標本の提供を課題とする。
また、本発明は、当該心臓組織標本を用いた、抗不整脈薬のスクリーニング方法または抗不整脈薬の評価方法の提供、ならびに、ex vivoにおける不整脈治療トレーニング方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、ジストロフィン遺伝子のエクソン21~28領域が欠損しているBMD心筋症モデルブタ(特許文献1)から心臓組織を摘出して灌流したところ、ex vivoにおいて拍動させることに成功した。さらに、当該灌流心に揮発性麻酔薬(例えば、イソフルラン)とカテコールアミン(例えば、アドレナリン)を、この順序で灌流したところ、不整脈が誘発されることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明は以下の(1)~(10)に関するものである。
(1)ブタ心臓組織標本であって、当該心臓がベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy:BMD)心筋症モデルブタから摘出されたものである、前記ブタ心臓組織標本。
(2)前記BMD保因ブタが、エクソン21~28領域が欠損した変異ジストロフィン遺伝子を有するものである、上記(1)に記載のブタ心臓組織標本。
(3)前記心臓組織標本が灌流されたものである、上記(1)または(2)に記載のブタ心臓組織標本。
(4)薬剤を灌流することにより不整脈を誘発した、上記(3)に記載のブタ心臓組織標本。
(5)前記薬剤が揮発性麻酔薬およびカテコールアミンである上記(4)に記載のブタ心臓組織標本。
(6)前記揮発性麻酔薬およびカテコールアミンが、同時に、または揮発性麻酔薬の次にカテコールアミンが灌流されることを特徴とする、上記(5)に記載のブタ心臓組織標本。
(7)抗不整脈薬のスクリーニングまたは評価方法であって、上記(4)に記載のブタ心臓組織標本に候補物質を灌流する工程、該ブタ心臓組織標本の心筋膜電位を指標として、該候補物質の不整脈の治療効果を評価することを含む、前記スクリーニングまたは評価方法。
(8)前記心筋の膜電位を光学マッピングにより検出することを特徴とする、上記(7)に記載のスクリーニングまたは評価方法。
(9)不整脈治療トレーニング方法であって、上記(4)に記載のブタ心臓組織標本用いることを特徴とする、前記トレーニング方法。
(10)前記不整脈治療が、カテーテルアブレーションである、上記(9)に記載のトレーニング方法。
なお、本明細書中、「~」の符号は、その左右の値を含む数値範囲を示す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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