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公開番号2024152057
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023065982
出願日2023-04-13
発明の名称濾過速度向上方法
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C12P 1/04 20060101AFI20241018BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微生物を用いた有用物質生産する場合の精密濾過工程における濾過速度を向上する方法を提供する。
【解決手段】微生物を用いた有用物質の発酵生産の精密濾過工程における濾過速度の向上方法であって、微生物として当該微生物の鞭毛遺伝子の機能を抑制した改変微生物を用いる、方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
微生物を用いた有用物質の発酵生産の精密濾過工程における濾過速度の向上方法であって、微生物として当該微生物の鞭毛遺伝子の機能を抑制した改変微生物を用いる、方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
鞭毛遺伝子の機能の抑制が当該遺伝子の発現抑制である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
鞭毛遺伝子の機能の抑制が当該遺伝子の発現量の低下である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
鞭毛遺伝子の発現量の低下が当該遺伝子の欠失又は不活性化によりなされる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
微生物がバチルス属細菌、エシェリヒア属細菌又はブレビバチルス属細菌である、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
微生物が枯草菌又はバチルス・リケニフォルミスである、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
鞭毛遺伝子が配列番号2若しくは4で示されるアミノ酸配列又はこれと少なくとも90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
枯草菌がsigE遺伝子、sigF遺伝子、spoIIE遺伝子、spoIISB遺伝子、sigG遺伝子のいずれか、及びspoIVCBからspoIIICまでの領域に含まれる遺伝子群から選ばれる1種以上の胞子形成関連遺伝子又は遺伝群を削除又は不活性化した枯草菌変異株である、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
精密濾過が平均細孔径0.01μm~10μmの精密濾過膜を用いて行われる、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は有用物質の発酵生産における精密濾過の濾過速度を向上する方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
微生物を用いた有用物質生産においては、目的とする酵素等の発酵生産物を回収するために、発酵液を濾過し、発酵液中の微粒子、培養細胞及び胞子等の不溶解物質を除去する工程が必要である。
ところが、濾過操作中に分離膜細孔の大きさに近い粒子によって分離膜の目詰まりを起こし、さらに膜面上に不溶解物質が堆積し、濾過効率の低下を招く問題がある。
【0003】
従来、こうした分離膜の物理的目詰まりや膜面上の不溶解物質の堆積に対し、膜面上を掃流しながら濾過を行う等の操作により、目詰まりや不溶解物質の堆積を避けていたが、高濃度菌体を含有する発酵液の場合には、発酵液の粘土が高いため、掃流する際の圧力損失が大きく、濾過圧力が増大し、不溶解物質の膜面上での圧密化をもたらし、かえって濾過効率の低下を招く問題があった。
【0004】
また、精密濾過透過速度の向上には、膜面上の不溶解物質の掃流のようなプロセスによる解決方法やカチオン性界面活性剤のような添加剤による解決策も用いられている。例えば、特許文献1では、精密濾過に際し高濃度の微生物を含有する酵素生産発酵培養液にカチオン性界面活性剤を0.01~1(W/V)添加することで精密濾過透過流速の向上と濾過効率を向上させることが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの解決策は発酵プロセスの煩雑化やそれに伴う生産時間の長期化や、最終製剤への添加剤の混入などの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4808725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、微生物を用いた有用物質を生産する場合の精密濾過工程における濾過速度を向上する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、鞭毛遺伝子の機能を抑制した微生物を用いることにより、精密濾過の際の濾過速度が大幅に向上するすることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下に係るものである。
微生物を用いた有用物質の発酵生産の精密濾過工程における濾過速度の向上方法であって、微生物として当該微生物の鞭毛遺伝子の機能を抑制した改変微生物を用いる、方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、有用物質の発酵生産の精密濾過工程において、濾過速度を向上させることができ、有用物質の生産に必要な時間やコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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