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公開番号
2024120547
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023027406
出願日
2023-02-24
発明の名称
多段培養容器
出願人
テルモ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C12M
1/14 20060101AFI20240829BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】細胞懸濁液を各貯留空間に均等に分配でき、分配後の細胞懸濁液の移動も抑制できる多段培養容器を提供する。
【解決手段】容器本体10内に複数の培養部30が一方向に沿って配置された多段培養容器1であって、培養部30は、それぞれ液体を貯留する貯留空間35を形成し、容器本体10は、貯留空間35に面し、互いに隣接する貯留空間35を連通させる連通部33を有し、連通部33の開放状態と閉塞状態とを切り替える閉塞機構部40を備える多段培養容器1である。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
容器本体内に複数の培養部が一方向に沿って配置された多段培養容器であって、
前記培養部は、それぞれ液体を貯留する貯留空間を形成し、
前記容器本体は、前記貯留空間に面し、互いに隣接する前記貯留空間を連通させる連通部を有し、
前記連通部の開放状態と閉塞状態とを切り替える閉塞機構部を備える多段培養容器。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記容器本体は、着脱可能なキャップを取り付けて閉塞できる開口部を備え、
前記閉塞機構部は、前記キャップの前記開口部に対する着脱に伴って移動する可動部と、前記キャップを前記開口部に取り付けたことによる前記可動部の移動に伴って、前記連通部を開放状態から閉塞状態に切り替える閉塞部と、を有する請求項1に記載の多段培養容器。
【請求項3】
前記閉塞機構部の前記閉塞部は、前記キャップを前記開口部から取り外したことによる前記可動部の移動に伴って、前記連通部を閉塞状態から開放状態に切り替える請求項2に記載の多段培養容器。
【請求項4】
前記培養部は、面状の底壁と、該底壁から一方に向かって立ち上がる側壁と、によって前記貯留空間を形成し、
前記連通部は、前記底壁に形成される請求項2または3に記載の多段培養容器。
【請求項5】
前記開口部は、前記底壁の面方向と直交する面方向に沿って延びる前記容器本体の容器側壁に形成される請求項4に記載の多段培養容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞を培養するための培養部を複数備えた多段培養容器に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞を含む細胞懸濁液を貯留する複数の培養部を積層配置した多段培養容器が知られている。多段培養容器は、細胞懸濁液の入口となる開口部を一つの面に備え、内部には培養部が一定の間隔を有して離隔配置されている。それぞれその培養部は、細胞懸濁液を貯留できるように、他の培養部と対向する底壁と、底面の端部から他の培養部側に向かって突出する側壁とを有している。培養部は、底壁と側壁および容器側壁とに囲まれた貯留空間を形成する。
【0003】
各貯留空間は、多段培養容器内において連通している。多段培養容器を縦向きにした状態で開口部から注入された細胞懸濁液は、各貯留空間にまたがって多段培養容器の下部に貯留される。この後、多段培養容器を横向きにすることで、細胞懸濁液が各培養部の貯留空間に分配される。このような多段培養容器として、例えば特許文献1に挙げるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-186488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
細胞を適正に培養するためには、各培養部に均等に細胞懸濁液が分配されることが必要である。多段培養容器では、前述のように、細胞懸濁液を容器内に注入した後、多段培養容器を縦向きから横向きに倒し、細胞懸濁液を各貯留空間に分配するが、多段培養容器を傾ける角度や縦向きから横向きに倒す速度などによっては、細胞懸濁液を各貯留空間に均等に分配できないことがある。また、多段培養容器を運搬する際、容器が傾くことにより細胞懸濁液が他の貯留空間に移動して均一性が失われる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、細胞懸濁液を各貯留空間に均等に分配でき、分配後の細胞懸濁液の移動も抑制できる多段培養容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する(1)多段培養容器は、容器本体内に複数の培養部が一方向に沿って配置された多段培養容器であって、前記培養部は、それぞれ液体を貯留する貯留空間を形成し、前記容器本体は、前記貯留空間に面し、互いに隣接する前記貯留空間を連通させる連通部を有し、前記連通部の開放状態と閉塞状態とを切り替える閉塞機構部を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した多段培養容器は、液体の注入時には連通部を開放状態とし、液体を注入したら連通部を閉塞状態とすることで、各貯留空間に均等に液体を分配することができる。このため、各培養部に細胞を均等に播種し、細胞の培養を均質に進めることができる。また、多段培養容器は、運搬時において各貯留空間間を連通させる連通部33を閉塞状態とできるため、液体が他の貯留空間に移動して均一性が失われることを抑制できる。
【0009】
(2)上記(1)の多段培養容器において、前記容器本体は、着脱可能なキャップを取り付けて閉塞できる開口部を備え、前記閉塞機構部は、前記キャップの前記開口部に対する着脱に伴って移動する可動部と、前記キャップを前記開口部に取り付けたことによる前記可動部の移動に伴って、前記連通部を開放状態から閉塞状態に切り替える閉塞部と、を有してもよい。これにより、液体を注入した後、キャップを容器本体に取り付けることで、特別な操作を行うことなく連通部を閉塞できるので、細胞を播種する作業を簡単にすることができる。
【0010】
(3)上記(2)の多段培養容器において、前記閉塞機構部の前記閉塞部は、前記キャップを前記開口部から取り外したことによる前記可動部の移動に伴って、前記連通部を閉塞状態から開放状態に切り替えるようにしてもよい。これにより、液体を取り出す際に、キャップを容器本体から取り外すことで、特別な操作を行うことなく連通部を開放できるので、培養した細胞を取り出す作業を簡単にすることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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