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公開番号2025106780
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-16
出願番号2024118836
出願日2024-07-24
発明の名称消臭剤組成物
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類B22C 1/10 20060101AFI20250709BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭のみならず、衣類に付着した不快臭をも、不快感を生じさせることなく消臭可能な消臭剤組成物を提供すること。
【解決手段】有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭に対する消臭剤組成物であって、下記の成分(A)及び成分(B)を含有する、消臭剤組成物。
(A)γ-デカラクトン及びジャスモンから選ばれる1種以上
(B)イオノン及びダマセノンから選ばれる1種以上
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭に対する消臭剤組成物であって、
下記の成分(A)及び成分(B)を含有する、消臭剤組成物。
(A)γ-デカラクトン及びジャスモンから選ばれる1種以上
(B)イオノン及びダマセノンから選ばれる1種以上
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
成分(A)と成分(B)との質量比 [(A)/(B)]が0.1以上10000以下である、請求項1に記載の消臭剤組成物。
【請求項3】
成分(A)の含有量が0.01質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
【請求項4】
成分(B)の含有量が0.0001質量%以上25質量%以下である、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
【請求項5】
成分(A)がγ-デカラクトンであり、かつ、成分(B)がイオノンである、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
【請求項6】
成分(A)がジャスモンであり、かつ、成分(B)がダマセノンである、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
【請求項7】
更に、成分(C)として、下記の化合物を含む、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
(C)リナロール、リナロールオキシド、ラズベリーケトン、オイゲノール、酢酸ゲラニル、ゲラニオール、ネロール、2-フェニルエチルアルコール及びクマリンから選ばれる1種又は2種以上
【請求項8】
更に、成分(D)として、下記の(d1)~(d5)から選ばれる1種又は2種以上の溶剤を含む、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物
(d1)ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールから選ばれる2価アルコール(d2)エタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及びジプロピレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1価アルコール
(d3)安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル及びクエン酸トリエチルから選ばれるエステル
(d4)ジペンテン及びリモネンから選ばれる単環式モノテルペン
(d5)水
【請求項9】
有機鋳型用材料が、耐火性骨材及び有機固化剤を含むものである、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
【請求項10】
下記の(I)及び(II)から選択される1以上の態様で使用される、請求項1又は2に記載の消臭剤組成物。
(I)有機鋳型用材料が加熱される前に、有機鋳型用材料に消臭剤組成物を添加する。
(II)有機鋳型用材料が加熱される作業空間に、有機鋳型用材料の加熱前、加熱中及び加熱後のいずれか1以上において消臭剤組成物を噴霧する。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭剤組成物に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
鋳型は、例えば、耐火性骨材と、該骨材を固めるための固化剤とを含む鋳型用材料を鋳枠に充填し硬化して製造される。鋳型用材料には、固化剤として、無機物を含有する無機鋳型用材料と、有機物を含有する有機鋳型用材料がある。しかし、有機鋳型用材料は、良質の鋳型を経済的に量産するのに有用である反面、加熱した際に不快臭が発生するため、作業環境の悪化を防止するための対策が必要になる。
【0003】
従来、作業環境の臭気対策として、有機鋳型用材料に消臭剤組成物として、例えば、クマリン、イソボニルアセテート及びβ-イオノンを含有する鋳物砂用添加剤(特許文献1)、3環式炭化水素骨格を有するエステルを含有する香料系消臭剤(特許文献2)、3環式炭化水素骨格を有するエステル、α、β-不飽和ケトン、及びα、β-不飽和アルデヒドからなる群より選ばれる1種以上を含む香料系消臭剤(特許文献3)等を添加することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭47-42419号公報
特開2002-210538号公報
特開2023-30300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の消臭剤組成物は、作業空間における不快臭の低減効果が得られるものの、作業者の衣類に付着した不快臭に対して十分な消臭効果が得られないという課題がある。また、衣類に残留した香りが却って作業者を不快にさせるという課題もある。
本発明の課題は、有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭のみならず、衣類に付着した不快臭をも、不快感を生じさせることなく消臭可能な消臭剤組成物及びそれを用いた消臭方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記した課題に鑑み研究を重ねた結果、特定の香料成分を組み合わせた消臭剤組成物とすることで、少量であったとしても、鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に熱によって有機鋳型用材料から放出された不快臭と共に、消臭剤組成物中の香料成分が作業空間に拡散して適度な強度の匂いを発現し、しかも衣類表面に吸着して比較的長時間残留できるため、作業空間と衣類の両方に存在する不快臭を、不快感を生じさせることなく消臭できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、次の〔1〕~〔12〕を提供する。
