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公開番号2024097398
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-19
出願番号2023000823
出願日2023-01-06
発明の名称免疫グロブリン結合性タンパク質
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C12N 15/31 20060101AFI20240711BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 Finegoldia属細菌由来Protein L(FpL)の免疫グロブリン結合ドメインを多量体化したタンパク質であって、抗体吸着量が高いタンパク質、および当該タンパク質を結合した不溶性担体からなる免疫グロブリン吸着剤を提供すること。
【解決手段】 FpLの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを、2以上連続したプロリン残基を少なくとも含み、ただしリジン残基を含まない、2残基以上8残基以下からなるオリゴペプチドリンカーを介して連結した、免疫グロブリン結合性タンパク質により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを2以上と、当該ポリペプチド間を連結させるためのリンカーとを含む、免疫グロブリン結合性タンパク質であって、
前記リンカーが、2以上連続したプロリン残基を少なくとも含み、ただしリジン残基を含まない、2残基以上8残基以下からなるオリゴペプチドである、前記タンパク質。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインが、以下の(1)から(4)のいずれかである、請求項1に記載のタンパク質;
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を少なくとも含むポリペプチド、
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列の部分配列を少なくとも含み、かつ免疫グロブリン活性を有するポリペプチド、
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列またはその部分配列を含み、ただしこれら配列において、1もしくは数箇所での1もしくは数個のアミノ酸残基の置換、欠失および/または付加を含み、かつ免疫グロブリン結合活性を有するポリペプチド、
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列またはその部分配列と70%以上の相同性を有するアミノ酸配列を少なくとも含み、かつ免疫グロブリン活性を有するポリペプチド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項4】
請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項5】
請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む、遺伝子組換え宿主。
【請求項6】
宿主が大腸菌である、請求項5に記載の遺伝子組換え宿主。
【請求項7】
請求項5に記載の遺伝子組換え宿主を培養し請求項1または2に記載のタンパク質を発現させる工程と、発現した前記タンパク質を回収する工程とを含む、前記タンパク質の製造方法。
【請求項8】
不溶性担体と、当該不溶性担体に固定化した請求項1または2に記載のタンパク質とを含む、免疫グロブリン吸着剤。
【請求項9】
請求項8に記載の吸着剤を充填したカラムに免疫グロブリンを含む溶液を添加し当該免疫グロブリンを前記吸着剤に吸着させる工程と、前記吸着剤に吸着した免疫グロブリンを溶出させる工程とを含む、前記溶液中に含まれる免疫グロブリンの分離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫グロブリンに特異的に結合するタンパク質に関する。より詳しくは、本発明は、Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを多量体化したタンパク質であって、従来の多量体化したタンパク質に対して抗体吸着量が向上したタンパク質に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
抗体医薬は生体内の免疫機能を担う分子である抗体(免疫グロブリン)を利用した医薬である。抗体医薬は抗体が有する可変領域の多様性により標的分子に対し高い特異性と親和性をもって結合する。そのため抗体医薬は副作用が少なく、また、近年では適応疾患が広がってきていることもあり市場が急速に拡大している。
【0003】
抗体医薬の製造は培養工程と精製工程を含み、培養工程では生産性を向上させるために抗体産生細胞の改質や培養条件の最適化が図られている。また、精製工程では粗精製としてアフィニティークロマトグラフィーが採用され、その後の中間精製、最終精製、およびウイルス除去を経て製剤化される。
【0004】
精製工程では抗体分子を特異的に認識するアフィニティー担体が用いられる。前記担体で用いられるリガンドタンパク質として、抗体(免疫グロブリン)に結合する性質を有した、ブドウ球菌(Staphylococcus)属細菌由来Protein Aが多く用いられている(特許文献1)。しかしながら、Protein Aは抗体のFc領域に特異的に結合するタンパク質であるため、シングルチェーンFv(scFv)、Fab、F(ab’)

、IgAおよび二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体といったFc領域を有しない抗体の精製には適用できなかった。一方、Finegoldia属細菌由来Protein Lは、免疫グロブリンのκ軽鎖に結合するタンパク質であり、Protein Lをリガンドタンパク質とすることで、前述したProtein Aでは精製できない、Fc領域を有しない抗体の精製も可能となる(特許文献2)。
【0005】
抗体医薬の生産性向上の観点から、アフィニティー吸着剤当たりの抗体吸着量の向上も求められている。抗体吸着量を向上させたリガンドとして、免疫グロブリン結合ドメインをタンデムに連結したポリペプチド(非特許文献1)や、リンカーを介して免疫グロブリン結合ドメインを二つ以上連結したポリペプチド(特許文献3)が開示されている。しかしながらProtein Lについては、前記リンカーによる、吸着量向上の効果は十分とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2010-504754号公報
WO2017/191748号
WO2015/050153号
【非特許文献】
【0007】
Freiherr von Roman M他,Journal of chromatography A,1347,80-86,2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを多量体化したタンパク質であって、従来の多量体化したタンパク質に対して抗体吸着量が向上したタンパク質、および不溶性担体と当該担体に固定化した前記タンパク質とを含む免疫グロブリン吸着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これまでの先行技術より、免疫グロブリン結合ドメイン間のリンカー長が増大するほど、抗体吸着量が向上することが分かっていた(WO2015/050153号)。しかし、長いリンカーでタンパク質を連結させた場合、分子量が大きくなってしまい、大腸菌発現系での生産性低下のおそれがあるという問題点があった。そこで本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、免疫グロブリン結合ドメイン間を連結させるためのリンカーペプチドのアミノ酸配列を最適化することで、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の態様を包含する:
[1]Finegoldia属細菌由来Protein Lの免疫グロブリン結合ドメインを少なくとも含むポリペプチドを2以上と、当該ポリペプチド間を連結させるためのリンカーとを含む、免疫グロブリン結合性タンパク質であって、
前記リンカーが、2以上連続したプロリン残基を少なくとも含み、ただしリジン残基を含まない、2残基以上8残基以下からなるオリゴペプチドである、前記タンパク質。
(【0011】以降は省略されています)

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