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公開番号2024055152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161849
出願日2022-10-06
発明の名称熱処理リゾチーム組成物
出願人国立大学法人東京海洋大学
代理人個人
主分類C12N 9/36 20060101AFI20240411BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の目的は、効果的にウイルス及び細菌を不活化できる薬剤を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明のpH2.0~4.5で熱処理された低pH熱処理リゾチーム及びpH5.5~8.5で熱処理された高pH熱処理リゾチームを含む、熱処理リゾチーム組成物によって解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
pH2.0~4.5で熱処理された低pH熱処理リゾチーム及びpH5.5~8.5で熱処理された高pH熱処理リゾチームを含む、熱処理リゾチーム組成物。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
pH2.0~4.5である、請求項1に記載の熱処理リゾチーム組成物。
【請求項3】
ウイルス不活化及び殺菌用である請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
(a)リゾチームをpH2.0~4.5で熱処理し、低pH熱処理リゾチームを得る工程、
(b)別のリゾチームをpH5.5~8.5で熱処理し、高pH熱処理リゾチームを得る工程、
(c)前記低pH熱処理リゾチーム及び高pH熱処理リゾチームを混合する工程、
を含む、熱処理リゾチーム組成物の製造方法。
【請求項5】
(d)工程(c)で得られた混合物をpH2.0~4.5に調整する工程、
を更に含む、請求項4に記載の熱処理リゾチーム組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の熱処理リゾチーム組成物を、検体と接触させる工程を含む、ウイルス不活化及び/又は殺菌方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理リゾチーム組成物に関する。本発明によれば、細菌及びウイルスを効果的に不活化することができる。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
リゾチームはグラム陽性菌の細胞壁を分解する酵素として知られていた(非特許文献1)が、加熱を行うことによってタンパクの立体構造が変化し、細胞壁の薄いグラム陰性菌に対しても殺菌効果を有することが明らかとなった(非特許文献2)。
一方、ノロウイルスは、ヒトに対する感染性が高く、食中毒又はウイルス性急性胃腸炎を引き起こすことが知られている。本発明者らは、リゾチームを加熱変性することによって、ノロウイルスを不活化できることを見出した(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2015/125961号
国際公開第2016/017784号
【非特許文献】
【0004】
Journal of Food Science., Vol. 79, 2014
J. Agric. Food Chem., 44, 1416-1423. 1996
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の通り、リゾチームを加熱することによって、細菌及びウイルスをそれぞれ不活化できることが分かった。しかしながら、ウイルス及び細菌の不活化作用を併せ持つ、更に効果的にウイルス及び細菌を不活化できる薬剤の開発が期待されていた。
本発明の目的は、効果的にウイルス及び細菌を不活化できる薬剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、効果的にウイルス及び細菌を不活化できる薬剤について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、加熱時のpHを調整することによって、ウイルス及び細菌を効果的に不活化できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]pH2.0~4.5で熱処理された低pH熱処理リゾチーム及びpH5.5~8.5で熱処理された高pH熱処理リゾチームを含む、熱処理リゾチーム組成物、
[2]pH2.0~4.5である、[1]に記載の熱処理リゾチーム組成物、
[3]ウイルス不活化及び殺菌用である[1]又は[2]に記載の組成物、
[4](a)リゾチームをpH2.0~4.5で熱処理し、低pH熱処理リゾチームを得る工程、(b)別のリゾチームをpH5.5~8.5で熱処理し、高pH熱処理リゾチームを得る工程、(c)前記低pH熱処理リゾチーム及び高pH熱処理リゾチームを混合する工程、を含む、熱処理リゾチーム組成物の製造方法、
[5](d)工程(c)で得られた混合物をpH2.0~4.5に調整する工程、を更に含む、[4]に記載の熱処理リゾチーム組成物の製造方法、及び
[6][1]又は[2]に記載の熱処理リゾチーム組成物を、検体と接触させる工程を含む、ウイルス不活化及び/又は殺菌方法、
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の熱処理リゾチーム組成物によれば、ウイルス及び細菌の両者を効果的に不活化することができる。特に食中毒の原因菌及び/又は原因ウイルスを効果的に不活化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
卵白リゾチームを異なるpHで処理して、V. parahaemolyticusに対する殺菌作用を測定したグラフである。
卵白リゾチームを異なるpHで処理して、V. harveyiに対する殺菌作用を測定したグラフである。
pH3.2で熱処理した卵白リゾチーム、及びpH7.0で熱処理した卵白リゾチームを混合した熱処理リゾチーム組成物(pH3.5、pH4.5又はpH7.0に調整)のV. parahaemolyticusに対する殺菌作用を示したグラフである。
pH3.2で熱処理した卵白リゾチーム、及びpH7.0で熱処理した卵白リゾチームを混合した熱処理リゾチーム組成物(pH3.5、pH4.5又はpH7.0に調整)のMNV-1に対する抗ウイルス作用を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1]熱処理リゾチーム組成物
本発明の熱処理リゾチーム組成物は、pH2.0~4.5で熱処理された低pH熱処理リゾチーム及びpH5.5~8.5で熱処理された高pH熱処理リゾチームを含む。
【0010】
《低pH熱処理リゾチーム》
本発明に用いる低pH熱処理リゾチームは、pH2.0~4.5で熱処理されたものである。
pHの下限は、pH2.0以上であり、好ましくはpH2.25以上であり、より好ましくはpH2.5以上であり、更に好ましくはpH2.75以上であり、更に好ましくはpH3.0以上である。pHの上限は、4.5以下であり、好ましくはpH4.25以下であり、より好ましくはpH4.0以下であり、更に好ましくはpH3.75以下であり、更に好ましくはpH3.5以下である。前記上限と下限とは、任意に組み合わせてpHの範囲とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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