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公開番号2024132833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023186010
出願日2023-10-30
発明の名称植物生育促進剤
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A01N 43/08 20060101AFI20240920BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】植物の生育を促進するための方法及び素材を提供する。
【解決手段】(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合が10~3,000,000である、剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合が10~3,000,000である、剤。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合が4~100,000である、剤。
【請求項3】
(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の増収剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~3,000,000である、剤。
【請求項4】
(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の増収剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合4~100,000である、剤。
【請求項5】
(A)アスコルビン酸又はその塩及び(C)有機溶剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合、成分(A)が10~3,000,000であり、成分(C)が4~100,000である、請求項1~4のいずれか1項に記載の剤。
【請求項6】
(B)酸化防止剤が、さらに亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、グルタチオン及び尿酸から選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の剤。
【請求項7】
(C)有機溶剤がイソブチルアルコール、ジメチルスルホキシド及びグリセリンから選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の剤。
【請求項8】
さらに、(D)界面活性剤を組み合わせてなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の剤。
【請求項9】
(D)界面活性剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~300,000である、請求項8に記載の剤。
【請求項10】
(D)界面活性剤が少なくとも非イオン系界面活性剤を含む、請求項8又は9に記載の剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は植物の生育を促進するための方法及び素材に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
地球上における陸地の約3分の1は乾燥地に属し、今後の温暖化からさらなる乾燥地の増加が予想される。また人口増加による深刻な食糧不足対策として、果菜類、葉茎菜類、根菜類、禾穀類等の植物にとって乾燥地域、塩類集積地域、高温、低温とされる地域、すなわち生育が困難であるか、或いは生育が悪化し収量が低下する地域において、収量を改善、維持、増加する技術開発が急務となっている。
【0003】
多くの動植物にとって酸素は生存のために不可欠な物質であるが、一方で酸素は動植物の細胞内で反応性の高い、活性酸素を発生し、生体に遺伝子の損傷や酵素の失活などによる重大なダメージを与える。そのために植物体内にはL-アスコルビン酸を含む多くの抗酸化物質が蓄えられ、細胞のさまざまな場でこの抗酸化物質を用いて活性酸素を消去する複雑な酵素系が働いている。
【0004】
このような観点から、植物に施用して成長を促す素材には、アスコルビン酸を含む抗酸化剤を配合することがしばしば行われている。例えば、非特許文献1には、オリーブやサトウキビ、コムギなどでアスコルビン酸の施用による生育促進や収量増加効果が開示されている。また、非特許文献2では、マメ科作物に蒸留水で溶解した一定濃度のアスコルビン酸水溶液を計3回、栄養成長期または生殖成長期に葉面散布処理した場合に最大30%の増収効果を発揮できることが開示されている。また、特許文献1には、鉄(II)化合物及びL-アスコルビン酸を含有する水性組成物を用いて植物の生育を促進すること、特許文献2にはグリチルリチンとL-アスコルビン酸を含む水溶液を用いて植物の生育を促進することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭60-202805号公報
特開平08-143406号公報
【0006】
Akram et al., (2017) Ascorbic Acid-A Potential Oxidant Scavenger and Its Role in Plant Development and Abiotic Stress Tolerance. Frontiers in Plant Science,8:613
Zarghamnejad et al.,(2014)Chickpea response to ascorbic acid foliar application at vegetative and reproductive stages. International Journal of Biosciences, 5:166-170
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、植物の生育を促進するための方法及び素材を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アスコルビン酸を用いた植物の生育促進について検討した結果、アスコルビン酸を有機溶剤に溶解させた特定の酸化防止剤を組み合わせて用いることにより、果菜類、葉茎菜類、根菜類又は禾穀類の生育促進効果が発揮されることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の1)~6)に係るものである。
1)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~3,000,000である、剤。
2)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合4~100,000である、剤。
3)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の増収剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~3,000,000である、剤。
4)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤を組み合わせてなる果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の増収剤であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合4~100,000である、剤。
5)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤と、水を組み合わせて土壌又は植物に施用する工程を含む果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育促進方法であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~3,000,000である、方法。
6)(A)アスコルビン酸又はその塩、(B)酸化防止剤及び(C)有機溶剤と、水を組み合わせて土壌又は植物に施用する工程を含む果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の増収方法であって、(B)酸化防止剤が少なくともトコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上であり、(C)有機溶剤が炭素数5以下のアルコール、ジメチルスルホキシド及びポリオールから選ばれる1種以上であり、(A)アスコルビン酸又はその塩の割合(質量比)が、成分(B)を1とした場合10~3,000,000である、方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の方法によれば、果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類から選ばれる植物の生育量を増加させることができる。すなわち本発明によれば、果菜類、葉茎菜類、根菜類及び禾穀類の如き植物の作物の収量増加を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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