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公開番号2024046705
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-04
出願番号2022152014
出願日2022-09-23
発明の名称製麹装置及び製麹方法
出願人株式会社ヤマザキエンジニアリング
代理人個人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240328BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 蒸気や空気がドラムの全面全周に行き届くようにし、原料に対する蒸気や空気の接触を十分に行わせ、原料の処理効率の向上を図る。
【解決手段】 穀類の原料Wが入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部30により回転させられる円筒状のドラム10と、ドラム10を収容するケーシング40と、ドラム10内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部50とを備え、ドラム10を回転させて原料を蒸す一次処理を行なうとともに、一次処理後に麹菌を原料に付着させてからドラム10を回転させて製麹する二次処理を行うもので、蒸気空気供給部50をその軸線がドラムの軸線に一致した管状に形成し、ドラム10の周壁の全面に、ドラム10の内及び外を連通する多数の小孔17を行列状に形成した。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
穀類の原料が入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部により回転させられる円筒状のドラムと、
該ドラムを収容するケーシングと、
該ドラム内に設けられ該ドラム内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部とを備え、
上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行う製麹装置において、
上記蒸気空気供給部をその軸線が上記ドラムの軸線に一致した管状に形成し、
上記ドラムの周壁の全面に、該ドラムの内及び外を連通する多数の小孔を行列状に形成したことを特徴とする製麹装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
上記蒸気空気供給部を、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の空気噴射口を有し該空気噴射口から上記ドラムの内面に向けて空気を噴射する空気供給管と、上記ドラム内にその軸線方向に沿って挿通されるとともに該軸方向に沿って多数の蒸気噴射口を有し該蒸気噴射口から上記ドラムの内面に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管とを備えて構成し、
上記空気供給管を上記蒸気供給管より大径に形成し、該空気供給管に上記蒸気供給管を挿通し、該蒸気供給管の蒸気噴射口から噴射される蒸気を空気供給管の空気噴射口から噴射されるようにし、該空気供給管をその軸線が上記ドラムの軸線に一致させて配置したことを特徴とする請求項1記載の製麹装置。
【請求項3】
上記小孔の直径をDとしたとき、1.8mm≦D≦2.2mmに設定するとともに、
上記ドラムの周壁の全面積に対する上記全小孔の開口面積率をρとしたとき、15%≦ρ≦20%に設定したことを特徴とする請求項1記載の製麹装置。
【請求項4】
上記ドラムの外径をG、その長さをLとしたとき、450mm≦G≦550mm、550mm≦L≦650mmに設定し、該ドラムの端面に、原料の出し入れを行う開閉可能な開口を設けたことを特徴とする請求項3記載の製麹装置。
【請求項5】
上記ドラムの内面であって軸線方向に該ドラムの回転時に原料に当接して原料を解す解し棒を複数列設した解し棒列を設けるとともに、該解し棒列を、長さの長い解し棒と長さの短い解し棒とを不規則に配置して構成し、該解し棒列を上記ドラムの周方向に間隔を隔てて複数列設けたことを特徴とする請求項4記載の製麹装置。
【請求項6】
上記ドラムの外側に該ドラムを支持して該ドラムとともに回転する回転リングを設け、該回転リングを、上記ドラムの軸線方向に所定間隔離間して設けられ該ドラムと同軸で該ドラムの周方向に沿うリング状の複数のレールを備えて構成し、
上記回転駆動部を、上記ドラムの軸線方向に沿う軸線を有し上記複数の各レールを夫々転動可能に支持するとともに上記ドラムの軸線方向に直交する方向に配設される複数のローラと、該複数のローラの少なくとも1つを駆動回転させて上記回転リングのレールを介して上記ドラムを回転させる駆動機構とを備えて構成したことを特徴とする請求項5記載の製麹装置。
【請求項7】
