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公開番号
2024163786
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-22
出願番号
2023079665
出願日
2023-05-12
発明の名称
ゴム組成物
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C08L
21/00 20060101AFI20241115BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】改質架橋ゴム粒子を含む場合であっても、加工性向上剤を用いることで、ムーニー粘度が低減され、加工性に優れるゴム組成物、及び該ゴム組成物を含むゴム成形体、並びに該ゴム組成物及び該ゴム成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】〔1〕改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を含有し、前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子であるゴム組成物、〔2〕前記〔1〕のゴム組成物を加硫したゴム成形体、〔3〕改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を配合する工程を有し、前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子であるゴム組成物の製造方法、及び〔4〕前記〔3〕のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を加硫する工程を有するゴム成形体の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を含有し、
前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子である、ゴム組成物。
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【請求項2】
前記剪断応力を加える工程における処理温度が、10℃以上150℃以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記改質架橋ゴム粒子の平均粒子径が、0.3mm以上20mm以下である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記架橋ゴムが、使用済みゴムである、請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項5】
前記使用済みゴムが、廃タイヤである、請求項4に記載のゴム組成物。
【請求項6】
前記加工性向上剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリルアミン誘導体及びプロセスオイルから選ばれる1種以上である、請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項7】
前記未架橋ゴム成分が、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項8】
前記架橋ゴム粒子の下記膨潤率の測定方法により測定される膨潤率に対する、前記改質架橋ゴム粒子の下記膨潤率の測定方法により測定される膨潤率の比(改質架橋ゴム粒子の膨潤率/架橋ゴム粒子の膨潤率)が、0.90以上0.98以下である、請求項1~7のいずれかに記載のゴム組成物。
(膨潤率の測定方法)
前記改質架橋ゴム粒子又は前記架橋ゴム粒子を、10MPa、145℃で10分間加熱し、厚さ2mmのシート状成形体とする。得られたシート状成形体を、JIS K 6251:2017に規定のダンベル状5号形の形状の試験片とする。得られた試験片をキシレン100mLに室温(約23℃)で3日間浸漬する。浸漬前の試験片の重量及び浸漬後の試験片の重量を測定し、以下の計算式に基づき、膨潤率を求める。
膨潤率(%)=(浸漬後の試験片の重量/浸漬前の試験片の重量)×100
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物を加硫した、ゴム成形体。
【請求項10】
改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を配合する工程を有し、
前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子である、ゴム組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いたゴム成形体、並びに該ゴム組成物及び該ゴム成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、循環型社会の実現に向け、より一層のサステナビリティ(持続可能性)が求められている。
例えば、廃タイヤ等の使用済みのゴムは、定期的な交換が必要な部品に使われることが多く、大量に発生している。使用済みゴムは、例えばサーマルリサイクル用燃料としての使用や、粉末状のゴム等に加工し、弾性材料等の材料としての使用等により再資源化されている。
【0003】
また、特許文献1には、実用的なゴム特性を有する再生ゴム成形品の再生ゴム原料として、それ単独で使用可能な再生脱硫ゴムを提供することを目的として、硫黄架橋結合が切断され,粒径が100nm以下であるカーボンブラックを含有していることを特徴とする再生脱硫ゴムが開示されている。
また、特許文献2には、再生ゴム押出成形品の原料として、それ単独で実用に耐え得るだけのゴム特性を有する再生ゴムを製造できる方法を提供することを目的として、密閉式混練機に入れた加硫ゴムにせん断力を加えることにより流動性と可塑性を与えて再生化処理を施す一方、上記加硫ゴムの元の状態である未加硫状態での見かけの活性化エネルギーの値に基づいて練り仕上げ時間を予め設定しておき、再生化処理中における密閉式混練機の負荷トルクがピークを過ぎた後であって且つこのピーク時を始期とする上記練り仕上げ時間が経過するまでの間に再生ゴムを密閉式混練機から取り出すことを特徴とする再生ゴムの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平9-227724号公報
