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公開番号2024025452
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022128914
出願日2022-08-12
発明の名称機能的免疫賦活乳酸菌
出願人国立大学法人神戸大学
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20240216BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 免疫賦活化能を有する乳酸菌を提供すること。
【解決手段】 パイエル板内の樹状細胞の活性化能を有する乳酸菌が提供される。本開示の乳酸菌および/または組成物を経口投与することにより、腸管パイエル板の樹状細胞の活性化マーカー陽性率およびサイトカイン産生率を上昇させることができ、これにより腸管免疫系の賦活効果を得ることができる。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
パイエル板内の樹状細胞の活性化能を有する乳酸菌。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記乳酸菌について、パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:1.43より大きい、
MHC class II

/CD45

:1.82より大きい、
CD80

/CD45

:1.41より大きい、および
CD86

/CD45

:1.22より大きい、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、請求項1に記載の乳酸菌。
【請求項3】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:2以上、
MHC class II

/CD45

:2以上、
CD80

/CD45

:2以上、および
CD86

/CD45

:2以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、請求項2に記載の乳酸菌。
【請求項4】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:2.5以上、
MHC class II

/CD45

:2.5以上、
CD80

/CD45

:2.5以上、および
CD86

/CD45

:2.5以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、請求項2に記載の乳酸菌。
【請求項5】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:2.5以上、
MHC class II

/CD45

:4以上、
CD80

/CD45

:2.5以上、および
CD86

/CD45

:2.5以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、請求項2に記載の乳酸菌。
【請求項6】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:3以上、
MHC class II

/CD45

:4以上、
CD80

/CD45

:3以上、および
CD86

/CD45

:2.5以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、請求項2に記載の乳酸菌。
【請求項7】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、前記性質の少なくとも2つを有する、請求項2~6のいずれか一項に記載の乳酸菌。
【請求項8】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、少なくともIL-6およびCD80陽性の性質を有する、請求項2~7のいずれか一項に記載の乳酸菌。
【請求項9】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、前記性質の少なくとも3つを有する、請求項2~8のいずれか一項に記載の乳酸菌。
【請求項10】
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、前記性質の4つを有する、請求項2~9のいずれか一項に記載の乳酸菌。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、乳酸菌、または乳酸菌を含む組成物に関する。とりわけ本開示は、樹状細胞の活性化能を有する乳酸菌、または当該乳酸菌を含む組成物、それを含有する飲食品、食品添加物、飼料、サプリメント、または医薬に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
腸内細菌叢の存在や多様性により、免疫状態が変化する知見が幾つか報告されている。一方で、近年、免疫チェックポイント阻害剤を始めとする、癌免疫療法(IO:Immino-Oncology)剤の普及が急速に進んでいる。また、IO剤と腸内細菌叢の相互作用に関する研究も活発に行われている。すなわち、腸内細菌叢の種類や組成によって宿主であるヒトや哺乳動物における癌免疫療法の効果にも影響が及ぼされていると考えられている。そのため、免疫チェックポイント阻害剤と併用し得る腸内細菌株が求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、ある種の乳酸菌が、基準株(ATCC)やコントロール群に比較して、宿主の樹状細胞の活性化能を向上させることを見出した。この知見に基づき、本開示は、樹状細胞の活性化能を有する乳酸菌、または当該乳酸菌を含む組成物、それを含有する飲食品、食品添加物、飼料、サプリメント、または医薬を提供する。
【0004】
したがって、本開示は以下を提供する。
(項目1)
パイエル板内の樹状細胞の活性化能を有する乳酸菌。
(項目2a)
前記乳酸菌について、パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:1.43より大きい、
MHC class II

/CD45

:1.82より大きい、
CD80

/CD45

:1.41より大きい、および
CD86

/CD45

:1.22より大きい、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、上記項目に記載の乳酸菌。
(項目2b)
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:2以上、
MHC class II

/CD45

:2以上、
CD80

/CD45

:2以上、および
CD86

/CD45

:2以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、上記項目のいずれか一項に記載の乳酸菌。
(項目2c)
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
IL-6

/CD45

:2.5以上、
MHC class II

/CD45

:2.5以上、
CD80

/CD45

:2.5以上、および
CD86

/CD45

:2.5以上、
からなる群より選択される少なくとも1つの性質を有する、上記項目のいずれか一項に記載の乳酸菌。
(項目2d)
前記パイエル板内樹状細胞活性化指標が、
【0005】
本開示において、上記の1つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。なお、本開示のさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【0006】
なお、上記した以外の本開示の特徴及び顕著な作用・効果は、以下の発明の実施形態の項及び図面を参照することで、当業者にとって明確となる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の乳酸菌および/または組成物を用いることで、対象の免疫を賦活化することができる。本開示の乳酸菌および/または組成物を経口投与することにより、腸管パイエル板の樹状細胞の活性化マーカー陽性率およびサイトカイン産生率を上昇させることができ、これにより腸管免疫系の賦活効果を得ることができる。
【0008】
また免疫チェックポイント阻害薬の投与と本開示の乳酸菌および/または組成物の経口投与とを併用することによって、抗腫瘍効果を増強することができるため、医薬品への応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、実施例1におけるマウスへの各細菌株の投与スケジュールを示す模式図である。
図2は、MC38を皮下移植したマウスに各細菌株ならびにPBSをそれぞれ経口投与し、それらに免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体)を腹腔内投与した際の腫瘍体積の推移を示すグラフである。
図3は、実施例2におけるマウスへの各細菌株の投与スケジュールを示す模式図である。
図4は、MC38を皮下移植したマウスに5種類のE. faecalis株ならびにPBSをそれぞれ経口投与し、それらに免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体)を腹腔内投与した際の腫瘍体積の推移を示すグラフである。
図5は、実施例3におけるマウスへの各細菌株の投与スケジュールを示す模式図である。
図6は、MC38を皮下移植したマウスにKU-EF-004株、E. coli ATCC10798 (K-12) 株およびB.longum ATCC15697株、ならびにPBSをそれぞれ経口投与し、それらに抗CTLA-4抗体を腹腔内投与した際の腫瘍体積の推移および生存期間を示すグラフである。
図7は、実施例4におけるマウスへの各細菌株の投与スケジュールを示す模式図である。
図8は、MC38を皮下移植したマウスにKU-EF-004株、E. faecalis ATCC700802株またはPBSをそれぞれ経口投与し、それらに抗CTLA-4抗体を腹腔内投与した際の生存期間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
(【0011】以降は省略されています)

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