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公開番号2024112493
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023017544
出願日2023-02-08
発明の名称培養システム
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人桐朋
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240814BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】微細藻類及び培養液が十分に撹拌される培養システムを提供する。
【解決手段】培養システム(10)は、微細藻類を培養するための培養槽(20)を含む培養装置(12)と、培養液(L)を回収する回収装置(14)とを備える。培養槽は、該培養槽の深さ方向(X)において該培養槽の最低位置に位置する底部(30)を有する。回収装置は、培養槽内に収容される回収管(50)を有する。回収管は、内部空間を有する筒状体である。回収管は、培養槽の底部に沿って延在する底側回収部(62)を有する。底側回収部は、培養槽の深さ方向の上方を向く部位に形成された開放口(72)を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
微細藻類を培養するための培養槽を含む培養装置と、前記培養槽から前記微細藻類を回収する回収装置とを備える培養システムであって、
前記培養槽は培養液を収容し、該培養槽の深さ方向において該培養槽の最低位置に位置する底部と、前記底部よりも高位置に位置する開口部と、を有し、
前記培養装置は、ガス供給源と、前記開口部から前記培養槽に挿入されるガス供給部と、を有し、
前記ガス供給部は、前記深さ方向の下方において前記培養液内で開口し且つ前記ガス供給源から供給されたガスを排出するガス排出口を有し、
前記回収装置は、前記培養槽内に収容される回収管と、吸引装置と、を有し、
前記回収管は、内部空間を有する筒状体であり、
前記回収管は、前記培養槽内の培養液に浸漬されたときに前記培養槽の前記底部に沿って延在し、且つ前記ガス供給部よりも前記深さ方向における下方に位置する底側回収部を有し、
前記底側回収部は、前記開口部を向く部位に形成された開放口を有する、培養システム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1記載の培養システムにおいて、前記培養装置は、前記開口部から前記培養槽に挿入され且つ前記深さ方向に延在し、前記ガス排出口から排出された前記ガスをガイドするガイド部を有し、
前記底側回収部は、前記ガイド部よりも前記深さ方向における下方に位置する、培養システム。
【請求項3】
請求項2記載の培養システムにおいて、前記培養装置は、前記培養液の温度を調節するための温度調節水を収容し且つ前記培養槽に隣接する貯水槽を有し、
前記培養槽は、可撓性を示す素材からなる、培養システム。
【請求項4】
請求項3記載の培養システムにおいて、前記底側回収部の延在方向に対して直交する水平方向に平行な方向を幅方向とするとき、前記底側回収部の幅方向の寸法は、前記ガイド部の幅方向の寸法に略等しい、培養システム。
【請求項5】
請求項3記載の培養システムにおいて、前記回収管は、前記培養槽の延在方向における一端部において、前記底側回収部の延在方向における一端部と前記吸引装置とを接続し、且つ前記深さ方向に沿って延在する中継部を有し、
前記中継部は円筒形状に形成され、
前記底側回収部は、前記開放口によって断面半円状に形成される、培養システム。
【請求項6】
請求項3記載の培養システムにおいて、前記回収管は、前記培養槽における水平方向に沿った延在方向の一端部において、前記底側回収部の延在方向の一端部と前記吸引装置とを接続し、且つ前記深さ方向に沿って延在する中継部を有し、
前記ガイド部は、前記培養槽の前記延在方向に互いに間隔を置いて隣り合うように配置された第1ガイド部及び第2ガイド部を有し、
前記第1ガイド部は、前記培養槽の前記延在方向の他端部に隣接して前記深さ方向に沿って延在し、
前記第2ガイド部は、前記培養槽の前記延在方向において、前記第1ガイド部と前記中継部との間に位置し、
前記底側回収部は、前記培養槽の延在方向における前記一端部から、少なくとも、前記第2ガイド部の下方まで延在する、培養システム。
【請求項7】
請求項6記載の培養システムにおいて、前記底側回収部は、前記培養槽の延在方向における前記一端部から、前記第1ガイド部の下方にわたって延在する、培養システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の培養システムにおいて、前記回収管を介して前記培養槽内に前記培養液を供給可能である、培養システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微細藻類を培養可能であり且つ培養後の微細藻類を回収可能な培養システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、気候変動の緩和又は影響軽減を目的とした取り組みが継続され、この実現に向けて二酸化炭素の排出量低減に関する研究開発が行われている。この観点から、微細藻類が着目されている。微細藻類は、光合成によって二酸化炭素を消費するからである。従って、微細藻類を培養する培養システムは、気候変動の緩和又は影響軽減に寄与するシステムとして期待されている。
【0003】
培養装置の一例として、特許文献1に開示された培養装置が挙げられる。この培養装置は、可撓性を示す材料からなる収容部(培養槽)と、複数個のガス供給部と、複数個のガイド部とを備える。可撓性を示す材料は、例えば、特許文献2に記載されるビニル袋である。
【0004】
特許文献1記載の培養装置において、複数個のガス供給部は、収容部の底部に設けられる。ガイド部は、収容部内において、ガス供給部の直上に配置される。ガス供給部から供給されたガスは、案内部に案内されて培養液内を上昇する。これに伴い、培養液に対流が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-157460号公報
実用新案登録第3213454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の図面には特に示されていないが、培養装置は、培養された微細藻類及び培養液を回収する回収管が設けられる。回収管を培養液に浸漬した状態でガス供給部からガスを培養液に供給した場合、回収管によって対流が妨げられる懸念がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、微細藻類を培養するための培養槽を含む培養装置と、前記培養槽から前記微細藻類を回収する回収装置とを備える培養システムであって、前記培養槽は培養液を収容し、該培養槽の深さ方向において該培養槽の最低位置に位置する底部と、前記底部よりも高位置に位置する開口部と、を有し、前記培養装置は、ガス供給源と、前記開口部から前記培養槽に挿入されるガス供給部と、を有し、前記ガス供給部は、前記深さ方向の下方において前記培養液内で開口し且つ前記ガス供給源から供給されたガスを排出するガス排出口を有し、前記回収装置は、前記培養槽内に収容される回収管と、吸引装置と、を有し、前記回収管は、内部空間を有する筒状体であり、前記回収管は、前記培養槽内の培養液に浸漬されたときに前記培養槽の前記底部に沿って延在し、且つ前記ガス供給部よりも前記深さ方向における下方に位置する底側回収部を有し、前記底側回収部は、前記開口部を向く部位に形成された開放口を有する、培養システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成において、培養槽の深さ方向の下方で培養液内に排出されたガスは、培養液との比重差に基づいて、培養槽の深さ方向における上方に向かって上昇する。このガス流れに基づき、培養槽内において、培養液に対流が生じる。すなわち、微細藻類及び培養液が流動する。具体的に、微細藻類及び培養液は、ガスとともに上昇し、その後に下降する。これにより、微細藻類及び培養液が撹拌される。
【0010】
ここで、回収管の一部である底側回収部は、培養槽の開口部を向く部位で開口した開放口を有する。微細藻類及び培養液の流れが底側回収部に到達したとき、流れは、開放口から底側回収部の中空内部に流入した後、該中空内部から開放口を介して培養液に戻る。このように、底側回収部に開放口を形成したことにより、微細藻類及び培養液の流動が底側回収部によって阻害されることが回避される。従って、微細藻類及び培養液が十分に撹拌される。このため、微細藻類の培養が促進される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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