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公開番号2024123540
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031046
出願日2023-03-01
発明の名称吸収性物品
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人南青山国際特許事務所
主分類A61F 13/532 20060101AFI20240905BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】視認によらずとも排泄状態を把握することができる吸収性物品に関する。
【解決手段】吸収性物品は、縦方向と横方向と厚み方向を有し、かつ、腹側領域と股下領域と背側領域と、に区分される。吸収性物品は、吸収性部材を含む吸収体と透湿性を有するバックシートとを具備する。吸収性部材は、股下領域において一対の変形誘導部を有し、一対の変形誘導部の間に位置する中央領域と中央領域の横方向外側に位置するサイド領域とを有する。中央領域は、肌側に位置する肌側層と、非肌側に位置する非肌側層とを有する。吸収性部材は高吸水性ポリマーを含有し、中央領域において、高吸水性ポリマーは肌側層より非肌側層に多く偏在する。中央領域は、非肌側層のみが存在する第1領域と、厚み方向に非肌側層と肌側層が存在する第2領域とを有する。吸収性部材は、第1領域に、肌側層が存在しないことにより形成された空間を有する。第1領域に存在する非肌側層に含まれる高吸水性ポリマーは、吸水時に他の部材に固着しない。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交し着用者の左右方向に対応する横方向と、前記縦方向及び前記横方向に直交する厚み方向を有し、かつ、前記腹側に配される腹側領域と、前記股間部に配される股下領域と、前記背側部に配される背側領域と、に区分される吸収性物品であって、
前記腹側領域から前記背側領域に亘って配置され、吸収性部材を含む吸収体と、
前記吸収体の非肌側に配置され、透湿性を有するバックシートと
を具備し、
前記吸収性部材は、前記股下領域において前記縦方向にそれぞれ延び、前記横方向中央を挟んで配置された一対の変形誘導部を有し、
前記吸収性部材は、前記一対の変形誘導部の間に位置する中央領域と、前記中央領域の前記横方向外側に位置するサイド領域とを有し、
前記吸収性部材の前記中央領域は、肌側に位置する肌側層と、非肌側に位置する非肌側層とを有し、
前記吸収性部材は高吸水性ポリマーを含有し、前記中央領域において、前記高吸水性ポリマーは前記肌側層より前記非肌側層に多く偏在し、
前記中央領域は、前記非肌側層のみが存在する第1領域と、前記厚み方向に前記非肌側層と前記肌側層が存在する第2領域とを有し、
前記吸収性部材は、前記第1領域に、前記肌側層が存在しないことにより形成された空間を有し、
前記第1領域に存在する前記非肌側層に含まれる前記高吸水性ポリマーは、吸水時に他の部材に固着しない
吸収性物品。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記バックシートの非肌側に配置される外装体を更に具備し、
前記バックシートの引裂強度が高い方向と、前記外装体の引裂強度が高い方向とは交差する
請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収体は、前記サイド領域に配置され前記縦方向に延びる弾性部材を更に有する
請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記中央領域において、前記肌側層は前記厚み方向を貫通する前記縦方向に延びる1以上のスリットを有し、
前記空間は前記スリットにより形成される
請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記肌側層及び前記非肌側層はいずれも前記高吸水性ポリマーと繊維を含む混合積繊層であり、前記第2領域において前記肌側層と前記非肌側層とは前記厚み方向に連続する
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記肌側層と前記非肌側層はいずれも前記高吸水性ポリマーと繊維を含む混合積繊層であり、前記肌側層と前記非肌側層は前記厚み方向に積層される
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記肌側層は前記高吸水性ポリマーと繊維を含む混合積繊層であり、前記非肌側層は親水性繊維シートと当該親水性繊維シートに挟まれた前記高吸水性ポリマーを含む高吸水性ポリマーシートであり、前記肌側層と前記非肌側層は前記厚み方向に積層され、
前記非肌側層の前記高吸水性ポリマーの坪量は、前記肌側層の前記高吸水性ポリマーの坪量よりも多い
請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記バックシートの坪量は20g/m

以下である
請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記バックシートの透湿度は1.5g/100cm