〔1〕 有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭に対する消臭剤組成物であって、
下記の成分(A)及び成分(B)を含有する、消臭剤組成物。
(A)γ-デカラクトン及びジャスモンから選ばれる1種以上
(B)イオノン及びダマセノンから選ばれる1種以上
〔2〕 成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.1以上10000以下である、前記〔1〕に記載の消臭剤組成物。
〔3〕 成分(A)の含有量が0.01~50質量%である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の消臭剤組成物。
〔4〕 成分(B)の含有量が、0.0001~25質量%である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
〔5〕 成分(A)がγ-デカラクトンであり、かつ、成分(B)がイオノンである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
〔6〕 成分(A)がジャスモンであり、かつ、成分(B)がダマセノンである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
〔7〕 更に、成分(C)として、下記の化合物を含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
(C)リナロール、リナロールオキシド、ラズベリーケトン、オイゲノール、酢酸ゲラニル、ゲラニオール、ネロール、2-フェニルエチルアルコール及びクマリンから選ばれる1種又は2種以上
〔8〕 更に、成分(D)として、下記の(d1)~(d5)から選ばれる1種又は2種以上の溶剤を含む、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物
(d1)ジプロピレングリコール及びプロピレングリコールから選ばれる2価アルコール(d2)エタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール及びジプロピレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる1価アルコール
(d3)安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル及びクエン酸トリエチルから選ばれるエステル
(d4)ジペンテン及びリモネンから選ばれる単環式モノテルペン
(d5)水
〔9〕 有機鋳型用材料が、有機固化剤を含むものである、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
〔10〕 下記の(I)及び(II)から選択される1以上の態様で使用される、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一に記載の消臭剤組成物。
(I)有機鋳型用材料が加熱される前に、有機鋳型用材料に消臭剤組成物を添加する。
(II)有機鋳型用材料が加熱される作業空間に、有機鋳型用材料の加熱前、加熱中及び加熱後のいずれか1以上において消臭剤組成物を噴霧する。
〔11〕 有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭の消臭方法であって
下記の成分(A)及び成分(B)を含有する消臭剤組成物を用いる、消臭方法。
(A)γ-デカラクトン及びジャスモンから選ばれる1種以上
(B)イオノン及びダマセノンから選ばれる1種以上
〔12〕 消臭剤組成物を、下記の(I)及び(II)から選択される1以上の態様で用いる、前記〔11〕に記載の低減方法。
(I)有機鋳型用材料が加熱される前に、有機鋳型用材料に消臭剤組成物を添加する。
(II)有機鋳型用材料が加熱される作業空間に、有機鋳型用材料の加熱前、加熱中及び加熱後のいずれか1以上において消臭剤組成物を噴霧する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有機鋳型用材料を用いた鋳型の造型時又は該鋳型への注湯時に発生する不快臭のみならず、衣類に付着した不快臭をも、不快感を生じさせることなく消臭可能な消臭剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔消臭剤組成物〕
本発明の消臭剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を含有するものである。
本発明は、成分(A)及び成分(B)の弱い香りで不快臭と調和させて心地よい香りに変調させ、不快臭を目立たなくする点で、強い匂いを発する香料成分で不快臭を隠蔽する従来のマスキング技術とは異なる。即ち、造型工程や注湯工程において熱によって有機鋳型用材料から放出される不快臭とともに、成分(A)及び成分(B)が熱対流によって作業空間に拡散し、拡散後も一定の空間濃度を保ったまま浮遊し続け、不快臭と調和させて心地よい香りに変調させ目立たなくし、造型工程や注湯工程における作業空間が心地よく感じられるため、不快感を生ずることなく消臭することができる。また、成分(A)及び成分(B)は、作業衣等の衣類表面に到達した際に衣類表面に平衡吸着し易いため、一旦吸着すると直ぐに脱着することなく比較的長時間衣類表面に残留し、その後、徐々に衣類表面から脱着する特性を有しているため、従来の消臭剤組成物に比べ、不快感を生ずることなく、心地よい香りとして知覚させることができる。
【0010】
<成分(A)>
本発明の消臭剤組成物は、成分(A)として、γ-デカラクトン及びジャスモンから選ばれる1種以上を含有する。ジャスモンは、作業空間及び衣類に対する優れた消臭効果発現の観点、並びに作業空間及び衣類に対する心地よい香りによる優れた嗜好性付与の観点から、cis-ジャスモンであるか、あるいはcis-ジャスモン及びtrans-ジャスモンの混合物であることが好ましい。混合物中のcis-ジャスモンの割合は50質量%以上であれば特に限定されないが、作業空間及び衣類への優れた消臭効果発現の観点から、cis-ジャスモンとtrans-ジャスモンとの質量比(cis:trans)として、50:50~99.99:0.01が好ましく、60:40~95:5がより好ましく、70:30~90:10が更に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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