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公開番号
2024150378
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-23
出願番号
2023071873
出願日
2023-04-10
発明の名称
品質管理方法
出願人
株式会社日本バイオデータ
代理人
主分類
C12Q
1/6869 20180101AFI20241016BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】医薬品の品質をより精度よく測定できるデータ処理方法を提供する.
【解決手段】細胞の不均一性を調査する方法のうち,特にゲノム編集を含む製造プロセスにおいて,簡易で正確さにかける不均一性測定方法と,複雑で正確な不均一性測定方法のそれぞれで実施して,それらのデータ間の再現性を求めることで医薬品の品質管理の精度と経済合理性をバランスさせることができる.
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
医薬品の不均一性を測定するための方法であって,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程を含むトランスフェクションの効率とゲノム編集によって生じた欠失長を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNAもしくはRNAを全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスする工程を含むゲノム編集によって生じた欠失長を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含むトランスフェクションの効率を測定する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集によって生じた欠失長と,ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNAもしくはRNAを全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスする工程により測定したゲノム編集によって生じた欠失長を比較する方法と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクションの効率と,ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程によって測定したトランスフェクションの効率を比較する方法を
不足なく含む方法.
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
医薬品の品質を分析するためのシステム(1)であって,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクション効率の入力部(3)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したトランスフェクション効率の記憶部(5)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含む方法によって得られた,トランスフェクション効率の入力部(7)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,シングルセルトランスクリプトームシークエンスする工程を含む方法によって得られた,トランスフェクション効率の記憶部(9)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集による欠失長の入力部(13)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングする工程を含み,クローニング後に増殖した細胞に由来するDNA溶液と,トランスフェクションしたゲノム編集用ベクターが標的とする領域を含むゲノム上の領域をPCR反応によって増幅させるように設計されたPCR用のプライマーとなる100塩基より短いDNAの溶液を混合する工程により測定したゲノム編集による欠失長の記憶部(15)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングしたのちに全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスすることによって得られた,ゲノム編集による欠失長の入力部(17)と,
ゲノム編集用ベクターをトランスフェクションした細胞を,クローニングしたのちに全ゲノムシークエンスもしくは全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスすることによって得られた,ゲノム編集による欠失長の記憶部(19)と,を有し,
前記効率記憶部(5)と前記効率記憶部(9)の値を比較する効率比較部(11)と,
前記欠失長記憶部(15)と前記欠失長記憶部(19)の値を比較する欠失長比較部(21)を有する,
プログラム.
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって,
前記効率比較部(11)と前記欠失長比較部(21)の結果を統合し最終的にリーズナブルな手法を提案する総合判断部(23)を有する,
プログラム.
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって,シングルセルトランスクリプトームシークエンスの代わりにフローサイトメーターを用いることでトランスフェクション効率の値を得る方法.
【請求項5】
請求項2と請求項3に記載のプログラムであって,シングルセルトランスクリプトームシークエンスの代わりにフローサイトメーターを用いることでトランスフェクション効率の値を入力できるプログラム.
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,遺伝子治療や細胞治療のモダリティーである細胞やウイルスベクターのデータの取り扱いに関連し,データの取得および記録を利用するものである.より詳しく説明すると,本発明は,細胞やウイルスベクターから取得したデータを効果的に比較・分類するための電子データの加工方法に関する.
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
CRISPR-Cas3 induces broad and unidirectional genome editing in human cellsには, CRISPR-Cas3を用いてヒト細胞のゲノム編集を実施した事例が開示されている.細胞にゲノム編集を行うことにより不均一なゲノム配列を持った細胞集団が得られる.
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
論文名:CRISPR-Cas3 induces broad and unidirectional genome editing in human cells 刊行物名:Nature Communications 発行年月日:令和1年10月6日 発行社名:Springer Nature Limited URL:https://www.nature.com/articles/s41467-019-13226-x
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲノム編集を用いた遺伝子治療では,患者の細胞を取得して治療に利用する.一般に生物個体を構成する細胞は個性をもった不均一な集団である.この不均一な細胞に,ウイルスベクター等の遺伝子導入を行なうが,ウイルスベクター等の遺伝子導入手段の単体もまた不均一性を有する.従って,ゲノム編集を用いた遺伝子治療は,不均一な細胞に不均一な処理を行なって不均一な細胞を得る工程を含む.治療や治験用の製剤の不均一性の管理が求められてきた.
【課題を解決するための手段】
【0005】
最初の発明は,細胞の不均一性を調査する方法のうち,特にゲノム編集を含む製造プロセスにおいて,簡易で正確さにかける不均一性測定方法と,複雑で正確な不均一性測定方法のそれぞれで実施した場合に,それらのデータ間の再現性を突き止め,そしてその再現性を利用するためのデータの取り扱いにおいて用いる,比較の方法を見出したことに基づくものである.
【0006】
本発明の好ましい態様は,
簡易で正確さにかける不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,それらを増殖させて作出したクローン集団由来のDNAについて.分析を行う方法であって,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の両側にPCR用のプライマーを設計し,それらのプライマーを用いたPCRを行なって増幅されるPCR産物の塩基長を電気泳動等によって調査するか,またはPCR産物の塩基配列を解読することで実施できる.簡易で正確さにかける不均一性測定方法では,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合を知ることと,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞についてゲノム編集によってゲノム配列がどのように変更されたかを知ることができる.ゲノム編集によって変更されるゲノム配列の変更の例は,塩基配列の欠失,置換,挿入である.
【0007】
複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,もしくは微小流路によって細胞を一つずつ分取し,それらからDNAもしくはRNAを抽出してシングルセルの核酸シークエンス解析を実施する.全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスのデータから,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の塩基配列を分析することで実施できる.塩基配列の分析にはリードのマッピングやアセンブルを含む.ここに示した複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合を知ることができる.
【0008】
複雑で正確な不均一性測定方法は,ゲノム編集処理を行なった後の細胞集団について,セルソーターを用いて細胞を一つずつ分取し,それらを増殖させて作出したクローン集団由来のDNAについて.分析を行う方法であって,全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスを行う方法である.全ゲノムシークエンス,全エクソームシークエンスもしくは全トランスクリプトームシークエンスのデータから,ゲノム編集の効果が発現すると想定されるゲノム上の領域の塩基配列を分析することで実施できる.塩基配列の分析にはリードのマッピングやアセンブルを含む.複雑で正確な不均一性測定方法では,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞について,ゲノム編集によってゲノム配列がどのように変更されたかを知ることができる.ゲノム編集によって変更されるゲノム配列の変更の例は,塩基配列の欠失,置換,挿入である.
【0009】
簡易で正確さにかける不均一性分析結果と,複雑で正確な不均一性分析結果とを用いて,簡易で正確さにかける不均一製分析方法が信頼できるか否か分析する.分析の第一の観点は,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち,想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合である.簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値とを比較する.
【0010】
簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値がひとつであり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値もひとつである場合にも比較分析は可能であるが,より望ましい様態においては,ある細胞集団についてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値を取得し,さらにまた異なる細胞集団についてゲノム編集処理を行い,簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値と,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値を取得し,これを繰り返して簡易で正確さにかける不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値が複数であり,複雑で正確な不均一性分析によって得られた,ゲノム編集処理の対象とした細胞のうち想定されたゲノム編集が実際に起こった細胞の割合の値も複数である場合である.
(【0011】以降は省略されています)
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