上記ケーシングを上記ドラムの軸線に平行な軸線を有し一方の端面及び他方の端面を有した筒状に形成し、該ケーシングの壁部を、断熱材の層を設けて構成し、該断熱材の層に、シート状のシートヒータを設けたことを特徴とする請求項1乃至6何れかに記載の製麹装置。
【請求項8】
上記ケーシングの一方の端面及び上記ドラムの一方の端面を貫通して上記蒸気空気供給部を上記ドラム内に挿通し、上記ケーシングの他方の端面に、上記ドラムの他方の端面と同軸で該他方の端面よりも僅かに大きい開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な外側扉とを設け、上記ドラムの他方の端面に、原料の出し入れを行う開口と、該開口を開閉するヒンジにより開閉可能な内側扉とを設け、上記外側扉に覗き窓を設け、上記ドラムの他方の端面及び/または内側扉に、上記外側扉の覗き窓を通してドラム内部を視認可能な覗き窓を設けたことを特徴とする請求項7記載の製麹装置。
【請求項9】
上記蒸気空気供給部に蒸気を生成して送給する蒸気送給部と、上記蒸気空気供給部に空気を送給する空気送給部と、上記蒸気送給部及び空気送給部の制御条件を設定する設定部と、上記ドラム内の雰囲気温度を検知する第1温度センサと、該ドラム内の原料の温度を検知する第2温度センサと、該ドラム内の湿度を検知する湿度センサと、上記設定部に設定された設定条件に基づくとともに、上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果に基づいて上記ドラムの回転駆動部、蒸気送給部及び空気送給部を制御する制御部とを備え、
該制御部は、
上記第1温度センサ,第2温度センサ及び湿度センサの検知結果を表示部等に出力するモニター手段と、上記第2温度センサの検知温度に基づいて上記空気送給部が送給する空気の温度調整を行う空気温度調整手段と、上記湿度センサの湿度検知に基づいて上記空気送給部が送給する空気の湿度を調整する空気湿度調整手段と、上記一次処理を行なう一次処理実行手段と、該一次処理実行手段による一次処理後に麹菌を原料に付着させてから、上記空気温度調整手段及び空気湿度調整手段を機能させて上記二次処理を行なう二次処理実行手段とを備えたことを特徴とする請求項7記載の製麹装置。
【請求項10】
上記一次処理実行手段は、
上記空気送給部の空気供給を停止し、上記蒸気送給部からの蒸気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を100℃~105℃で所定時間蒸す蒸し工程と
該蒸し工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を30℃~35℃になるまで冷却する冷却工程とを行わせ、
上記二次処理実行手段は、
上記冷却工程後に麹菌を原料に付着させてから、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを間欠回転させて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、該ドラム内の湿度を90%~95%に保持して原料の発酵を行う第1発酵工程と、
該第1発酵工程において所定条件になったとき切替えられて、上記ドラムの間欠回転条件を該第1発酵工程とは異ならせて、原料を35℃~38℃に保持するとともに、上記ドラム内の湿度を90%~95%に保持して更に原料の発酵を所定時間行う第2発酵工程と、
該第2発酵工程後に、上記蒸気送給部からの蒸気供給を停止し、上記空気送給部からの空気供給により、上記ドラムを連続回転させながら、原料を20℃~25℃に低下保持して、所定時間乾燥する乾燥工程とを行わせることを特徴とする請求項9記載の製麹装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製麹装置に係り、特に、米や麦等の穀類の原料を蒸す工程とその後に製麹を行なう工程とを連続して行うことのできるドラム型の製麹装置に関する。また、この製麹装置を用いて製麹を行う製麹方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の製麹装置としては、例えば、特許第4643346号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。図10に示すように、この製麹装置Saは、米や麦等の穀類の原料Wが入れられ軸線Pが略水平になるように回転可能に支持されて回転させられる円筒状のドラム100と、ドラム100を収容するケーシング101と、ドラム100内に設けられドラム100内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部102とを備えて構成され、ドラム100を回転させてドラム100内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、一次処理後に麹菌を原料に付着させてからドラム100を回転させて製麹する二次処理を行うものである。