・h以上である
請求項1から8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記バックシートは、複数の微細孔を有する透湿性フィルムで構成され、
前記バックシートでは、
0.06μm以上0.16μm以下の範囲の開孔径を有する微細孔の単位質量当たりの細孔容量が、2.5μm以上3.5μm以下の範囲の開孔径を有する微細孔の単位質量当たりの細孔容量よりも大きい
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつには、例えば、排尿を知らせるインジケータが配されるものがある(特許文献1参照。)。当該インジケータは、排尿によって色が変化し、おむつの装着を介助する介助者は、インジケータの色によって着用者の排尿を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-255559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、おむつが衣類に覆われている場合、衣類を脱がしてから上記インジケータの色の変化を視認することによって排泄状態を把握する必要がある。また、暗所下では、インジケータの色を確認することが難しい場合がある。また、介助者が例えば弱視や色覚異常等の視覚障害者である場合、インジケータの視認による排泄状態の把握が難しい場合がある。
【0005】
本発明は、視認によらずとも排泄状態を確認することができる吸収性物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る吸収性物品は、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、上記縦方向に直交し着用者の左右方向に対応する横方向と、上記縦方向及び上記横方向に直交する厚み方向を有し、かつ、上記腹側に配される腹側領域と、上記股間部に配される股下領域と、上記背側部に配される背側領域と、に区分される。
上記吸収性物品は、吸収体と、バックシートとを具備する。
上記吸収体は、上記腹側領域から上記背側領域に亘って配置され、吸収性部材を含む。
上記バックシートは、上記吸収体の非肌側に配置され、透湿性を有する。
上記吸収性部材は、上記股下領域において上記縦方向にそれぞれ延び、上記横方向中央を挟んで配置された一対の変形誘導部を有する。
上記吸収性部材は、上記一対の変形誘導部の間に位置する中央領域と、上記中央領域の上記横方向外側に位置するサイド領域とを有する。
上記吸収性部材の上記中央領域は、肌側に位置する肌側層と、非肌側に位置する非肌側層とを有する。
上記吸収性部材は高吸水性ポリマーを含有し、上記中央領域において、上記高吸水性ポリマーは上記肌側層より上記非肌側層に多く偏在する。
上記中央領域は、上記非肌側層のみが存在する第1領域と、上記厚み方向に上記非肌側層と上記肌側層が存在する第2領域とを有する。
上記吸収性部材は、上記第1領域に、上記肌側層が存在しないことにより形成された空間を有する。
上記第1領域に存在する上記非肌側層に含まれる上記高吸水性ポリマーは、吸水時に他の部材に固着しない。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品によれば、視認によらずとも排泄状態を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1の実施形態に係る使い捨ておむつの一例を示す概略斜視図である。
第1の実施形態に係わる使い捨ておむつの平面図であり、使い捨ておむつを展開し、各部の弾性部材を伸張させて平面状に広げた状態で、肌側(表面材側)から見た態様を示す。
図2のIII-III線で切断した第1の実施形態に係わる使い捨ておむつの模式的な断面図である。
第1の実施形態に係わる使い捨ておむつの一部を構成する吸収性コアの一例を示す平面図である。
着用時における第1の実施形態に係わる使い捨ておむつの一例を示す模式的な断面図である。
上記バックシートの細孔径分布の一例を示すグラフであり、横軸は細孔径(μm)、縦軸は細孔容量(ml/g)である。
バックシートを構成する透湿フィルムの構造を模式的に示した平面図である。
着用時における第2の実施形態に係わる使い捨ておむつの模式的な断面図である。
着用時における第3の実施形態に係わる使い捨ておむつの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では、本発明に係る吸収性物品がパンツ型使い捨ておむつとして構成される例を挙げる。
【0010】
<第1実施形態>
[使い捨ておむつの全体構成]
図1~図5には、本発明の第1実施形態に係る吸収性物品として、パンツ型使い捨ておむつ1が示されている。パンツ型使い捨ておむつ1は、以下、おむつ1と称する。
おむつ1は、縦方向X、横方向Y及び厚み方向Zを有する。縦方向Xは、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる。横方向Yは、縦方向Xに直交し、着用者の左右方向に対応する。厚み方向Zは、おむつ1の縦方向X及び横方向Yに直交する方向とする。
本明細書において、横方向Yに関しては、おむつ1を横方向Yに2等分する縦中心線CLに近づく側を「横方向Y内側」といい、縦中心線CLから遠ざかる側を「横方向Y外側」という。
本明細書において、各構成を厚み方向Zから見る場合、平面視という。なお、本明細書では、各構成における肌側とは、使い捨ておむつ着用時の着用者の肌側に位置する側を示す。各構成における非肌側とは、使い捨ておむつ着用時の着用者の肌側とは反対側に位置する側を示す。また、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上、着衣に近い側を下ということがある。
(【0011】以降は省略されています)

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