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公開番号2024132505
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043296
出願日2023-03-17
発明の名称酵素の製造方法
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C12N 9/20 20060101AFI20240920BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】簡易で収量が良く酵素を回収することを実現し、トータルの製造コストを下げることができる、酵素を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】酵素生産菌の培養液から酵素を精製する過程において、ポリオキシエチレン型界面活性剤を添加することにより酵素を製造する方法を提供。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(a)から(d)を含む精製工程を含む、酵素の製造方法。
(a)酵素生産菌を培養する
(b)(a)で得られた培養液から菌体を除き、塩析を行う
(c)(b)で得られた沈殿物を緩衝液により懸濁する
(d)(c)で得られた懸濁液中に、ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤を添加する
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項3】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤のHLB値が13以上17以下である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項4】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤のHLB値が14以上15以下である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項5】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤がポリオキシエチレンラウリルエーテルである、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項6】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤の平均酸化エチレン付加モル数が7以上10以下である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項7】
ポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤が、ポリエチレングリコールと高級アルコールの縮合物であって、高級アルコールとして、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、およびセチルアルコールよりなる群から選択されるいずれかである、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項8】
酵素が加水分解酵素である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項9】
酵素が脂質分解酵素である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
【請求項10】
酵素が、リパーゼ活性、ホスホリパーゼ活性、エステラーゼ活性およびクチナーゼ活性よりなる群から選択される少なくともいずれか一つの活性を有する酵素である、請求項1に記載の酵素の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酵素生産菌の培養液から酵素を精製する過程で、特定の種類の界面活性剤を用いた、酵素の製造方法に関する。更に詳しくは、酵素生産菌の培養液から酵素を精製する過程において、ポリオキシエチレン型界面活性剤を添加することにより精製効率を高めることができる、酵素の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
医薬、臨床、生化学分野、食品等に用いられる各種タンパク質は、微生物、細胞等の培養によって生産される方法、また天然原料からの抽出による方法等、様々な方法によって生産されている。最近では遺伝子工学等を利用して有用タンパク質を高効率で生産するなど、生産の分野の発展は目覚ましいものがある。しかしながら、これらタンパク質をいかに低いコストで分離精製し有用タンパク質を取り出すかが、重要な課題となっており、タンパク質の分離精製法の改良と、それに要するコストの低減、および操作性の向上が強く望まれている。
【0003】
酵素のようなタンパク質は高次構造を有するために、本来pH、温度等の環境の変化および化学薬品等には弱く、非常に変性しやすいものである。工業分野においてタンパク質の生産を行う場合、天然原料からの分離精製、または培養液等からの分離精製においても、目的のタンパク質を変性させないように細心の注意が必要とされる。
【0004】
従来のタンパク質の精製法としては、分別沈殿法や二層分離法等の通常の方法の他に膜分離法やカラムクロマトグラフィ―法等による分離精製の各種の方法が用いられている。一方、有機溶媒中で酵素反応を行うことや、酵素の反応特性を変えることを目的として、酵素表面を界面活性剤等の両親媒性物質で修飾する方法が、これまでにいくつか開発されている。
【0005】
その他、膜タンパク質を細胞膜から可溶化して分離精製する方法として、超音波処理などによる物理的方法、あるいはKClやEDTAなどの化学試薬、またはTriton X-100などの界面活性剤によって処理する方法が従来知られている。
【0006】
例えば、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌の膜結合酸化還元酵素の分離において、ポリエチレングリコールエーテル型非イオン性界面活性剤を用いる分離方法が知られている(特許文献1)。この精製法は、タンパク質精製の前段工程において細胞膜から膜結合酸化還元酵素を可溶化して分離する方法である。しかしながら、この方法は、あらゆる種類の酵素においても汎用的に適用できるものではない。
【0007】
酵素の中でも特にリパーゼは、種や由来に依らず凝集しやすいことで知られている(非特許文献1-5)。その理由として、リパーゼは界面において活性を発揮するために、その構造中に“lid”と呼ばれる疎水性の領域を有することが挙げられる(非特許文献6)。以上のように、リパーゼは凝集して不溶化してしまうことから、精製が困難である。リパーゼを変性させることなく可溶化することで精製工程における収量を向上させることが望まれている。
【0008】
例えば、原核生物のリパーゼを界面活性剤ベースの水性二相システムを用いることで濃縮する方法(非特許文献7)や、シュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)の細胞外リパーゼを、アルギン酸を用いたエタノール共沈により採取した後に、界面活性剤を含む緩衝液に溶解してDEAE-Sephadex A-25のイオン交換クロマトグラフィーによりリパーゼと多糖類を分離する方法(非特許文献8)などが報告されている。しかしながら、これまでにリパーゼを変性させることなく可溶化して、効率的に精製する方法については報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第2722431号公報
【非特許文献】
【0010】
International Journal of Biological Macromolecules, 2018年, Vol. 119, p.172-179
The Open Biochemistry Journal, 2010年, Vol. 4, p.22-28
Biocatalysis and Agricultural Biotechnology, 2012年, Vol. 1, p.45-50
Frontiers in Biology, 2016年, Vol. 11, p.323-330
Molecular Biotechnology, 2017年, Vol. 59, p.34-45
Biochimica et Biophysica Acta, 2006年, Vol. 1761, p.995-1013
Biotechnol. Appl. Biochem. 1992年,Vol. 16, Issue 3, p.228-235.
1679015283654_0,1987年, Vol. 27, p.139-145
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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