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公開番号2024094545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022211164
出願日2022-12-28
発明の名称PCR用溶液
出願人杏林製薬株式会社
代理人
主分類C12Q 1/686 20180101AFI20240703BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いたPCRにおいて、核酸増幅効率、検出感度に優れた核酸増幅方法を提供することである。
【解決手段】
以下の成分(A)~(D)を含有し、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いることを特徴とする核酸増幅用組成物。
(A)DNAポリメラーゼ
(B)フォワードプライマー及びリバースプライマー
(C)炭素数2~6の直鎖、分岐鎖又は環状のジオール
(D)非イオン界面活性剤
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
以下の成分(A)~(D)を含有し、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いることを特徴とする核酸増幅用組成物。
(A)DNAポリメラーゼ
(B)フォワードプライマー及びリバースプライマー
(C)炭素数2~6の直鎖、分岐鎖又は環状のジオール
(D)非イオン界面活性剤
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
成分(A)DNAポリメラーゼが、抗DNAポリメラーゼ抗体が結合したポリメラーゼである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(C)が、炭素数2~6の直鎖のジオールである、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
さらに成分(E)蛍光色素で標識されたプローブを含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
成分(E)が、レポーター蛍光色素及びクエンチャー色素を有するプローブである、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
さらに成分(F)DMSOを含有する請求項3記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はPCR用溶液に関する。なお、本明細書に記載される文献は、下記先行技術文献(特許文献及び非特許文献)として挙げた文献を含め、全ての文献につき、記載される全ての内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
核酸の検出は、医薬品の研究開発、法医学、臨床検査、農作物や病原性微生物の種類の同定など、様々な分野において中核をなしている。当該核酸の検出のために、PCR(polymerase chain reaction)が広く用いられている。PCRはDNAのある特定領域を選択的に増幅する技術である。具体的には、サーマルサイクルと呼ばれる三相もしくは二相の温度条件を繰り返すことにより、単一鎖へのDNAの変性、変性されたDNA一本鎖とプライマーのアニーリング、及び熱安定性DNAポリメラーゼ酵素によるプライマーの伸長という個々の反応を順次繰り返すことによりDNAを増幅する。
【0003】
また、PCRにより増幅されたDNAの検出を容易とするリアルタイムPCRが開発されている。
PCRは目的のDNAを選択的に増幅できるが、増幅したDNAを確認するためには、PCRの終了後に別途ゲル電気泳動などによる確認作業が必要であった。リアルタイムPCRでは目的のDNAの増幅量に合わせ蛍光を発生もしくは消光させることにより、試料中の目的のDNAの有無を簡便に確認できるようになった。
また、従来のPCRでは、PCR前の試料中のテンプレートDNA量が一定量を超えると、PCR後の増幅DNA量はプラトーに達していることが多く、PCR前のテンプレートDNA量を定量することはできない。しかし、リアルタイムPCRにおいては、プラトーに達する前に、PCR途中の増幅DNA量をリアルタイムに検出できるため、DNA増幅の様子からPCR前のテンプレートDNA量を定量することが可能である。そのためリアルタイムPCRは、定量的PCRとも呼ばれる。
【0004】
また、1つのPCR反応系に複数のプライマー対を用いることで、複数の遺伝子領域を同時に増幅するマルチプレックスPCRが注目されている。マルチプレックスPCRを発展させたリアルタイムマルチプレックスPCRは、それぞれのターゲットを、他のターゲットの影響(クロストーク)を受けにくく、感度を落とすことなく、複数の異なるターゲット遺伝子を区別して検出し、定量的な結果を得ることを目的としている。
【0005】
PCRに使用される汎用のサーマルサイクラー装置は、ヒーターであるアルミブロック部の巨大な熱容量のため温度制御が遅く、30~40サイクルのPCR操作に従来1~2時間、場合によってはそれ以上を要する。そのため、最新の遺伝子検査装置を用いても分析にはトータルで、通常1時間以上を要しており、PCR操作の高速化は、技術登場以来の大きな課題であった。
【0006】
PCRの高速化のための手法として、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置が提案されている(特許文献1)。
レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いるPCRにおいては、マイクロプロア等の送液機構を使用し、中間流路を介して連通している変性温度帯に維持されている流路と伸長およびアニーリング温度帯に維持されている流路との間で試料液を行き来させ、DNAを増幅する。
【0007】
また、さらに、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を使用してPCRの高速化を実現するとともに、ノイズも低下させたリアルタイムマルチプレックスPCRも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2016/006612号
国際公開第2020/189581号
国際公開第2022/153999号
米国特許2005/042627
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いたPCRにおいては流路内を行き来させる試料液において複数の気泡が生じ、それらが結合してより大きな気泡が生じた結果、試料液が流路内で分断されることがあった(該状態を本明細書では液分かれという)。特に、単一鎖へのDNAの変性においては、試料液の温度を沸点に近い温度まで上昇させるため気泡が生じやすくなる。
気泡発生を抑制するためにPCRの変性温度を下げることもできるが、変性温度を下げると核酸の増幅効率が下がるという不都合を生じる。核酸の増幅効率を下げないために、変性時間を長くすることでカバーすることも可能ではあるが、PCR時間が延びるため望ましいとはいえない。
そこで、本発明の目的は、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いたPCRにおいて、核酸増幅効率、検出感度に優れた核酸増幅方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のとおりである。
以下の成分(A)~(D)を含有し、レシプロカルフロー型の核酸増幅装置を用いることを特徴とする核酸増幅用組成物。
(A)DNAポリメラーゼ
(B)フォワードプライマー及びリバースプライマー
(C)炭素数2~6の直鎖、分岐鎖又は環状のジオール
(D)非イオン界面活性剤
2)成分(A)DNAポリメラーゼが、抗DNAポリメラーゼ抗体が結合したポリメラーゼである、1)記載の組成物。
3)成分(C)が、炭素数2~6の直鎖のジオールである、1)記載の組成物。
4)さらに成分(E)蛍光色素で標識されたプローブを含有する、1)記載の組成物。
5)成分(E)が、レポーター蛍光色素及びクエンチャー色素を有するプローブである、4)記載の組成物。
6)さらに成分(F)DMSOを含有する3)記載の組成物。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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