【0003】
ドラム100は、周壁の一部を切欠いた切欠部103を有し、この切欠部103に対面させて、原料を通過させることのない径を有する多数の小孔(図示せず)を設け水切りも可能な棚板104を設けている。また、蒸気空気供給部102は、ドラム100内にその軸線Pに沿って挿通されるとともに軸方向に沿って多数の空気噴射口(図示せず)を有し空気噴射口からドラム100の内面に向けて空気を噴射する空気供給管105と、ドラム100内に空気供給管105と平行に挿通されるとともに軸方向に沿って多数の蒸気噴射口(図示せず)を有しこの蒸気噴射口から空気供給管105に向けて蒸気を噴射する蒸気供給管106とを備えて構成されている。
【0004】
これにより、一次処理時においては、ドラム100内に原料を投入して、原料の洗浄を行い、蒸気供給管106から蒸気を噴出して所定時間かけて原料を蒸す。その後、蒸気を止めて放冷する。次に、空気供給管105内の図示外の散布パイプから自動で種麹菌を原料Wに散布する。二次処理工程では、ドラム100を適宜回転させ、原料Wと種麹菌とを均一に混ぜ、原料Wの温度を温度センサ107により監視して、空気供給管105から温度調整した空気を供給し製麹を行う。そして、最後に、原料Wを冷却して乾燥する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4643346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この従来の製麹装置Saにあっては、ドラム100の周壁に設けた切欠き103に対応して多数の小孔のある棚板104を設けており、そのため、原料Wが入れられるドラム100において小孔が開いている部位は部分的なので、一次処理において原料Wを蒸す際には、蒸気の排出部位がこの棚板104の部分に限られてしまうことから、原料Wに対する蒸気の接触にムラができ、原料Wの蒸し処理が不十分になることがあり、処理効率が悪いという問題があった。また、蒸気供給管106が、ドラム100の中心からずれた位置にあるので、この点でも原料Wに対する蒸気の接触にムラができ、原料の蒸し処理が不十分になることがあって、処理効率を悪くしている。
【0007】
また、二次処理の製麹においても、空気はドラム100の中心の空気供給管106から排出されるものの、空気の排出部位が小孔のある棚板104の部分に限られてしまうことから、原料Wに対する空気の接触にムラができ、原料Wの製麹が不十分になることがあり、この点でも処理効率が悪いと言う問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、蒸気や空気がドラムの全面全周に行き届くようにし、原料に対する蒸気や空気の接触を十分に行わせ、原料の処理効率の向上を図った製麹装置及び製麹方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明の製麹装置は、穀類の原料が入れられ軸線が略水平になるように回転可能に支持され回転駆動部により回転させられる円筒状のドラムと、
該ドラムを収容するケーシングと、
該ドラム内に設けられ該ドラム内に蒸気及び/または空気を噴射して供給する蒸気空気供給部とを備え、
上記ドラムを回転させて該ドラム内の原料を蒸す一次処理を行なうとともに、該一次処理後に麹菌を原料に付着させてから該ドラムを回転させて製麹する二次処理を行う製麹装置において、
上記蒸気空気供給部をその軸線が上記ドラムの軸線に一致した管状に形成し、
上記ドラムの周壁の全面に、該ドラムの内及び外を連通する多数の小孔を行列状に形成した構成としている。
【0010】
これにより、一次処理時においては、ドラム内に洗浄した原料を投入して、ドラムを回転させながら蒸気空気供給部から蒸気を噴出して所定時間かけて原料を蒸す。この場合、ドラムの中心に管状の蒸気空気供給部を設けるとともに、ドラムの周壁の全面に多数の小孔を行列状に形成したので、温度調整された蒸気をドラムの中心から外方に噴射することができ、ドラムを回転させることにより、蒸気がドラムの全面全周に行き届くようになり、そのため、蒸気が満遍なく原料に接触することから、原料の蒸し処理を十分に行うことができ、それだけ、処理効率を向上させることができる。その後、例えば手作業で種麹菌を原料に散布して麹菌を原料に付着させてから、二次処理を行なう。この二次処理時においては、ドラムを適宜回転させ、蒸気空気供給部から温度調整した空気を供給し製麹を行う。そして、最後に、原料を冷却して乾燥する。この二次処理においても、温度調整された空気をドラムの中心から外方に噴射することができ、空気がドラムの全面全周に行き届くようになり、そのため、空気が満遍なく原料に接触するようになり、このため、原料の製麹が十分に行われ、この点でも処理効率を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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