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公開番号2024060950
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-07
出願番号2022168550
出願日2022-10-20
発明の名称急性ストレス評価用データの生成方法
出願人個人
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/6851 20180101AFI20240425BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】急性ストレス評価用データの生成方法と不安緩和剤を提供する。
【解決手段】生体から採取した脳由来エクソソームが内包するmicroRNAのうち、miR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含む特定のmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAの発現量のデータを取得する。発現量が対照値に比して高値であれば、当該生体が急性ストレス状態にあることを客観的に評価・診断できる。急性ストレスに曝露された生体から採取された脳由来エクソソーム及び少なくとも一つの特定microRNAを、急性ストレス状態にある他の生体に投与すれば、不安を緩和する治療効果、又は不安の惹起を抑止する予防効果が期待できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
急性ストレスの生体への影響を評価するために使用される急性ストレス評価用データの生成方法であって、
生体から採取された脳由来エクソソームが内包するmicroRNAのうち、少なくともmiR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAの発現量のデータを取得することを特徴とする急性ストレス評価用データの生成方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記脳由来エクソソームが、生体から採取された血液、血清、血漿、唾液、尿、汗、母乳、髄液を含む体液群から選択された体液から採取されたことを特徴とする請求項1に記載の急性ストレス評価用データの生成方法。
【請求項3】
急性ストレスに曝露された生体から採取された脳由来エクソソーム及び/又はmiR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAを含むことを特徴とする不安緩和剤。
【請求項4】
前記脳由来エクソソームが、前記生体から採取された血液、血清、血漿、唾液、尿、汗、母乳、髄液を含む体液群から選択された体液から採取され、又は前記生体から採取された神経細胞から採取されたことを特徴とする請求項3に記載の不安緩和剤。
【請求項5】
急性ストレスに曝露されていない生体から採取されて培養液中で急性ストレスに相当する刺激を与えられた神経細胞から採取された脳由来エクソソームと、
培養液中で急性ストレスに相当する刺激を与えられた神経細胞株から採取された脳由来エクソソームの一方又は両方を含む不安緩和剤。
【請求項6】
miR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAを含む不安緩和剤であって、
急性ストレスに曝露されていない生体の体液から採取されて人工的に合成した少なくとも1つの前記特定microRNAを封入された脳由来エクソソームと、
急性ストレスに曝露されていない生体の神経細胞から採取されて人工的に合成した少なくとも1つの前記特定microRNAを封入された脳由来エクソソームと、
神経細胞株から採取されて人工的に合成した少なくとも1つの前記特定microRNAを封入された脳由来エクソソームから選択された一以上の脳由来エクソソームを含む不安緩和剤。
【請求項7】
miR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAを含む不安緩和剤であって、
急性ストレスに曝露されていない生体から採取されて前記特定microRNAを産生するように改変された神経細胞から採取された脳由来エクソソームと、
前記特定microRNAを産生するように改変した神経細胞株から採取された脳由来エクソソームの一方又は両方を含む不安緩和剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、急性ストレス(持続的でない一過性のストレス)の生体への影響を評価するために有用な急性ストレス評価用データの生成方法と、急性ストレスに曝露された生体に惹起される不安を緩和し、又は不安の惹起を予防しうる不安緩和剤に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
急性ストレスの評価手法は質問紙による主観的評価が主流であり、未だバイオマーカーによる客観的手法はない。これまでにも、血液・尿・唾液中の生理活性物質の測定による客観的評価が試みられているが、未だ確立されてはいない。近年、血液中のエクソソームを利用した試みも散見されており、具体的には、全エクソソームを利用した手法(PLoS One. 2014; 9: e108748. )や、慢性ストレス曝露時の脳由来エクソソームを利用した手法(Int J Mol Sci. 2021; 22: 9960.)が報告されている。慢性ストレス曝露時の脳由来エクソソームを利用した後者の手法は、例えば下記特許文献1に開示されている。
【0003】
急性ストレスに曝露された生体に惹起される不安を緩和する方法は、中枢神経作動薬(抗うつ剤等)の投与が基本であるが、その寛解率は約20-30%に留まる(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2009; 33: 169-80.)。また、従来の治療(中枢神経作動薬の投与)は、ストレス性疾患の発症後に為される医療行為であり、予防的に、健常者に対して行われることはない。他方、エクソソームの摂取は、食品(牛乳など)を介して日常的に行われており、その健康増進効果も報告されている(Adv Nutr. 2019; 10: 711-721.)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO-A-2021/251656
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
急性ストレスの感受器官は脳であるため、そのバイオマーカーは、脳の分子病態を反映することが望ましいが、従来のエクソソーム研究では、そのようなバイオマーカーが提案されたことはなかった。血液中の全エクソソームを利用する手法では、脳以外の組織由来のエクソソームが混在するため、脳における変容を検出し難い(PLoS One. 2014; 9: e108748. )。また、前述した下記特許文献1に開示の脳由来エクソソームを用いた手法では、急性のストレスではなく慢性的なストレスを生体に負荷しているので、そのエクソソームに内包される因子は、生体の防御応答の限界を超えた疲憊期における機能低下を反映している可能性が高く、急性ストレスに起因する脳の分子病態を反映するものではないと考えられる。一方、急性ストレス期では、外界からの刺激に対する抵抗期であるため、この時期の脳由来エクソソームは、種々の生体防御因子を内包する蓋然性が高いと考えられる。
【0006】
前述したように、中枢神経系作動薬によるストレス性疾患の治療の寛解率は約20-30%に留まるため(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 2009; 33: 169-80.)、より効果的な治療方法の開発が切望されている。また、うつ病患者や慢性ストレスマウス由来の血中全エクソソームの生体投与は報告されているが(Neuropsychopharmacology. 2020; 45: 1050-1058., Brain Behav Immun. 2021; 94: 225-234.)、急性ストレス期に抽出されたエクソソームではないことに加え、ヘテロなエクソソーム集団を利用しているため、どの組織由来のエクソソームが作用しているのかが不明であった。
【0007】
本発明は、以上説明した課題を解決するためになされたものであり、急性ストレスの生体への影響を評価するために有用な急性ストレス評価用データの生成方法と、急性ストレスに
曝露
された生体に惹起される不安を緩和し、又は不安の惹起を予防しうる不安緩和剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された急性ストレス評価用データの生成方法は、
急性ストレスの生体への影響を評価するために使用される急性ストレス評価用データの生成方法であって、
生体から採取された脳由来エクソソームが内包するmicroRNAのうち、少なくともmiR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの前記microRNAの発現量のデータを取得することを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載された急性ストレス評価用データの生成方法は、請求項1に記載の急性ストレス評価用データの生成方法において
前記脳由来エクソソームが、生体から採取された血液、血清、血漿、唾液、尿、汗、母乳、髄液を含む体液群から選択された体液から採取されたことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載された不安緩和剤は、
急性ストレスに曝露された生体から採取された脳由来エクソソーム及び/又はmiR-99b-3p、miR-136-5p、miR-140-5p、miR-199a-3p 、miR-339-3p、miR-376a-3p 及びmiR-466f-3p を含むmicroRNA群から選択された少なくとも1つの特定microRNAを含むことを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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