特開2005-231091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2により得られる加硫(架橋)されたゴムが改質されたゴム材料は、十分な脱架橋効果を得るためには、処理時に高温で加熱を行う必要がある。そのため、特許文献1及び2により得られるゴム材料は、分子量の低下や軟化が生じ、ゴム組成物に用いた場合に、物性低下が避けられなかった。
一方、本発明者は、すでに架橋ゴム粒子に振動ミル等で圧縮剪断応力処理を行うことで、改質前の架橋ゴムの粒子よりも、脱架橋された状態となり、ゴム組成物中にこの改質ゴム粒子を配合した場合において、ゴム成分として未架橋ゴムのみ用いた加硫ゴム組成物と同等以上の損失正接、強度及び伸縮性を有する改質架橋ゴム粒子を見出している(特願2022-156500)。
しかしながら、前記改質架橋ゴム粒子は、損失正接、強度及び伸縮性を向上させる効果が見られたが、ゴム組成物へ添加した際にムーニー粘度が高くなり、加工性が十分とは言えなかった。
本発明は、改質架橋ゴム粒子を含む場合であっても、加工性向上剤を用いることで、ムーニー粘度が低減され、加工性に優れるゴム組成物、及び該ゴム組成物を含むゴム成形体、並びに該ゴム組成物及び該ゴム成形体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、使用済みのゴム等の架橋ゴム粒子に、振動ミルによる剪断力を加えた改質架橋ゴム粒子を用いることで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕~〔4〕に関する。
〔1〕改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を含有し、前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子である、ゴム組成物。
〔2〕前記〔1〕のゴム組成物を加硫した、ゴム成形体。
〔3〕改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を配合する工程を有し、前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子である、ゴム組成物の製造方法。
〔4〕前記〔3〕のゴム組成物の製造方法で得られたゴム組成物を加硫する工程を有する、ゴム成形体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、改質架橋ゴム粒子を含む場合であっても、加工性向上剤を用いることで、ムーニー粘度が低減され、加工性に優れるゴム組成物、及び該ゴム組成物を含むゴム成形体、並びに該ゴム組成物及び該ゴム成形体の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、改質架橋ゴム粒子、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分を含有し、前記改質架橋ゴム粒子が、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程により処理された改質架橋ゴム粒子である。
【0009】
本発明によれば、ムーニー粘度を低減させ、加工性が向上されたゴム組成物を得ることができる。その詳細な理由は定かではないが、次のように考えられる。
使用済みゴム等の架橋ゴムをリサイクルする際に、カッターミルやハンマーミル等で剪断応力を加えて加工することにより、粒子状に加工し、新たなゴム成形体の原料の一部として用いていた。しかしながら、カッターミルやハンマーミル等で剪断応力を加える方法の場合、架橋ゴムは、単に粒子化されるのみであった。
一方、本発明で用いる改質架橋ゴム粒子は、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える、いわゆるメカノケミカル処理を施すことで得られるものである。そのため、本発明で用いる改質架橋ゴム粒子は、加えられた剪断応力及び発生したラジカルの作用により、主に架橋ゴムの架橋点の結合が部分的に切断された状態となり、脱架橋された状態となっている。その結果、本発明で用いる改質架橋ゴム粒子は、加工性向上剤及び未架橋ゴム成分と馴染みやすくなるため、ムーニー粘度が低減し、加工性が向上すると考えられる。
また、本発明で用いる改質架橋ゴム粒子は、例えば特許文献1及び2のような、従来の方法で処理されたゴム材料と比較して、分子量の低下等が抑制されるため、ゴム組成物に用いた場合においても、物性の低下を抑制することができる。
また、本発明で用いる改質架橋ゴム粒子は、物性の低下を抑制できることから、より多量にゴム組成物に配合することが可能となる。すなわち、本発明のゴム組成物は、従来の架橋ゴムを用いたゴム組成物よりも、リサイクル性に優れるものである。
【0010】
<改質架橋ゴム粒子>
本発明における改質架橋ゴム粒子は、架橋ゴム粒子に振動ミルによって剪断応力を加える工程によって処理された改質架橋ゴム粒子である。
本発明における改質架橋ゴム粒子は、上記の工程によって処理されることにより、脱架橋された状態となるため、加工性向上剤及び他の材料と馴染みやすくなり、本発明のゴム組成物のムーニー粘度を低減させ、加工性を向上することができる。
また、本発明における改質架橋ゴム粒子は、上記の工程により処理されるため、脱架橋の際に、架橋点を形成していた硫黄成分は、揮発等によって除去され難く、改質架橋ゴム粒子中に残存しやすい。さらに、この改質架橋ゴム粒子中に残存する架橋点を形成していた硫黄成分は、ゴム成分を再架橋する能力を残していると考えられる。よって、本発明における改質架橋ゴム粒子は、硫黄等の架橋剤を追加せずとも、再架橋することが可能であると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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