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公開番号2024101811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-30
出願番号2023005957
出願日2023-01-18
発明の名称ビール様発泡性飲料
出願人アサヒビール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12C 5/02 20060101AFI20240723BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】リン酸や有機酸の含有量が少ないにもかかわらず、味に締まりを感じるとともに、ビールらしい華やかさが付与されたビール様発泡性飲料及びその製造方法の提供。
【解決手段】リン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であり、β-イオノンの濃度が0.010ppb以上であることを特徴とする、ビール様発泡性飲料、及び、飲料中のリン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であるように調整する工程と、飲料のβ-イオノン濃度を調整する工程と、を有する、ビール様発泡性飲料の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であり、β-イオノンの濃度が0.010ppb以上であることを特徴とする、ビール様発泡性飲料。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
β-イオノンの濃度が0.010~2.0ppbである、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項3】
β-イオノンの濃度が0.010~1.0ppbである、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項4】
前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.00001以上である、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項5】
前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.002未満である、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項6】
アルコール濃度が、1.0~6.0v/v%である、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項7】
アルコール濃度が、1.0v/v%未満である、請求項1に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項8】
発酵ビール様発泡性飲料である、請求項1~7のいずれか一項に記載のビール様発泡性飲料。
【請求項9】
飲料中のリン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であるように調整する工程と、
飲料のβ-イオノン濃度が0.010ppb以上になるように調整する工程と、
を有する、ビール様発泡性飲料の製造方法。
【請求項10】
原料として、β-イオノンを用いる、請求項9に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール様発泡性飲料、ビール様発泡性飲料の製造方法、及びビール様発泡性飲料の香味改善方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
ビールや発泡酒等のビール様発泡性飲料は、消費者の嗜好の多様化にともない、多種多様の商品が上市されている。特に、健康や美容上の理由から、飲用により摂取する糖分やカロリー、アルコールを低減したビール様発泡性飲料に対する需要も高まっている。
【0003】
一方で、ビール様発泡性飲料において、糖質やアルコール分は、コク味や飲み応えに寄与する重要な成分であり、これらの濃度が低くなると、酸味とコク味がビールらしいバランスを保つように、有機酸含有量も低減されやすい。このように、糖質やアルコール分が抑えられたビール様発泡性飲料は、通常のビールと比べて全体的に呈味が弱くなり、水っぽさが目立ち、飲料全体としての嗜好性が低下しやすいという問題がある。
【0004】
ビール様発泡性飲料を含む各種の飲料において、香気成分を配合することによって香味を改善することが行われている。低糖質・低カロリーのビール様発泡性飲料の香味を改善する方法として、例えば、糖質含有量に対するリナロール含有量の比率を特定の範囲内に調整する方法がある(特許文献1)。また、イモ焼酎の香味を改善する方法としては、特定の濃度のリナロールとβ-イオノンを配合させて、フルーティーで柑橘様の華やかな香りを増強する方法がある(特許文献2)。その他、果汁含有飲料において、加熱殺菌処理や長期保存により発生するオフフレーバーをマスキングして香味を改善する方法として、特定量のz-ジャスモン又はβ-イオノンを含有させる方法がある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6814734号公報
特開2018-143170号公報
特開2019-97490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リン酸や有機酸の含有量が少ないビール様発泡性飲料では、後味がフラットになり、味の締まりがなくなりやすいという問題がある。本発明は、リン酸や有機酸の含有量が少ないにもかかわらず、味に締まりを感じるとともに、ビールらしい華やかさが付与されたビール様発泡性飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、リン酸や有機酸の含有量が少ないビール様発泡性飲料に対して、β-イオノン(CAS番号:79-77-6)を含有させることにより、味の締まりが強化され、かつビールらしい華やかさも付与されることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明に係るビール様発泡性飲料、ビール様発泡性飲料の製造方法、及びビール様発泡性飲料の香味改善方法は、下記の通りである。
[1] リン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であり、β-イオノンの濃度が0.010ppb以上であることを特徴とする、ビール様発泡性飲料。
[2] β-イオノンの濃度が0.010~2.0ppbである、前記[1]のビール様発泡性飲料。
[3] β-イオノンの濃度が0.010~1.0ppbである、前記[1]又は[2]のビール様発泡性飲料。
[4] 前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.00001以上である、前記[1]~[3]のいずれかのビール様発泡性飲料。
[5] 前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.002未満である、前記[1]~[4]のいずれかのビール様発泡性飲料。
[6] アルコール濃度が、1.0~6.0v/v%である、前記[1]~[5]のいずれかのビール様発泡性飲料。
[7] アルコール濃度が、1.0v/v%未満である、前記[1]~[5]のいずれかのビール様発泡性飲料。
[8] 発酵ビール様発泡性飲料である、前記[1]~[7]のいずれかのビール様発泡性飲料。
[9] 飲料中のリン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満になるように調整する工程と、
飲料のβ-イオノン濃度が0.010ppb以上になるように調整する工程と、
を有する、ビール様発泡性飲料の製造方法。
[10] 原料として、β-イオノンを用いる、前記[9]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[11] β-イオノンの濃度が0.010~2.0ppbになるように調整する、前記[9]又は[10]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[12] β-イオノンの濃度が0.01~1.0ppbになるように調整する、前記[9]~[11]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[13] 飲料中の前記酸成分の総濃度及び飲料中のβ-イオノン濃度を、前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.00001以上になるように調整する、前記[8]又は[9]~[12]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[14] 飲料中の前記酸成分の総濃度及び飲料中のβ-イオノン濃度を、前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.002未満になるように調整する、前記[9]~[13]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[15] 飲料中のリン酸、クエン酸、ピルビン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、及びピログルタミン酸からなる酸成分の総濃度が1500ppm未満であるビール様発泡性飲料の香味を改善する方法であって、
飲料のβ-イオノン濃度が0.010ppb以上になるように調整する工程、
を有する、ビール様発泡性飲料の香味改善方法。
[16] β-イオノンの濃度が0.010~2.0ppbになるように調整する、前記[15]のビール様発泡性飲料の香味改善方法。
[17] 飲料中の前記酸成分の総濃度及び飲料中のβ-イオノン濃度を、前記酸成分の総濃度に対するβ-イオノンの濃度の比率([β-イオノンの濃度(ppb)]/[酸成分の総濃度(ppm)])が0.00001以上になるように調整する、前記[15]又は[16]のビール様発泡性飲料の香味改善方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るビール様発泡性飲料は、リン酸や有機酸の含有量が少ないにもかかわらず、味に締まりが感じられるとともに、ビールらしい華やかさも付与されており、嗜好性が高い。
また、本発明に係るビール様発泡性飲料の製造方法やビール様発泡性飲料の香味改善方法により、味に締まりが感じられ、かつビールらしい華やかさも有している、嗜好性の高いビール様発泡性飲料が製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明及び本願明細書において、「X1~X2(X1及びX2は、X1<X2を満たす実数)」は、「X1以上X2以下」の数値範囲を意味する。
本発明及び本願明細書において、「ppm」及び「ppb」は、それぞれ、「質量ppm」及び「質量ppb」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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